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2025年11月19日 18:57

好物のハチミツの巣箱を狙い…クマ“驚異の学習能力”

好物のハチミツの巣箱を狙い…クマ“驚異の学習能力”
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 好物のハチミツを狙ってやってきた親子のクマ。電気柵を次々と通過していきます。高い学習能力を駆使して柵を突破するクマが相次いでいます。

クマ出没で“緊急銃猟”許可も…

 クマスプレーを持った警察官。19日もクマの出没情報が。

 富山県では住宅の近くでクマが目撃され、警察や自治体、猟友会が捜索にあたります。

 自治体の判断でクマを駆除できる「緊急銃猟」の許可が出たものの、その後、解除となりました。

「下が茂みなので正直どこにいったか分からない」
「下が茂みなので正直どこにいったか分からない」
ガバメントハンター
「柿の木にのぼっている状況だったが、茂みの枝が邪魔でのぼっているクマが全然見えない。木をおりれば撃ち下しになるのでいいと警察から指示があって。おりる一瞬だけは見えるけど人がいるので。落ちるようにおりるので。下が茂みなので正直どこにいったか分からない」

 驚異的な身体能力とパワーを誇るクマ。

 雪が積もってからも、クマが人里に現れる姿が目撃されています。

警戒心強いクマ“高い学習能力”

 クマは警戒心が強く、学習能力も高いのが特徴です。

 その生態が垣間見える貴重な映像があります。

養蜂場に度々現れていたクマ
養蜂場に度々現れていたクマ

 群馬県の養蜂場に、度々、現れていたクマ。奥には、クマの好物、ハチミツが入った巣箱があります。

巣箱の周りには電気柵
巣箱の周りには電気柵

 クマによる被害を防ぐため、巣箱の周りには電気柵が張り巡らされています。

 クマは電気柵を警戒しているのでしょうか、巣箱のほうには、なかなか近づきません。

 電気柵の前で止まり、様子を見ています。そして、ゆっくりと後ずさりしていきます。

鼻先が電気柵に接触
鼻先が電気柵に接触

 ところが、その16分後、再び巣箱の前に姿を現します。ゆっくり近づいたその時、鼻先が電気柵に触れると、驚いて逃げていきました。

 実は、このクマ、以前から養蜂場に何度も現れていました。

撮影者
クマの生態を15年調査
真輝さん

「1カ月くらい前から私の養蜂場に下見に来て、電気柵に警戒して1カ月前から徐々に来る時間帯が早まった」
徐々に人などに慣れてくると…
徐々に人などに慣れてくると…

 クマが最初に映ったのは9月1日の午後11時すぎです。その2日後は午前1時すぎ。深夜に現れ、すぐに去っています。変化が見えたのは、およそ2週間後。この日は午後7時と時間帯が早まっています。

「養蜂の巣箱を狙おうとする時間帯は午後6時〜7時。暗くなった夏でいえば夕方の時間帯に現れるようになって、そこから考えられるのは、クマは徐々に人などに慣れてくると、出没の時間も早くなるし頻度も増えてくるのが分かった」
電気柵に触れて逃げるクマ
電気柵に触れて逃げるクマ

 4日後にも同じ時間帯の午後7時に現れたクマ。ひと月前から下見を重ねて、ついに巣箱に近づきます。ところが、鼻先が電気柵に触れると逃げていきました。

「電気柵でバチンとなった後は来ていない。2カ月くらい経つ。ずっとカメラを設置しているが、その個体は映らなくなった」

 ただ、電気柵を学習したクマは再び現れることも。

「鼻先のような電気が通りやすい場所だと効果が…。結構頭が良いので電気柵を1回くらった個体は、電気柵がある所に穴を掘って入ろうとする。電気柵は線に電気は通っているが、ポールには電気が通っていない。頭が良い個体はポールを倒す個体がいる」
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好物のリンゴを狙い…電気柵をすり抜け

 高い学習能力で、電気柵を避けるクマ。その瞬間をカメラが捉えていました。

リンゴを保管している小屋
リンゴを保管している小屋
岩手大学 農学部 山内貴義准教授
「こちらがリンゴを保管している小屋。その周りに電気柵。クマが触ると痛くて嫌がる電気柵を設置」

 クマが前脚を使い、地面の土を掘っています。

 クマの目の前には、電気柵が張られていて、その先にリンゴが保管された倉庫があります。

 クマは電気柵の下の土を掘り続けると、土を掘ってできた隙間から電気柵をくぐって中へ。クマの背中は電気が通った線に触れているのに、なぜ通過できたのでしょうか?

電気柵の下の土を掘り続けると、土を掘ってできた隙間から電気柵をくぐって中へ
電気柵の下の土を掘り続けると、土を掘ってできた隙間から電気柵をくぐって中へ
「毛皮とその下に分厚い脂肪があると意外と防御できる。ただ電気柵や有刺鉄線は鼻先や肉球はかなり敏感。痛みがあったりとがったものに触れるのはものすごく嫌がる」

 群馬県の養蜂場でも先月、電気柵をすり抜ける親子のクマが現れました。

養蜂場
養蜂場

 クマの後ろ側に電気柵が張られていて、その内側にハチミツが入った巣箱が保管されています。すると、母グマが電気柵をすり抜け、中へ入っていきました。後を追う子グマも電気柵に背中が触れながらも通過していきます。

電気柵をすり抜ける母グマ
電気柵をすり抜ける母グマ
真輝さん
「今、冬毛に変わっていて、かなり毛がモコモコしている。ゴワゴワして体を木やササから守る防具。背中のほうから電気柵に触れた場合、鼻で当たるより電気の通りが悪い。それで通ってしまうクマは一定数いる」
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