1
海水温の高さが、“冬の味覚”カキに影響を及ぼしています。
東京・池袋にある広島料理をウリにしている店では、毎年、肉厚で濃厚な味が特徴の広島県産の生牡蠣を提供しています。ところが、今シーズンは、仕入れの目途が立たず、生食用は、香川県産で代用しているといいます。
雑草庵 松原直人店長
「広島のカキはもう全く入荷ないです」
「広島のカキはもう全く入荷ないです」
広島・呉市のカキの養殖場に向かいます。
水揚げされたカキ。そのほとんどが死んでいて、中身がありません。
家族で60年以上、カキの養殖をしている栗原さん。
音戸海産 栗原単さん
「異常なくらい死んでいますね。10個あったら、10個死んでいるくらい。1個、残ってればいいくらい」
「異常なくらい死んでいますね。10個あったら、10個死んでいるくらい。1個、残ってればいいくらい」
養殖カキの生産量が、全国の6割以上を占める広島県。
例年、暑さの影響で、3割ほど死んでしまうことがあるといいますが、ここまでの量は、創業以来、初めてのことです。
例年、お歳暮用の牡蠣を出荷していますが、このままでは、出荷は絶望的だといいます。
音戸海産 栗原単さん
「味自体、悪くないんです、生き残ったカキは。年末に絶対量が足りない状態で、いつも大事に食べてくれるお客さまに、なかなか出せない。生き残ったカキだけでも、大切に育てたいと思っていて、原因も見つけたい」
「味自体、悪くないんです、生き残ったカキは。年末に絶対量が足りない状態で、いつも大事に食べてくれるお客さまに、なかなか出せない。生き残ったカキだけでも、大切に育てたいと思っていて、原因も見つけたい」
広島県内で発生している養殖カキの大量死。
なぜ、死んでしまうのでしょうか。
広島県水産海洋技術センター 戸井真一郎技術次長
「今年の夏は、7月から急に暑くなって、10月ごろまで暑いのが続いた」
「今年の夏は、7月から急に暑くなって、10月ごろまで暑いのが続いた」
今年の呉市の平均海水温は、6月ごろから平年を超え続け、カキ漁が解禁された10月になっても、平年に比べ、1.5度以上高い状態が続いていました。さらに、夏に雨が少なく、海水の塩分濃度が高い状態が続いたことも原因と話します。
広島県水産海洋技術センター 戸井真一郎技術次長
「雨が少ないと、どうしても高塩分になってしまう。カキは、一般的に高い塩分の海域は好きではない。高塩分、高水温が長期間続くことがカキを弱らせる原因」
「雨が少ないと、どうしても高塩分になってしまう。カキは、一般的に高い塩分の海域は好きではない。高塩分、高水温が長期間続くことがカキを弱らせる原因」
養殖カキの大量死は、広島県にとどまりません。
岡山県や兵庫県など、瀬戸内海で被害が出ています。
鈴木農水大臣は19日、東広島市のカキの加工現場を視察し、養殖関係者と意見交換を行う予定です。
広告













