社会

ABEMA NEWS

2025年11月29日 15:30

出産と育児をめぐる2人目の壁とは?今は望まない母親「自分の人生として、やりたいことをやりたい。お金の制限がある中で生きるのが嫌だ」

出産と育児をめぐる2人目の壁とは?今は望まない母親「自分の人生として、やりたいことをやりたい。お金の制限がある中で生きるのが嫌だ」
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 東京都内に住むかんだまさん(35)は、夫と娘(3)の3人家族。子どもが遊ぶ間に夕食の準備に取りかかり、「働きながら子どもと一緒にいる時間をどう確保するかが課題」と語る。

【映像】かんだまさんの“意外な職業”(実際の映像)

 共働きで、この日は夫が仕事のため、「YouTubeを見たい」とせがむ娘に「もうちょっと食べてからじゃないとダメ」と注意しながら食事をした。

 子育てに奮闘する日々で、“2人目の子ども”を持つことに壁を感じている。「『生活に余裕ができたらいい』と結論づけたけど、今はお互いが仕事を頑張る時。そう思うと『この子以上にかわいがれるか分からなくなり、『2人目はいいか…』と思ってしまう」。

 アンケート調査でも「2人目の子どもを望む」と回答したのは33.3%で、過去最低の結果になった。背景には、晩婚化などによる年齢的・経済的な不安がある。かんだまさんは「子どもの選択肢を増やしたい。1人の方が子どもの『これしたい』を叶えてあげられる」と語る。

 また、「子どもには全力でやっている。だけど、なんで自分をおざなりにしないといけないのか」との思いもある。稼いだお金はファッションや、“推し活”にも使いたい。好きなアーティストのCDを大量購入し、「12月発売のアルバムは、ドーンと。12万円くらい。いつも癒やしをもらっている感謝を込めた」と話す。

 女性の社会進出が進み、家族のあり方も多様化した。子どもがいる世帯でも、かつて多かった子ども2人世帯は減り、一人っ子世帯が半分近くを占める。一方、政府の少子化対策では、子どもが3人以上いる世帯を対象に、児童手当の増額や、大学授業料の無償化などの支援を打ち出している。

 SNSでは「1人目から平等に扱えよ」「第3子まで考えることが難しいから第1子から強化しないと」などの声があがっている。『ABEMA Prime』では、「2人目の壁」について当事者らとともに考えた。

■2人目を望まない母

かんだまさん

 かんだまさんは、「妊娠中のつわりを思い出すと、もう経験したくない。入院まではいかなかったが、私よりも大変だった人もいる」といった理由から、今のところは2人目を考えていない。「子育てをしながらの2人目の妊娠は、それだけでハードルが高い。35歳で体力低下を感じているが、これから産むと30代後半になる。高齢出産がスタンダードになってきてはいるが、リスクも上がる。共働きの中で、子どもに時間とお金を割くバランスも難しく、夫婦の時間も大事にしたい」。

 資金面については世帯年収は1000万円以上とした上で「ぶっちゃけ、どうとでもなると思う」としつつも、「彼も私自身も、自分の人生として、やりたいことをやりたい。うちはお小遣い制に反対な家庭だが、それはお金の制限がある中で生きるのが嫌だからだ。旅行したい時に『子どもが大きくなってからでもいい』と思うかもしれないが、体力のあるうちに行きたい場所もある。子どもは、2人より1人の方が連れて行きやすい」と説明する。

■「1人の時は力わざで乗り切れても、2人になると不自由になることはある」

宋美玄氏

 産婦人科医の宋美玄氏は、自身も“2人目の壁”に悩みながら出産し、現在は2児の母だ。「2人目で考えるのが『今のペースで働けるのか』。1人いるだけでも、女性は収入が減ることはある。2人になると、より生活が回らなくなる。1人の時では力わざで乗り切れても、2人になると不自由になることはある」。

 世間の風潮として、「結婚すると『子どもはまだか』。1人産めば『2人目は?』と聞かれるが、3人目を妊娠すると『育てられるの?』となる。子どもは2人がちょうどいいといった価値観がある」と指摘する。

 その背景については、「結婚した夫婦は長らく、2人程度の子どもを持つというデータが出ていた。しかし、欲しい子どもの数である“希望出生数”も、出生数も減ってきている。理由はいろいろと言われているが、一番大きいのは晩婚化・晩産化だ。結婚が遅くなり、結果として年齢的なリミットが来てしまう」と解説する。

■「経験のシェアをどうすればいいのかが課題だ」

2人目が欲しくない主な理由

 かんだまさんは「2人目について、親族からもよく聞かれる。親や祖父母世代には兄弟がいて当たり前だったため、違和感なく聞いてくる。友達ともハラスメントというより、フランクな感じで聞き合う」と明かす。

 タレントの山崎怜奈は、共働きの一人っ子世帯で育ったとして、「同じ考えを持つ下の世代が現れても違和感がないから、たぶん『2人目は?』などと聞かない。今の時代はちょうど境目で、『自分たちは兄弟が多いから聞く』という人々はいるが、本来は聞くべき話ではないという価値観はある」と考えている。

 その一方で、いかに「経験」を伝えるべきなのかを悩む。「友人が長い不妊治療で先日出産したが、その体験談を書いた長文のnoteが読まれている。知り合いにそうした話をするのは難しいが、一度も通ったことがないからこそ知っておきたい経験値もある。かんだまさんの話も、見たい人は一定数いるが、気持ちの整理が付かずに見られない人もいただろう。経験のシェアをどうすればいいのかが課題だ」。

(『ABEMA Prime』より)

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