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2025年11月18日 19:40

インフルと“異常行動”その原因は?

インフルと“異常行動”その原因は?
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 インフルエンザの感染が急拡大しています。子どもたちに多いと言われる異常行動はなぜ起きるのか、その原因を専門家に聞きました。

なぜ起きる?子どもの異常行動

院長
「41.5℃までいったか。頭は痛かったですか?」
子ども
「頭は痛くない」
院長
「体の震えはなかった?」

「震えはありました」
院長
「インフルエンザA型が陽性で間違いない。だいぶ濃く出ている」

 東京都内のクリニック。この日訪れた発熱患者の8割以上がインフルエンザでした。

「インフルエンザの感染が爆発している」
「インフルエンザの感染が爆発している」
いとう王子神谷内科外科クリニック
伊藤博道院長

「インフルエンザの検査陽性率が83%はこの10年で初めて。今はインフルエンザの感染が爆発している」
落下した原因は分かっていない
落下した原因は分かっていない

 インフルエンザが爆発的な広がりを見せる中、17日、都内では事故が起きました。

目撃者の通報
「子どもがマンションから落ちた」

 インフルエンザで学校を休んでいた小学1年の男の子がマンションの4階から転落。当時、母親は薬などを買いに出かけていて、4階の部屋には男の子が1人でいたとみられています。落下した原因は分かっていません。

30代
「高熱でけいれんを起こすのは身近でも聞くので怖い。心配なので仕事も休んでずっと隣にいてあげないと」

 インフルエンザの流行時期に要注意。異常行動、その正体は?

異常行動の原因だと考えられているのは高熱
異常行動の原因だと考えられているのは高熱
二子新地ひかりこどもクリニック
久保田亘院長

「異常行動とは一時的な脳の熱に伴って起こるいろいろな諸症状、通常みられないような行動を指す。高熱に伴って子どもたちが不安定な状態になる。普段みられないような行動が起こる」
「(異常行動は)一般的には10歳前後が多いと言われている。小さい子でも大きい子でも起こりえる」

 異常行動の原因だと考えられているのは高熱です。クリニックによりますと、子どもの脳は発達途中でデリケートなため、急激な高熱によって脳が一時的に混乱し、いわば「オーバーヒート」のような状態になることがあるといいます。これが異常行動を引き起こす可能性があるということです。

「近年、厚労省の研究や世界でも大規模な調査が行われている。タミフルにかかわらず様々な抗インフルエンザ薬との異常行動との関連は特に示されていないと言われている」
厚生労働省も注意喚起
厚生労働省も注意喚起

 厚生労働省も抗インフルエンザ薬を服用していない場合でも、異常行動が起きるケースもあるとして注意を呼び掛けています。

厚労省 異常行動に関する過去の調査
厚労省 異常行動に関する過去の調査

 過去に厚労省が行った調査では「夜間に母親を包丁で襲おうとした」「自分の指を『ハムだ』と言いかじる」といったケースもありました。

「見えないものが見える、『入り口に人が立っている』と突然子どもたちが言ったりするのも異常行動の一つに入っている。異常行動に伴って走り出す、飛び降りるというのが事故につながる」

 子どもがインフルエンザになった時、どうすれば異常行動による不慮の事故が防げるのか。今すぐにできる3つの対策を現場の医師に聞きました。

異常行動を守る「3つの対策」

 インフルエンザによる異常行動。事前に気づくことはできるのでしょうか。

二子新地ひかりこどもクリニック 久保田亘院長
二子新地ひかりこどもクリニック 久保田亘院長
久保田院長
「異常行動を予見することはとても難しい。特に10歳前後の子ども、(発熱)2日間以内はまず起こるものと認識するのが大事」

 そのうえで、子どもがインフルエンザになった時、不慮の事故を防ぐために今すぐにできる3つの対策を教えてもらいました。

3つの対策
3つの対策
「家の中で窓に2重ロックのシステムがあれば2つ鍵をかけるのも大事だと思う。マンションにお住まいの方であれば、お子さんが寝る部屋をなるべく窓側じゃなくて廊下側に、ベランダとは反対側で寝かせてあげる」
「ぶつけたり、けがにならないように。夜起こりやすいので、電気は薄暗くてもつけておいてあげるとか、少し見やすい状況を作ってあげるのもいいかもしれません」
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