初の海外公務でラオスを訪問した天皇皇后両陛下の長女、愛子さまはどのような様子だったのか? 現地に同行したテレビ朝日社会部 秋本大輔記者に話を聞いた。
【映像】絶賛された愛子さまのピンクの民族衣装姿(実際の映像)
━━複数の候補がある中、なぜラオスが選ばれたのか?
「1つは今年が日本とラオスの外交関係樹立から70周年という節目にあたることだ。それ以外にも、今年は日本が海外初として海外青年協力隊をラオスに派遣してから60周年という節目でもある。宮内庁幹部によると、実は行き先を決める際は『この国はこれで何周年』というリストのようなものを参考にしながら議論するというが、今回の議論では陛下とも相談しながら決めたという。ある宮内庁幹部は『ラオスは比較的近い距離にあり、最初のステップとして愛子さまにとってもいいのではないか』と話していた」
━━愛子さまの訪問は現地でどのように受け止められていたか?
「現地の人はニュースをFacebookなどで見る文化が強いが、愛子さまのニュース記事が数十万PVを獲得していることからも比較的多くの人に関心を持たれている印象を受けた」
━━愛子さまの外交デビューはスムーズに進んだのか?
「愛子さまは立て続けに国家副主席、国家主席、首相と会うなど、かなりハードな日程だったが入念に準備をされて挑まれたという。実はお父様である陛下が2012年にラオスを訪れているが、その際の料理の話などもして話を盛り上がったという。まさに陛下がつくった縁を愛子さまがさらに広げたとも言えるだろう。また、ある側近によると晩餐会での会話も非常に盛り上がり、歌などの演目が急遽追加され、時間を延ばしたという」
━━現地における愛子さまの民族衣装も話題になったが、
「まずは現地で『シン』と呼ばれる巻きスカートに『パービアン』と呼ばれる肩掛けを合わせた衣装。ビエンチャンで着たものは国家主席の奥様から送られたという。また、ルアンパバーンで着たピンクの衣装は国家副主席から送られたという。ラオス側は愛子さまの訪問前に宮内庁に『愛子さまはどういうお色が好きなんですか?』と確認し、その答えを受けて今回の衣装を作られたという。その結果、着用した愛子さまは『ラオスの伝統文化というものを肌で感じることができて非常に嬉しいと思った』と話されていた。また、ラオス側の反応も良かったようで、副主席が民族衣装を着ている愛子さまを見た際に『キレイだ、美しい!』などと4回連続で話され、通訳がどう訳すか困ってしまった場面もあったという」
━━愛子さまは小児病院も訪問されたがその時の様子は?
「愛子さまは日本赤十字で働かれていることもあり、小児病院訪問の思いは強いものだったと推察される。訪問された病院は日本のNPO法人が設立した病院で、24時間体制の救急病院として治療にあたっている。愛子さまは実際に病棟の中にも入られて検査室などもご覧になった」
━━同行していて最も印象に残ったことは?
「晩餐会での愛子さまのお言葉だ。初めての海外公務ということで何を語られるのか非常に関心を持たれていたが『力を尽くしてこられた方々に思いを馳せるとともに、今後、私たち若い世代が先人たちの歩みを受け継ぎ、両国の懸け橋になって』というお言葉があった。それはまさに今回の訪問を表現した言葉にも感じた。また、これからの皇室を担う愛子さまを表していたと言えるとも思う。『若い世代が受け継ぐ』というお言葉は陛下もくり返し述べられてきた言葉だ。陛下は『人と人とのつながりが親善の基礎となっている』などとよく話される。両陛下らがつないできた縁を自分がさらに太くしていく、そういった思いもこの言葉には込められていたのではないか」
(ニュース企画/ABEMA)
