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2025年11月27日 19:36

クマの衝突事故“最多”に フェイク動画も

クマの衝突事故“最多”に フェイク動画も
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 クマの衝突事故が過去最多に。一方、フェイク画像を巡って自治体が謝罪する事態も起きています。

フェイク画像で自治体 謝罪も

車内アナウンス
「大曲駅発車後、秋田駅まで走行中、線路内にいたクマをはねたため、停車しました」

 24日、「秋田新幹線こまち」が、線路にいたクマと衝突。車両の点検で33分の遅れが出ました。

 JR東日本秋田支社によりますと、クマと列車の衝突事故は今年度51件に及び、統計以来、過去最多を更新しています。

クマと列車の衝突事故は過去最多
クマと列車の衝突事故は過去最多

 新たな問題も。こちらの画像、市街地の中心地の道路に体長2メートルはあろうかという巨大なクマの姿が。

クマの画像は偽物です
クマの画像は偽物です

 宮城県の女川町役場が住民からの提供を受け、26日の正午すぎ、クマ出没情報として公式SNSに投稿した画像です。ところが…。

女川町のXから
女川町のXから
女川町のXから
「提供された情報(画像)が生成AIによるフェイク画像であったことが判明いたしました」

 投稿から3時間ほど後に画像を提供した人物が交番に現れ、「画像はフェイクだ」と説明したといいます。

画像を提供した人物
画像を提供した人物
画像を提供した人物
「いたずらで同僚に送ったが、信じた同僚が町に通報した」

 女川町は、訂正と謝罪の投稿をしました。

 番組の取材に対して、町の担当者は…。

女川町の担当者
女川町の担当者
「緊急性を考慮して、注意喚起の投稿をしたと同時に画像の信憑(しんぴょう)性を確かめるため、宮城県庁に依頼し、AIによるフェイク画像か検査をしましたが、はっきりとは分からず、ハンターにも見てもらいました。『クマの影が不自然』という話もありました」
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車めがけてヒグマが猛突進「もう終わったと思った」

 猛スピードで車に迫ってくる巨大なヒグマ。

巨大なヒグマ
巨大なヒグマ

 北海道歌志内市で、助手席から撮影された映像です。

 襲いかかってきたヒグマのそばには、子グマが2頭います。母グマの体長は、およそ2メートル。

子グマが2頭
子グマが2頭
「どうしよう。怖い、怖い、襲われる」
「電話したほうがいいんじゃない」
「やばい、バックできなかった」
「警察に連絡する?」

 車を運転していた女性は、この時の恐怖を語ります。

「『襲われた。もう終わった』と思った。バックしなかったらやられていた。動画は速そうに見えないけど、結構なスピードで。焦ってバックに入れられなくて、ニュートラルに入って大変だった。峠なのでバックを間違えたら、がけに転落するようなところ」 

 警察に通報して、親子のヒグマが立ち去った後、通過したといいます。

 27日も人への被害が出ています。

アナウンス
アナウンス
アナウンス
「付近でクマの人身被害がありました。外出を避けてください」

 福井県勝山市の住宅地で、27日午後1時すぎ、80代の男性がクマに襲われけがをしました。

 男性は軽トラックに木を積む作業をしていた時に、クマに襲われたとみられています。

勝山市の担当者
勝山市の担当者
勝山市の担当者
「クマに顔面を引っかかれたようで、そのままクマは立ち去って、男性は妻が小屋で作業をしていたので、そこまで自力で行き、助けを求めて119番通報をして救急車に乗った」
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紅葉ピークの京都 戦々恐々

 人気の観光地である京都市でも今年、クマの出没が急増しています。

京都市でも今年クマの出没が急増
京都市でも今年クマの出没が急増

 今年7月、自動カメラが捉えたのはクマです。翌月の8月にもクマは姿を現します。クマが出没したのは、京都市の市街地に隣接する山です。

京都市の市街地に隣接する山
京都市の市街地に隣接する山

 京都市では、これまでもクマの生息が確認されていました。

 ただ、今年度の出没情報は、すでに110件で昨年度の86件を大きく上回っています。

クマの出没件数
クマの出没件数

 クマの目撃件数が増えた京都市右京区では、クマ出没の注意を呼びかける張り紙が、至る所に。

 右京区の高雄山にある「神護寺」では、紅葉の見ごろを迎えています。

高雄山にある「神護寺」
高雄山にある「神護寺」

 京都駅から、およそ11キロ離れた位置にある静かな山寺です。弘法大師、空海ゆかりの地で古くから紅葉の名所として知られています。

 境内には、樹齢500年以上の大木も多く残っていて、赤い紅葉が寺、全体を包んでいます。

境内には樹齢500年以上の大木も多く残っている
境内には樹齢500年以上の大木も多く残っている

 京都市内でクマの出没が増えているなか、観光客からは不安の声も。

仙台からの観光客
「実際に(クマが)出てくると怖い。仙台のほうもあまり出なかったが、最近仙台駅周辺でも出るようになってびっくりしている」 

 神護寺の近くでは今のところ、クマの出没はないといいます。

神護寺 谷内弘照住職
神護寺 谷内弘照住職
神護寺 谷内弘照住職
「境内には、砂利を敷き詰めている。歩くとザクザクと音が出る。そういう所は動物は好まないので、比較的安全だと思っている。(人の)往来が多いシーズンなので、安心して来てもらえればと」 

 神護寺の近くにある、もみじに囲まれた旅館ではクマへの警戒を強めています。

 川床で懐石料理を味わいながら、目の前に広がる、色とりどりの紅葉を楽しめます。

もみぢ家別館
もみぢ家別館
観光客
「もみじがきれいすぎて、母と感動した。京都堪能やね。ホテルに泊まったが、クマ出没注意と書いてあった。京都でクマを見たことがないのでびっくり」

 クマの出没に備え旅館では、今年から対策をとっていました。受付にクマスプレーとクマ鈴を用意しています。

もみぢ家 女将 浜田いづみさん
もみぢ家 女将 浜田いづみさん
もみぢ家 女将 浜田いづみさん
「ここは常に人がいるし、お客様もたくさん通るので、すぐ誰かがとって対策できるように分かりやすい所に置いている」

 京都市で人気の紅葉スポット嵐山。

 地元の商店街では、クマの対策を強化しています。

嵐山商店街 石川恵介会長
嵐山商店街 石川恵介会長
嵐山商店街 石川恵介会長
「近年クマがこの辺りで出ることはなかったが、今年は車で10分ぐらいの範囲で何カ所かクマの目撃情報がある。嵐山自体には出ていないが、山はつながっている。この後ろは山なので、出てもおかしくない。心配している」 

 飲食店などが立ち並ぶ商店街では、クマを寄せ付けないための対策として、ごみ袋を二重にしてネットで覆っています。

クマ対策、ごみ袋二重にしてネットカバー
クマ対策、ごみ袋二重にしてネットカバー
石川会長
「なるべく、匂いを出さないように、クマが近づかないよう厳重に」 
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