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報道ステーション

2025年11月19日 02:54

【速報】地域住民が避難…大分市の住宅密集地で大規模火災 きのうから強風注意報

【速報】地域住民が避難…大分市の住宅密集地で大規模火災 きのうから強風注意報
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18日午後5時40分ごろ、大分市佐賀関で「家が燃えている」と通報がありました。

小栗琴音アナウンサー
「火災の現場です。先ほどから真っ赤な炎が上がっていて、周りは煙に包まれています。そして、住民の皆さんが避難を続けている状況です。先ほどから、かなり風が強く吹いていまして、火の回りが早いように思われます」
住人
住人
「(Q.あの地域には何がある)民家です。(Q.火の回りが早い)早いです。この風やから、当然、早い」
強風注意報

17日から強風注意報が発表されていました。
冬型の気圧配置で、乾いた北風が吹きつける状態。乾燥注意報は出ていませんでしたが、空気は乾燥していました。

丹羽正道さん
丹羽正道さん
「火元が山に囲まれていて、谷のようになっている。風がぐるぐる渦巻いている。古い民家が燃え落ちて、そのときにブワッと広がって、火の粉が飛んで。建物が崩れたときの衝撃で、ブワッと粉塵のような」
住宅密集地

現場は、大分市の半島に位置する佐賀関。関アジ、関サバの産地としても知られる街を上空から見ると、海沿いに建物がびっしりと建ち並ぶ、住宅密集地です。

消防は、周辺住民に避難を呼びかけていて、自宅をあとにする人が続々といます。
高齢者らの避難は、一筋縄ではいきません。

消防
消防
「ここに、ゆっくり座ろう」
女性
「ありがとう」

そうしている間も、火がおさまる気配はありません。

20棟以上が延焼

午後9時半現在、20棟以上が延焼中だといいます。

住人
住人
「(Q.燃えている辺りは何が)幼稚園があった、立山幼稚園。そのちょっと向こうは山。山に火がついたら、大事になる」

消防によりますと、通報があったのは午後5時43分。一般住宅から火が出たといいます。

住人によりますと、かつて幼稚園があったあたりが燃えているそうです。その背後には、山が広がっていました。
消防によりますと、林野に延焼していないか、確認中だということです。

近くの住民
近くの住民
「風が海から山の方向。裏山があるが、港の裏の山まで火がいったらしい。かなりの範囲、燃えていると思う」
消防車15台

午後9時半の段階で、消防車15台が出動しています。これまでのところ、けが人の情報はないとうことです。

仲峻太朗ディレクター
仲峻太朗ディレクター
「佐賀関市民センターに、続々と避難者が集まっています。何人ぐらいでしょうか。50人ぐらいは、私の方でも確認できます」
避難した住人
避難した住人
「実家の5軒先ぐらいから火が出て、燃え広がっているのを聞きつけて。よくわからない、ちょっと動転してるから。すぐ近くから出たというから、すっ飛んできた」
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◆大分市に隣接している臼杵市の元消防本部消防長で、現在は大分大学減災・復興デザイン教育研究センター客員教授の板井幸則さんにお話を聞きます。

板井幸則さん

(Q.今の映像でもかなり激しく煙が上がっていました。そして、爆発音のようなものも聞こえて、恐らく火の手はおさまらないのではないかと思いますが、現在の状況をどのようにご覧になりますか)

板井幸則さん
「まだ延焼拡大中というところで、鎮火までには、かなり時間を要するだろうというような映像ですね」
板井幸則さん

(Q.鎮火のめどは、この状況を見る限りは、とても立たないということですね)

板井幸則さん
「はい、立たないと思います」
板井幸則さん

(Q.佐賀関は、有名な漁業の町としても知られていますが、風が渦巻くように吹くところだという話もありました。気象的特徴のようなものはありますか)

板井幸則さん
「そうですね。佐賀関は、半島になっていて、豊後水道に面しております。18日は、特に北西からの風が強いため、ここで、佐賀関半島に当たって渦巻くような状況になって、強風注意報が出ているなかでしたけど、特別、強かったので、延焼拡大につながっていったというような状況ではないかと思います」
板井幸則さん

(Q.住宅も密集していて、しかも古い住宅も多いように見えましたが、どのような印象ですか)

板井幸則さん
「佐賀関は、木造住宅が非常に多くて、路地が多いので、普通の場所と違って、消防車が、直接、家屋の隣まで行けないというようなところで、まず消防隊員もホースを、路地に這わせながら消火をしていくという、消火のしづらい場所でもあるという状況の場所だろうと思います」
板井幸則さん

(Q.こういう状況ですと、海から水を取る、取水をして放水するというようなことも行われているとみられますか)

板井幸則さん
「はい。今回は海が近いので、整備に関しては、そこまでは皆さん困っていないのではないかなとは思いますので、早く鎮火していただきたいと思っております」
板井幸則さん

(Q.過去にこのような大規模な火災が、頻発したりとかというような場所という記憶はありますか)

板井幸則さん
「大分市内では、こんなに大きな火災というのは、聞いたことはありませんので、ないですね」
板井幸則さん

(Q.住宅の延焼も大変心配ですが、裏手の山、森林の方にも火の手が燃え広がっているように見えます。そうなると、より消火というのは難しくなりそうですか)

板井幸則さん
「そうですね。風が強いので、火の粉が一緒に舞っていくような状況になりますので、間違いなく、山林火災にもつながっていきますので、やはり消火は、非常に手間取る。そして、夜間なので、消火しづらいというのもあると思います」
板井幸則さん

(Q.風が強いという状況ですので、飛び火が起きているという可能性もありますか)

板井幸則さん
「飛び火は、もうあると思います。今後もやっぱり本当に注意しないと、想定外のことが起きてくるのではないかと思いますので、十分、注意して、消火に当たっていただきたいなと思っております」
板井幸則さん

(Q.住宅の消火のみならず、火災延焼が懸念されるということになりますと、消火活動も非常に難しいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか)

板井幸則さん
「本当に難しいと思います。私も、いろんな現場へ行きましたけれど、これほど大火になっているというのは、あまり記憶もないですし、やはり山林にも燃え移りますと、当然、消火が難しくなる、時間もかかってしまうというところになろうと思います」
板井幸則さん

(Q.非常に厳しい状況のなかではありますが、今後、どのような方針のもとで活動にあたると思われますか)

板井幸則さん
「やっぱり、なるべく延焼を少なくして、まずは、住宅火災を1棟でも延焼を少なくするという形で、戦術的にはやっていくのではないかと思います」
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