各地で連日クマの出没が続いているなか、環境省は17日、今年4〜10月までにクマによる被害を受けた人は196人と発表しました。過去最悪のペースです。
この週末も被害が相次いだ秋田県。鹿角市では16日、クマに襲われた可能性がある女性の遺体が見つかりました。遺体には動物にかまれたり引っかかれたりしたような傷があったということです。
また、能代市では16日正午前、営業中のイオンに体長80センチほどのクマが居座りました。クマが侵入したのは、食品や住居関連の売り場が並ぶ、店の1階です。北口から店内に入ったとみられ、店内を進んだ後、寝具売り場付近に居座りました。クマに気付いた従業員が家具などでバリケードを作り、閉じ込めたといいます。約2時間後、駆け付けた県の職員らが吹き矢を使って麻酔で眠らせ、クマを駆除しました。店は清掃と消毒をした後、17日に営業を再開。自動ドアを手動に切り替える対応が取られました。
「正面が食品売り場なんだけど、そこに行かないように閉じ込めたというのは、すごく良い対応だったと思う」
(Q.食品売り場に行ったら)
「いっぱいお客さんいますからね」
環境省は17日、全国のクマによる人的被害が先月は88人だったと発表しました。今年4月以降で合わせて196人となり、同じ時期で比較すると過去5年で最悪です。16日までにクマに襲われて死亡した人は13人に上っています。
山形県鶴岡市では、クマが住宅街の柿の木に登っているのが見つかり、緊急銃猟で駆除されました。岩手県岩泉町でも、柿の実をほお張る親子のクマが。住宅に囲まれているため緊急銃猟は実施できず、所有者と連絡が取れないため、木を切ることもできないといいます。
国の資料によると、クマを引き寄せる誘引物は約7割が『柿』。仙台市でも15日、柿の木に登ったクマがわなにかかり、約7時間後に駆除されました。
「冬眠前の時期は体に脂肪を蓄えないといけないので、どちらかというとナッツ系を好んで食べる。ただ今年はエサが山にほとんどないということなので、そんななか、1つの木でたくさんの実をつけて大量に集落にある柿の実に依存することが非常に多くなっている」
手入れが行き届かない柿の木は伐採するのが効果的ですが、空き家となっている場合も多く、簡単なことではないようです。
「クマをおびき寄せてしまう。ただ、持ち主も分からない場合には、行政が伐採できる仕組みを例外的に認めるとか、国が踏み込んでもいいと思う」








