オーバーツーリズムが問題になっている京都では、紅葉が見ごろを迎えています。この3連休は紅葉のライトアップを求めて500メートルの行列ができるなど、大変な混雑になりました。
観光客殺到…救急車も出動
3連休となったこの週末、各地で紅葉が見ごろとなる中、紅葉の名所として知られる嵐山エリアの代表的な観光名所「渡月橋」。橋の上だけでなく、周辺は多くの観光客で大混雑していました。
「渡月橋は左側通行です。立ち止まらず、ゆっくりお進みください」
混雑緩和のため、橋や一部の通りは片側通行規制を実施。それでも、あまりの人の多さに歩道から出てしまう人の姿も見られました。
そんな中、人混みをかき分け運ばれていく高齢女性。階段から足を踏み外し、けがをしてしまったといいます。現場は緊急車両が到着したことで一時騒然となりましたが、女性は大事に至らず、その後、病院に搬送されました。
京都駅から歩いて15分の距離に位置し、およそ1200年の歴史を誇る東寺。五重塔を背景に、境内では鮮やかに色づいた紅葉を楽しむことができ、夜になると境内の各所がライトアップされ、昼とは違った景色が広がります。
午後6時から、ライトアップされた境内に入場できるため、外には長蛇の列ができていました。
「このライトアップを見に」
「(Q.こんなに並ぶと思っていました?)さっき来て、びっくりしました。すごく楽しみです。きれいな紅葉を見られるか」
入場が始まった後も続々と人が訪れ、列は一時およそ500メートルに及ぶことも。ようやく入場し、目の前の景色に息をのむ人々。
「めちゃくちゃきれいでした。やっぱり池に映る五重塔が良い感じ」
トロッコ列車チケット争奪戦
ひと味違った紅葉とライトアップを楽しめるのが「嵯峨野トロッコ列車」。保津川の絶景や四季折々の風景を楽しむことができます。
この時期は色づいた紅葉を間近に走るため、大人気スポットになっています。
「(Q.紅葉どうですか?)よかったですよ。紅葉が上のほうまでぶわーっと見られましたね」
トロッコ列車に乗った女性3人は、席の予約を取るのに苦労したそうです。
「1カ月前(に予約)」
「そうじゃないと、取れないんですよ。私たちが寝ていた時に頑張ってもらったんです」
「(Q.じゃあ寝てて?頑張って?)それで、ありがとうございました〜って」
「たぶん争奪戦だったと思うんですよ」
1カ月前の予約開始直後に争奪戦が行われるほど人気だといいます。
日中の便も人気ですが、暗くなった時間の便からは各所でライトアップが施され、幻想的な光景が広がる車窓を楽しめます。
そのため、夜の便の予約も…。
「(Q.いつごろ予約されたんですか?)ちょうど1カ月前です。日付が変わってすぐに」
神戸から訪れた女性2人は人生初の夜の便に乗るべく、1カ月前の予約争奪戦を制し席を確保。
「いい感じに日が暮れてきたので楽しみです」
乗客が列車に乗り込みました。しばらく走り、目の前に広がってきたのは…。
さらに、イルミネーションによる、きらびやかな演出もありました。
苦労してチケットを手に入れた2人は、念願の景色に夢中な様子。
「メッチャきれいだったよね。ライトアップされていたので。明るい時間と(ライトアップされる時間で)、往復してもいいかなと思いました」
クマ目撃…異例の警戒
紅葉の3連休、多くの観光客でごった返す京都に、今年は“ある異変”が…。
京都・木津川市で撮影された映像。突然クマが車道に、飛び出す瞬間が映っています。これまで、クマが確認されていなかった地域での出来事でした。
京都市内でも、今年度のクマの目撃情報は70件以上。人気観光地のすぐ近くでも、クマの目撃情報が相次いでいます。電柱にはクマに関する注意書きが貼られています。
渡月橋から直線距離でおよそ2.5キロ、観光地からほど近い住宅街で、相次いでクマの目撃情報が寄せられました。
「お年寄りとか歩いているんだけど、めっちゃ『熊鈴』をつけている人が多い。もう周りから散歩、早朝とか夕方とか出るなって言われて。だからこの時間(10時すぎ)に出ている」
目撃情報があった場所の目の前にあるお寺では急きょ、訪れる人に注意喚起する貼り紙を作ったり、クマに出会わないよう対策をしたりしています。
「そりゃ怖いですわ。だから私は夜はもう極力(外に)出ないようにしていますしね。車で移動したり、それから歩く時にはこう(鈴をつけた杖を)持ったり」
しかし、対策をしていても、クマの気配を感じることは多いといいます。
「(Q.鳴き声?)鳴き声がね。それを聞いている」
クマが活動する時間帯を少しでも避けるため、お寺を開ける時間を遅らせるなどしているといいます。
相次ぐ落書き…苦肉の策で竹を伐採
一方、人気の観光スポットでも別の異変が…。
およそ400メートルに渡って青々とした竹が整然と立ち並び、空を覆うように枝葉が伸びる「竹林の小径(こみち)」。日本らしい風情のある景色を楽しもうと、多くの観光客が訪れます。
「雰囲気からもう全然違うので。竹に囲まれている感じとか、すごくなんか“浸れる”っすね」
しかし、今年に入って観光客によるものとみられる竹への落書きが目立つようになり、およそ350本が被害に。
19日、市は試験的な対策として、道から手が届く範囲に生えている竹など25本を伐採しました。
「落書きはちょっとありえないやろと思うので、ショックですね」
「それによって対策で伐採していくってなると、本来の姿じゃなくなるのは、もったいないなって感じですね」
伐採されて以降、初めて迎える連休。変わらず、多くの観光客が景色を楽しんでいました。
しかし、落書きの爪跡はすべてが消えたわけではありません。
市は地元の団体と協力して、今回の伐採の効果を見極めたうえで、今後の対策につなげるといいます。
「世界中から竹林が美しいですねといって来られるのに、汚い落書き見せられて残念でしょうし、地元としても大切にしてきているこの竹林の竹が汚されてきているのは、残念で悲しいことだと思っています」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年11月24日放送分より)

















