2日連続、18日も同じ場所に現れた2頭の親子グマ。一方、クマと出くわした男性が爆竹で追い払う緊迫の様子も。
クマ暴れる 自動ドア衝突
画面奥から姿を現したのは1頭のクマ。そのまま前へ進み自動ドアに衝突します。少し驚いた様子を見せ、中を確認すると立ち去ります。これは18日午前6時ごろ、岩手県盛岡市中心部にある施設の防犯カメラ映像です。
クマが現れたのは盛岡駅からほど近い町の中心部です。自動ドアにぶつかったクマは再び姿を現すと、画面右側に走り去りました。すると、カメラには赤色灯を灯した警察車両がクマの後を追う様子が記録されていました。
18日もクマによる騒動は続きます。
岩手県岩泉町の住宅近くでは、柿の木に2日連続で親子とみられるクマが現れました。17日は無心で柿を食べている様子でしたが、18日は寝ているのでしょうか。人を全く気にすることなく休んでいます。
午後になり雪が降りだす中、クマは時折、木から下りる動きを見せます。しかし膠着(こうちゃく)状態が続き、新たに発足した岩手県警のライフルチームが出動しました。
こちらも朝から物々しい雰囲気に包まれます。
朝、盛岡市の商業施設の駐車場にクマが侵入。現場はJR盛岡駅から南におよそ3キロ、近くには住宅や大型商業施設のある街の中心部です。
警察車両で出入り口をふさぎ、警察官も盾を用意し万全の体制で構えます。自動ドアも突破してくるクマを警戒し、店の自動ドアも手動に切り替えられています。
「毎日ですもんね、市役所とか、中心地にも出ているようなので。うちの辺りにも来るかなと思って心配している」
クマは3時間以上居座ったのちに、午前11時ごろ吹き矢で麻酔をうちクマを捕獲。けが人などはいませんでした。
住宅近くでクマの出没が相次いでいます。
「(Q.クマが一頭入っている。寝ている?)だと思う」
岩手県花巻市では、住宅の目の前の畑に仕掛けた箱わなにクマが。安全を確保したうえで猟友会が確認しに行くと、箱わなの中には1頭の子グマが。
住民は日々クマの影を感じながらの生活です。
家の前にクマ 爆竹で応戦
18日に番組が向かったのは秋田県南部に位置する美郷町。実はこの町…。
「捕獲頭数は103頭で(前年比)101頭増で約50倍。異常な状況」
自宅前でクマに襲われたという男性は。
「朝は、クマいる何回も見たことある。ここ歩いてるの。向こうから親子でクマが走ってきた」
「ここに傷がある。縫った痕が。それは怖かった」
美郷町で犬の散歩中の男性が撮影した映像です。自宅近くの柿の木をよく見るとクマです。男性の飼い犬とクマのにらみ合いが続きます。
「多分、柿を食べていた。クマも犬を警戒、人を警戒っていうより犬を警戒していたかもしれない」
すると、柿を食べていたクマが突然猛スピードで木から下りてきました。幸い男性と飼い犬がいる場所とは逆の方向にクマは走り去って行き、事なきを得ました。
しかし同じ日に、男性が仕事から戻ると、木には再びクマの姿が。
男性はとっさにクマ対策で用意していた爆竹を使用します。爆竹の音に驚いたクマは急いで木から下りると、道路を横断して山の方向へ走り去りました。
美郷町では一日に何度もクマに遭遇する異常事態が起きています。
高塚剣課長
「(美郷町の)クマの出没、捕獲の状況ですが11月12日現在の出没件数は220件。前年同日比192件増で約7倍。捕獲頭数103頭。101頭増、約50倍。異常な状況となっている」
町では前年度は2頭だったクマの捕獲数が、今年はすでに103頭とまさに桁違いの数になっています。長年この町に住む住民も今年に関しては…。
「しょっちゅう出るようになったのは今年。すごく多い。畑仕事やっているけど、すごく怖い。いつやられるか分からないので、警戒しながらやっている。こんなに頻繁に、街中にというのは今年初めて」
「今まで以上に、住んでいる所に来る。里のほうまで。子どもの時にそんなのなかった。里まで下りてくるから。ここ最近だわ。クマね」
美郷町では去年、雪で一面銀世界の中でもクマが目撃されています。しんしんと雪が降る中を歩くクマ。脚がすっぽりと埋まるほどの深さの雪も、ものともしません。今年の異常ともいえる状況に町全体の警戒感もより高まっています。
「町では、人身被害の発生を受けまして、10月3日に危険鳥獣対策警戒部を設置し、定期的に防災行政無線で放送したり、テレビ回覧板に掲載するなど注意喚起を強化して、クマへの注意を呼びかけています。クマの出没が非常に多くなっておりますので、子どもの安全を確保し、安心して遊べる屋内環境を提供するため、児童を対象とした共有施設の臨時的な利用を開始しております」
町はこの他に箱わなの増設なども行っています。









