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2025年11月29日 02:16

“教授”に合格と偽り“許状”はすべて偽物 お茶の生徒から123万円“詐取”

“教授”に合格と偽り“許状”はすべて偽物 お茶の生徒から123万円“詐取”
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東京都内で、お茶の教室を経営していた女が、生徒から123万円をだまし取った疑いで逮捕され、28日、送検されました。

渋沢宗麗こと、渋沢麗扇容疑者(68)。新宿区にあるマンションの1階で、茶道教室を経営していました。

渋沢容疑者

警視庁によりますと、渋沢容疑者は、2017年、当時48歳だった女性に「教授の申請をしたらいいんじゃない」と声をかけたといいます。

教授

教室のホームページに、一番上の資格として掲載されている“教授”。稽古を積んで“準教授”となった後、さらに経験を重ね、師匠の推薦を受けた本部が認めて、初めて取得できます。そう簡単に手が届くものではありません。

しかし、去年4月、渋沢容疑者から女性に“教授”を取得できたかのようなメッセージが届きました。

渋沢容疑者
渋沢容疑者
「待ちかねた教授、おめでとうございます」
登録手数料

だまし取ったとされる“登録手数料”名目の123万円。
メッセージには、宗家事務局執事引次88万円など、その詳細までも記されていました。しかし、実際には、申請すらしていませんでした。

本来、“教授”の資格にかかる費用

警視庁によりますと、本来、“教授”の資格にかかる費用は、“挨拶料”44万円ほど。申請してから認められるまでには、10年ほどかかるといいます。

日本の伝統文化を学べる

渋沢容疑者は、書道や着付けなど「日本の伝統文化を学べる」と銘打ち、教室を経営していました。

かつて、半年ほど容疑者の教室に通ったことがある人は、こう話します。

渋沢容疑者を知る人
渋沢容疑者を知る人
「とてもお茶の世界で、成功されている方だなというイメージ。当然、社交的で、見た目も華やかな方。東京だと、かなり名の通った先生だと思う。そういう立場の方が、まだ全容はわからないけど、お茶を侮辱するようなことを、何でしたのかと思い、悲しくなった」

そのうえで、こう指摘します。

渋沢容疑者を知る人
渋沢容疑者を知る人
「(教授は)試験を受けて、パスするということではない。その人の今までの実績や人柄。お茶の普及・発展に貢献してきたかも加味される世界なので」

事件は、なぜ発覚したのでしょうか。

教室関係者

警視庁によりますと、資格を与える“許状”を渡すところを見た教室の関係者が、申請期間の短さや多額のお金が支払われていることを不審に思い、本部に問い合わせました。すると、申請の事実が確認できず、明るみになったのです。

“教授”の許状

“教授”の許状は、師匠を介さず、京都の本部から直接、受け渡すのが通例。
今回、渋沢容疑者が渡したのは、すべて偽物で、紙質も字体も、本物とは異なっていたといいます。

渋沢容疑者

渋沢容疑者は、取り調べに対し「全然やっていません」と容疑を否認しているといいます。

警視庁は、同様の手口で、ほかにも現金をだまし取っていたとみて調べています。

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