銀座の老舗和菓子店で、インバウンド客からの無断キャンセルが相次いでいます。注文しても取りに来ない客たちに店側は頭を悩ませています。
老舗和菓子店「泣き寝入り」
Xに「無下にお断りすることもできないので、本当に困っています」と投稿したのは、東京・銀座にある創業103年の老舗和菓子店「木挽町よしや」です。
名物は、もちもちの皮と上品な甘さのあんが特徴の「どら焼き」。これを予約した外国人観光客の「無断キャンセル」が相次ぎ、困っています。
「向こうの方は言葉も通じない。泣き寝入りになっちゃう」
「無断キャンセル」は、1週間に2、3回あるといいます。先週も外国人観光客から「どら焼き8個入りを2箱」という注文があり、用意して待っていましたが、結局取りに来ませんでした。
取りに来るよう促したLINEには既読もつきませんでした。
「手作業だからさ、キャンセルが来るときつい。うちみたいに、ちょこんちょこんとしかやってないと、ガーンってキャンセルがあるときつい」
「よしや」のどら焼きは、少ない人数のなか手作業で作っているため、1日に作れる数に限りがあります。
「買えるものありますか」
「申し訳ありません。きょうは(予約で)いっぱいなんです」
「最初から来ないと分かれば売っちゃうんだけど、もしかしたら取りに来たら悪いじゃない」
「よしや」のどら焼きの賞味期限は短く、営業時間が終わるまで待つと売り物にならなくなってしまうといいます。
「売るより断るほうが多い」
作れる数が限られるなかでの無断キャンセル。とはいえ、「すべての外国人観光客がキャンセルするわけではない」と強調します。
「ちゃんと取りに来る人もいます。日本(人)だって来ない人も。(外国人客が)少ないなかで取りに来ない人が多いから目立つ」
“言葉の壁”で行き違いも
キャンセルを巡っては、こんな出来事もありました。
どら焼きを注文したのは台湾から来たカップル。店は用意していましたが、その日は取りに来ませんでした。カップルがお店に来たのは、翌日。
そこで受取日を巡って言葉の壁による行き違いがあったことが分かりました。
カップルはメッセージを書いた封筒にお金を入れて持ってきたといいます。
「私のコミュニケーション不足により、ご迷惑をおかけしましたことをおわび申し上げます」
「ああいうのもある。全部が全部悪いわけじゃない」
お金は返し、お土産も渡して見送りました。
「よしや」では今後、店頭での注文は事前に代金をもらったり、英語の案内板を作ったりすることを検討しているということです。
(「グッド!モーニング」2025年11月17日放送分より)











