「人里」近くのカメラに映る巨大なクマ、好物のサルナシをむさぼっています。小さい個体だけではなく、2メートルを超えるヒグマが「山奥」から「人里」に行動範囲を変えています。
ガラス扉に激突“3時間居座り”
午前6時すぎ、防犯カメラが捉えたのは入り口に突進するクマ。
クマが現れたのは、岩手県盛岡市の岩手教育会館です。
クマはガラス扉にぶつかった後、画面左に消えます。その数秒後、猛スピードで走り去っていきました。その直後、赤色灯をつけたパトカーが追っていきます。
市内では18日、クマが立て続けに現れています。
盛岡市の商業施設の屋上駐車場に午前7時半ごろ、クマが侵入。JR盛岡駅から近い岩手教育会館から、この商業施設までの距離はおよそ3キロです。
クマは3時間以上、居座りました。
「この近辺に来たと聞いてびっくり。毎日ですもんね。市役所とか中心地にも出ている。家の辺りにも来るのかと心配」
午前11時ごろ、獣医師が吹き矢で麻酔をうち、クマを捕獲しました。
2日連続で柿の木に親子グマ
本来、山に生息する野生動物が連日、住宅街へ。
同じ岩手県の岩泉町では18日朝、サルが住宅のベランダに侵入。
この住宅のすぐ近くでは2日連続で、住宅の柿の木に親子とみられるクマ2頭が現れます。
17日の映像です。同じ場所に親子のクマが現れ、早朝から夜にかけて半日以上、柿の木に居座っていました。
クマが柿の実を食べる姿をカメラが捉えていました。
17日は実がたくさん実っていましたが、18日はほとんどついていません。それでも、親子のクマは柿の実に執着しているのか、再び木の上で長時間、居座ります。
午後4時をすぎ、雪が降る中でも、クマは延々と柿を食べ続けています。
木の上にクマが登っていると発砲できないということで、警察とにらみ合いが続いています。
日が暮れると、クマの姿は見えなくなりました。
巨大クマも「山奥」→「人里」へ
札幌市の住宅街では、雪が積もった道路に、幅11センチほどのヒグマの足跡が。目撃した人によりますと、体長およそ1メートルのクマが歩いていたといいます。
札幌市は、12日に円山動物園で駆除されたクマと同一の個体とみています。
住宅近くの畑では、巨大なヒグマも現れています。
ヒグマの習性が分かる貴重な映像が、自動カメラで捉えられました。
木の前で立ち上がるヒグマ。撮影者によりますと、体長は2メートルを超えているといいます。
前脚を使い、木の実を食べています。クマの好物だという、「サルナシ」の実です。
「クマの大好物であるサルナシ。コクワとも呼ばれている。小さいキウイフルーツのような果物がある」
クマの生態調査のために撮影した男性は「巨大ヒグマの行動範囲が変化している」と警鐘を鳴らします。
本来、山奥にいる巨大ヒグマが、なぜ人里へ?
山奥に設置したカメラには、数年前まで、ヒグマが度々映っていたといいます。ところが、今年は山奥にヒグマの姿はなく、シカばかりが映る異変が起きています。
今年、人里近くに出没するヒグマには、ある特徴が。
人里に現れるクマが増えている今年は、クマの冬眠が遅れる可能性があると専門家は指摘します。
「冬眠開始のきっかけは積雪よりも餌があるかどうか。最近は人里に餌があることを学習したクマが増えている。餌の利用を覚えたクマは冬眠開始が遅れる。クマの活動時間が長引けば、被害発生の危険な期間も長くなる」
対策として、クマの餌になりそうな食べ物をきちんと管理することが重要だといいます。












