およそ50人が一斉に釣り上げているのは、茨城県の霞ヶ浦で大量発生してしまったアメリカナマズです。地元の漁業にも影響を与える、その厄介者を釣り上げようという大会が夜通し行われました。
漁業や生態系に打撃
23日、茨城県土浦市で開催されたカレーフェスティバル。ひときわ長い行列ができていたのが…食べていたのは、アメリカナマズのフライです。
日本で2番目に大きい湖として知られる茨城県の霞ヶ浦。実は今、アメリカナマズが大量に発生しています。
午前2時から始まるシラウオ漁に同行すると、引き揚げられた網の中にアメリカナマズがいました。
「これが危ない。このトゲがこうやって引っかかっちゃうんです」
これはまだアメリカナマズの幼体ですが、ノコギリ状になっているトゲが網や人の手を傷つけます。
さらに、雑食のアメリカナマズは動いているものは何でも食べてしまうといいます。
影響は小さな魚にとどまりません。
うなぎを提供する店では、アメリカナマズが増えたことで漁に出る人が減っていると話します。
「ウナギをとるためにはえ縄漁をやっていた人が、ナマズばっかりくっつくようになっちゃったので、やめちゃうっていう人が増えてしまった」
アメリカナマズは「天敵」が少なく、1匹が1万個以上の卵を産むと言われています。
霞ヶ浦周辺ではこの10年で爆発的に増加し、生態系を脅かしているのです。
「夜通し釣り大会」開催
そこで先月、行われたのがアメリカナマズを一斉に釣り上げようという大会です。
地元だけでなく遠方からも参加した、およそ50人が釣り上げたアメリカナマズを次々と生けすに入れていきます。
食欲旺盛なアメリカナマズは、釣りの入門にもぴったり。霞ヶ浦には60センチを超える大物も多く、強い引きを楽しむこともできます。
「1回目のヒットでタックル一瞬持っていかれましたけど、ワイヤに助けられました」
「初動でボカーンと持っていかれるんで、ワイヤで椅子と結びつけていたんですよ。一回、水面に落ちたやつをワイヤでたぐり寄せて」
夜通しで丸一日行われたアメリカナマズの釣り大会。最終的に200匹以上が捕獲できました。
ナマズカレーも人気
釣り大会の目的は、減らすことだけではありません。
アメリカナマズを活用しようと、地元のうなぎ店がフライを考案。去年からカレーフェスティバルに出店し始めました。実際に、食べた人に感想を聞きました。
「特段クセがあるわけでもなく、臭みとかも感じないし、食べやすいなという印象ですね」
「ナマズカレー」はなんと2年連続でグランプリに選ばれました。
「たくさんの方に食べていただいて、1470食を販売しました。みんな協力してナマズを霞ヶ浦の名産にできるくらいの勢いで、頑張って広めていきたいと思います」
(「グッド!モーニング」2025年11月24日放送分より)








