紅葉シーズンを迎え京都の人気スポットには、国内外から観光客が殺到しています。嵐山では落書き被害にクマの出没と対策に追われています。
日本各地で紅葉シーズン到来
東京・八王子。黄金色に光るイチョウ並木。関東でもようやく秋の色づきが始まりました。
岐阜県高山市。紅に染まったモミジとまばゆいイチョウのコントラスト。高山市では、この週末が一番の見頃になるということです。
「感動です。最高」
紅葉前線が列島を南下するなか、京都にも多くの人が詰めかけています。
ただ、有名観光地、嵐山の住民は竹の落書き問題に頭を抱えています。ついには苦渋の決断も。
開門前に大行列“深紅の雲海”
古都・京都は、秋の錦を楽しみに訪れた観光客で早朝からにぎわいをみせていました。
京都でも屈指の人気を誇る東福寺では、紅葉シーズンの到来に合わせ、本来午前9時の受付開始を15日から30分早めています。
「きょうは7時半くらいに来た」
「眠気を抑えながら来た」
「(Q.すでに千円札を握りしめているが)早く入りたくてうずうず」
寒空の下で待ちわびた観光客をまず迎えるのは、「洗玉澗」という渓谷です。見上げると一面、日の光にきらめくモミジに包まれます。
そして、およそ2000本の紅葉が彩る東福寺。最大の見どころは、渓谷にかかる橋の一つ「臥雲(がうん)橋」から、「通天橋」をのぞむ景色です。
下から見上げた紅葉が目の前に広がり、この時期は、赤・黄・青のグラデーションが楽しめます。
さらに紅葉が進むと、“深紅の雲海”と呼ばれる絶景になります。受け付け開始前にお札を握りしめ並んでいた女性は…。
「感動です。最高。心が洗われました」
丸窓の部屋に神秘的光景
そして、さらなる有名観光地の嵐山では、平日にもかかわらず奥の方まで観光客で道が埋め尽くされています。
「YouTubeとSNSで調べてきました」
この嵐山で近年、観光客が増え続けているのが…。
「訪れる人を魅了してやまないのが『丸窓の部屋』です」
SNSで注目を集めるのが、「嵐山 祐斎亭」です。5年前から一般公開が始まりました。
明治時代に建てられた元料理旅館の静かな和室で、丸窓からのぞく紅葉。写真映えすると、新たな名所になっています。
嵐山 竹林350本が落書き被害
年々、秋の嵐山の注目度とにぎわいが増すなか、深刻化する問題もあります。
「アルファベット一文字ずつとか、書ける範囲にはびっちり書かれてしまっている」
竹に刻まれた、無数のアルファベットや記号。
嵐山の観光名所「竹林の小径(こみち)」では今年に入り、観光客によるものとみられる竹への落書きが急増しています。
その数、少なくとも350本。すでに傷み始めている竹もあり、今後、倒れるかもしれないと懸念されています。
これまで地元住民などは、多言語で落書き禁止を呼びかける看板を設置するなどしてきましたが、落書きは止まることなく、いよいよ苦渋の対策に乗り出すことが決まりました。
「手を入れて触れる範囲は全部切ってしまおうと」
19日、およそ30メートルにわたって道から手が届く範囲の竹を試験的に伐採する予定です。
「地域をあげて大切にしてきたものを、落書きという大変残念なことで切らないといけないのは本当に残念」
京都「クマ空白地」で出没
車道から茂みに走りこむクマ。これは、京都府木津川市で撮影された映像です。
これまで「空白地」とされていた京都府南部でも今年はクマの目撃が相次いでいるのです。さらに嵐山から車で10分ほどの場所でも、クマらしき動物の目撃情報が複数回出ています。
「お客様と会話するなかで、『京都でもクマが出るようになった』という会話はよくする」
嵐山近くで、クマのような鳴き声が聞こえたと話す住人もいました。
「普通の生き物というか聞いたことのない声でした。山の方から東側のお宅の庭を通って下りてきたと(聞いた)」
クマが目撃されるのは、60年以上生活していて初めてのことだといいます。
「ここに上がったところに一つ。お上がりになる方に分かるように」
寺では参拝者への注意喚起として、急きょ、張り紙を作成。
寺の開門時間も、クマと遭遇しやすい早朝をさけ、2時間遅らせた午前7時からに変更するなどして警戒を続けています。
「山とのすみ分けができていたものがだんだんと。本当は自然に戻ってくれることが一番望ましいと思う」
(「グッド!モーニング」2025年11月16日放送分より)

















