24日、東京の足立区でひき逃げ事件が発生し、11人が死傷しました。事故を起こした車の暴走がドライブレコーダーに映っていました。
暴走300m 緊迫検証
連休最終日の昼下がりに起きたひき逃げ事件。暴走した白いセダンの異様な様子を3台のドライブレコーダーが捉えていました。
最初の異変は、事件現場から300メートル離れた足立区役所前から始まりました。
車は区役所前の信号を無視して、横断歩道で人をひき、直進した後、歩道に入り、次々と人をひいたということです。
横断歩道ではねられた20代の女性が意識不明の重体に。
現場では片側2車線の真ん中で複数の警察が鑑識作業をしていました。周辺の歩道には通行人の姿も見えます。
次の異変は、区役所からおよそ170メートル先の銀行。白い暴走車はその手前で歩道に進入しました。
銀行近くを通り掛かった車のドライブレコーダーがその様子を捉えていました。
交差点にさしかかった車。正面に見えるのが銀行です。
その瞬間、奥の歩道を猛スピードで走り抜ける車。
よく見ると赤信号で止まっている車を避けるためか、歩道を走っているのが分かります。
直後に聞こえたのは衝撃音。歩道上では、亡くなった80代男性を含む歩行者4人をはねました。
この状況に専門家は次のように話します。
「時速60キロ前後出ていると思います。ほぼ減速なしで走ってきている。事故の危険性というのを考慮していない運転だと思います」
歩道を走る様子を捉えた映像には、サイレンを鳴らして追い掛けるパトカーも映っていました。
その後、白い暴走車は再び車道に出ます。130メートルほど直進したショッピングセンターの横で複数の車に衝突。
信号待ちで停車していた車の映像を見ると、後方には青いトラックとパトロールカーが止まっています。
そこへ…暴走車はハンドルを右に切り返しながら迫り、トラックとパトロールカーに追突。トラックは映像から消えてしまいます。
そして車が止まるのを待つより早く、運転席から男が飛び出してきました。
前方カメラを確認すると、白い軽自動車は押し出され、トラックは街路樹に突っ込み、イチョウを倒してしまいました。
車道を全速力で駆け抜ける男。
間一髪、追突を逃れた人は…。
「衝突の瞬間は時速40キロを切っているくらいだと思います。その前の事故で左の前輪辺りを壊してしまって、まっすぐ走れないような状態だったのではないかと」
事故直後の映像には、多くの車が入り乱れ、損傷していました。
現場に残された白いセダン。フロントガラスはひび割れ、ボンネットは大破していました。
ショッピングセンター横の6台が絡む玉突き事故では、車に乗っていた6人がけがをしました。
最初の足立区役所前からおよそ300メートルに渡り続いた暴走。この事故で9人が重軽傷を負い、20代女性が意識不明の重体、80代男性が搬送先の病院で死亡が確認されました。
自動車販売店から窃盗疑い 男逮捕
事故を起こした白い暴走車にはある特徴が…。
「ナンバーがついていない車両」
ナンバープレートを見ると「認定中古車」の文字があります。まだ販売される前の車です。
事故を起こした車は、同じ足立区内の車両販売店で、事故のおよそ2時間前に盗難されたものでした。
ひき逃げ事件を起こした車は盗難車だったことも判明。その販売店の場所は、最後の事故現場からおよそ700メートル北に位置しています。
24日午前10時20分ごろ、盗難された販売店近くの防犯カメラには、店の敷地から出ていく白いセダンが映っていました。ドアポケットに鍵が入っていたため運転できる状態だったということです。
販売店は車がないことに気付き、午前10時29分、警察に通報しました。
警視庁は事故を起こした車を販売店から盗んだ疑いで、足立区の職業不詳の男(37)を逮捕。ひき逃げ事件にも関与しているとみています。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年11月25日放送分より)




















