社会

グッド!モーニング

2025年11月16日 14:27

クマが柿の木登り大暴れ “食への執念”?冬眠遅く12月も出没か

クマが柿の木登り大暴れ “食への執念”?冬眠遅く12月も出没か
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 仙台市の住宅地でクマが6時間居座り、捕獲までの一部始終をカメラが捉えました。また、群馬県の農園では連日、クマにリンゴを食い荒らされる被害に悩まされています。

6時間居座り捕獲が難航

 15日、仙台市では柿の木に登るクマが…。しかし、よく見ると少し様子が違います。

 手が引っかかってしまったようで降りられない状態になっています。時折、引っ張っているようにも見えますが、外れない状況です。

手が引っかかってしまっている
手が引っかかってしまっている

 警察によれば、15日午前6時半ごろ、仙台市青葉区の住宅近くにある柿の木でわなに掛かっているクマ1頭が発見されました。

 猟友会のメンバーが銃を構えるなど、現場は物々しい雰囲気に包まれています。

わなから逃れようと上へと登っていく
わなから逃れようと上へと登っていく

 クマは、わなから逃れようと上へと登っていきます。必死にわなを食いちぎろうとしているのでしょうか。木の上で暴れています。

 そこへ2人の男性が近づいていきます。1人が盾を、もう1人が麻酔銃を手にしています。

1人が盾をもう1人が麻酔銃を手にしている
1人が盾をもう1人が麻酔銃を手にしている

 そして、居座ってから6時間。矢のようなものがクマの体に刺さりました。しばらくすると麻酔が効いたのか、クマの動きが鈍くなります。

居座ってから6時間
居座ってから6時間

 その後、捕獲され駆除されました。体長1メートルほどのメスで、近くいた子グマも捕獲されました。けが人はいなかったということです。

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食い荒らされる様子カメラに

60歳の男性ハンターがクマに襲われた
60歳の男性ハンターがクマに襲われた

 一方、群馬県では人身被害も出ています。藤岡市の山林で60歳の男性ハンターがクマに襲われました。男性は頭と左腕にけがをして、搬送時には意識がありませんでしたが、その後、意識は回復したということです。

 群馬県内では連日、クマの目撃情報があります。群馬県みなかみ町。今が出荷の最盛期を迎えるリンゴ園では…。

リンゴ園のオーナー
リンゴ園のオーナー
リンゴ園のオーナー
「10月の20日から、こちらは毎日出ています」
「(Q.毎日のようにクマが?)毎日」

 オーナーが設置した監視カメラに連日、クマの姿が映っているといいます。

 木曜日の夜、時刻は午後9時13分。リンゴの木に登る様子が…。

リンゴの木に登る様子
リンゴの木に登る様子
リンゴ園のオーナー
「今クマが登っている所がだいたい1メートル80センチくらいの高さ。リンゴを食べたり、枝を折ったりしている」

 木から降りると辺りを見渡し、丸々と太ったクマが森へと帰る様子が映っていました。

丸々と太ったクマ
丸々と太ったクマ

 園内を案内してもらうと…。

「こういう被害が出ています」
「これ食べかけですね」
「これ食べかけですね」
「これ食べかけですね。かじられた後ですね」

 カメラには実際にクマがリンゴをかじる様子も映っていました。

クマがリンゴをかじる様子
クマがリンゴをかじる様子
リンゴ園のオーナー
「枝折られた木が7本。元の状態に戻るのにやっぱり10年近くかかっちゃうから、その間は減収ってことですよね」

 農作物への被害は後を絶ちません。

 黒い塊、クマです。柿を食べています。

柿を食べているクマ
柿を食べているクマ

 北海道の畑では体長2メートルもあるヒグマが出没。カボチャが食い荒らされました。

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冬眠遅く12月も出没か

 一体なぜ、人里で農作物を狙うのか。

成功体験が影響
成功体験が影響

 専門家は山の餌(えさ)不足だけではなく、人里でおいしい餌を食べた成功体験が影響していると指摘します。

岩手大学農学部 山内貴義准教授
岩手大学農学部 山内貴義准教授
岩手大学農学部 山内貴義准教授
「食べることに関する執着というのは非常に強くて、 巨体を維持しなければいけないので、 しかもほとんど植物食なので、大量に食べなくちゃいけないということで、それに関連する記憶というのは、非常に記憶力が高いですね」

 本来冬眠するこれからの時期についても警鐘を鳴らします。

「(冬眠せず)出没する可能性はある」
「(冬眠せず)出没する可能性はある」
山内准教授
「山のクマ自体は早く冬眠すると思うんですけれど、人里に出てきているクマに関しては、もしかしたらずっと12月遅くなっても(冬眠せず)出没する可能性はあると思う」

役場&空港にもクマ出没

 懸念すべきは、農作物のある場所だけではなく、人の生活圏への出没が相次いでいることです。

人間の生活圏
人間の生活圏

 青森県では村役場のロビーにクマが侵入。

 こちらは「いわて花巻空港」に現れたクマ。滑走路がおよそ1時間にわたり閉鎖される事態に。

「いわて花巻空港」に現れたクマ
「いわて花巻空港」に現れたクマ

 富山県では車の走行中に…。クマがぶつかった部分は大きく損傷していました。

 人の生活圏を脅かすクマ。専門家は、人とクマとの生活の境界線がなくなってしまう恐れがあると危機感を募らせます。

「実は境界線が曖昧(あいまい)に」
「実は境界線が曖昧(あいまい)に」
山内准教授
「実は境界線が曖昧(あいまい)になっています。自動車の音であるとか、人間のしゃべり声であるとか、いわゆる生活音みたいなのは全く気にしなくなっている個体がかなり増えている。長期的な目線で対策していく必要がある」

(「グッド!モーニング」2025年11月16日放送分より)

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