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25日午後に行われた2回目の被告人質問、山上徹也被告(45)が「絶望と危機感」と語ったきっかけは、安倍元総理が旧統一教会に送った動画でした。
山上被告語る“事件の核心”
山上被告
「絶望と危機感かと思います」
「絶望と危機感かと思います」
なぜ、安倍元総理を狙ったのか?裁判を傍聴したジャーナリストは…。
ジャーナリスト 鈴木エイトさん
「安倍元総理のビデオメッセージに関して、絶望と危機感を抱いたという発言をしていた。安倍元総理、個人への怒り、憤りに関してはそれを否定していたところが注目点」
「安倍元総理のビデオメッセージに関して、絶望と危機感を抱いたという発言をしていた。安倍元総理、個人への怒り、憤りに関してはそれを否定していたところが注目点」
安倍元総理を銃撃し、殺害した罪などに問われている山上被告。
25日午後に開かれた裁判では、山上被告本人への2回目の被告人質問が行われました。
2002年、21歳の時に自衛隊に入隊した山上被告。2004年、母親の自己破産を知り、2005年に自殺未遂を起こします。
25日被告人質問から
山上被告
「自分の意思とは関係なく、経済的なことに関する最終的な責任、求められていることが不本意というか。なんで自分が母の献金や兄の周囲を顧みない行動に責任を取らないといけないのかと」
山上被告
「自分の意思とは関係なく、経済的なことに関する最終的な責任、求められていることが不本意というか。なんで自分が母の献金や兄の周囲を顧みない行動に責任を取らないといけないのかと」
弁護側
「責任をとるという意味で自殺を図ったのですか」
「責任をとるという意味で自殺を図ったのですか」
山上被告
「自衛隊に入る前に、兄が浪人していることでのいさかいから、兄を殴ったことがあったので、その罪悪感もあったと思います」
「自衛隊に入る前に、兄が浪人していることでのいさかいから、兄を殴ったことがあったので、その罪悪感もあったと思います」
その後、自衛隊をやめた山上被告は「宅地建物取引主任者(当時)」、「ファイナンシャルプランナー2級」「測量士補」の資格を取ったそうです。
山上被告
「自衛隊を諦めた後に、さほど難しくないけれど何か食べていくのに困らない資格を取ろうと思っていました」
「自衛隊を諦めた後に、さほど難しくないけれど何か食べていくのに困らない資格を取ろうと思っていました」
その山上被告に契機が訪れたのは、2015年。兄が自殺したのです。
山上被告
「トラブルを抱えていたので、突き放していたということもありましたし、遺体を見た時に非常にショックで、悩んでたんだなと。助けてやれなかったなと」
「トラブルを抱えていたので、突き放していたということもありましたし、遺体を見た時に非常にショックで、悩んでたんだなと。助けてやれなかったなと」
兄の葬儀には、旧統一教会の関係者が訪れ、「教団の儀式」を始めたそうです。
山上被告
「黙って見ていたんですが、何てことをするのかなと信教の自由とか言ってこのことをずっとしてきたし、これからもしていくのだろうと思いました」
「黙って見ていたんですが、何てことをするのかなと信教の自由とか言ってこのことをずっとしてきたし、これからもしていくのだろうと思いました」
2018年には、教団トップの娘の襲撃を企てましたが断念したといいます。
山上被告
「その人(教団トップの娘)を襲撃しようと考えて、駐車場のあたりから会場に向かっていくところに、ナイフと催涙スプレーを持って待っていましたが、いざ教祖の娘が何人かのボディーガードのような人と歩いて行くのを見た時に、ちゅうちょしてしまったというか、何もできずに見送りました」
「その人(教団トップの娘)を襲撃しようと考えて、駐車場のあたりから会場に向かっていくところに、ナイフと催涙スプレーを持って待っていましたが、いざ教祖の娘が何人かのボディーガードのような人と歩いて行くのを見た時に、ちゅうちょしてしまったというか、何もできずに見送りました」
弁護側
「どんな感情が生じましたか?」
「どんな感情が生じましたか?」
山上被告
「非常に情けないというか、何とかする方法はないのかといいますか」
「非常に情けないというか、何とかする方法はないのかといいますか」
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安倍氏動画に「絶望と危機感」
そして裁判はついに事件の核心部分へ。事件が起きたのは、2022年、参院選の応援演説中だった安倍元総理を、山上被告が手製の銃で撃ち殺害したとされていますが、この銃を作るきっかけが教団トップの娘の襲撃失敗にあったと話しました。
山上被告
「教団トップの娘をナイフで襲撃できなかった。対象と距離をとれば、心理的負担がなく、軍隊でも発砲できたり、距離をとらないと自分にはとても実行できないと思ったので」
「教団トップの娘をナイフで襲撃できなかった。対象と距離をとれば、心理的負担がなく、軍隊でも発砲できたり、距離をとらないと自分にはとても実行できないと思ったので」
では、なぜ狙ったのが安倍元総理だったのか?山上被告は、安倍氏が旧統一教会の関連団体に送った、ビデオメッセージを見た時のことについて問われ…。
弁護側
「UPF(教団の関連団体)の動画を見た時に考えたこと、思ったことは?」
「UPF(教団の関連団体)の動画を見た時に考えたこと、思ったことは?」
山上被告
「現役の総理でなくなった後に出た以上、これから出るのを拒む理由がないというか。非常に長い期間勤めた総理ですから、どんどん社会的に認められてしまう。本来の姿の反対として認知されてしまうと思った」
「現役の総理でなくなった後に出た以上、これから出るのを拒む理由がないというか。非常に長い期間勤めた総理ですから、どんどん社会的に認められてしまう。本来の姿の反対として認知されてしまうと思った」
弁護側
「認知された結果はどうなると思いますか?」
「認知された結果はどうなると思いますか?」
山上被告
「被害を被っている側からすると、非常に悔しいというか受け入れられない」
「被害を被っている側からすると、非常に悔しいというか受け入れられない」
弁護側
「感情的に表現するなら?」
「感情的に表現するなら?」
山上被告
「絶望と危機感かと思います」
「絶望と危機感かと思います」
弁護側
「怒りは?」
「怒りは?」
山上被告
「安倍元首相に対してではないですが、そのような様態になっている、怒りというか、それは困ると言う感情でしょうか」
「安倍元首相に対してではないですが、そのような様態になっている、怒りというか、それは困ると言う感情でしょうか」
弁護側
「その結果、最も影響がある人と言う認識に?」
「その結果、最も影響がある人と言う認識に?」
山上被告
「そうかと思います」
「そうかと思います」
山上被告が語った内容について、鈴木エイト氏は…。
「直接、なぜ安倍元総理を狙ったのかというところに関しては、まだそこの手前という感じでした。具体的になぜ安倍元総理だったのか、直接の質問とその回答にはまだなっていなくて、来週の検察側の質問の中であるのかなって感じでした」
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