沖縄県本島の北部・大宜味村で、海沿いを走る県道の地下にある水道管が破損しました。
歩道が大きく陥没。そこからあふれた大量の水と土砂が、車道を覆っていました。
老朽化による水道管の破損は、全国で、1日に50件以上起きているとされます。
今回、破損したのは、影響の規模が最も大きいダムからの水を浄水場に送る“導水管”と呼ばれる水道管でした。
県は当初、沖縄本島に26ある市町村のうち、17で断水の恐れがあると発表。破損した現場は、北部なのに、断水の対象エリアは、南部に集中しています。
発表を受け、沖縄本島の最南端・糸満市の家庭でも、備えが始まっていました。
「まだ水は出ているので、(鍋など)あるもの全部に水。水の容器を準備してなかったので」
やっかいなのは、いつから、どのくらい断水するかはっきりしないことです。
沖縄都市モノレールの一部の駅では、断水に備え、節水のためトイレの利用を停止していました。
那覇市では、24日午後8時半ごろから断水となったところがあり、住民への給水も始まっています。
水道管が破損したのは、沖縄本島の北部です。
なぜ、南部で断水になるのでしょうか。
今回、破損したのは、県内最大の水がめ・福地ダムを含む、北部の5つのダムと、久志浄水場を結ぶ導水管です。本来であれば、そこからさらに南部の街へと届けられるはずでした。この北部のダムの水を、中南部に送る仕組みは、“北水南送”と呼ばれています。
沖縄県は、降水量こそ多いものの、水源を確保するのが難しい地域です。
ダムの建設に適した豊かな森林や、起伏に富んだ地形は、北部に集中しています。その北部の水は、大半が、人口の多い中南部で消費される形です。北水南送は、安定した供給を確保するために構築された仕組みでした。
夜になり、浦添市の一部で断水に。
串焼きの店は、いつもより早く閉店です。少しずつ水の出が弱くなり、午後8時ごろ、完全に止まりました。
「営業していて。いま、お客さん帰って。もう水が出ないから帰した。(Q.後片づけは)もう無理。このままの状態、水が出ないならどうしようもない」
台所で鍋に水を貯めていた糸満市のお宅でも断水が始まりました。
「ただいまの時間、午後8時48分。水が出なくなりました」
破損した導水管の復旧は、めどが立っていません。
県は、別の導水管に切り替えて対応するとしていますが、各家庭に水が届くのは、早くても25日午前中になるということです。












