社会

ABEMA NEWS

2025年12月1日 07:00

「私が山上だった可能性もある」旧統一教会・元2世信者が語る、山上被告への”共感”と脱カルトの道「私の母も信者であり被害者。現在の信者も救いたい」

「私が山上だった可能性もある」旧統一教会・元2世信者が語る、山上被告への”共感”と脱カルトの道「私の母も信者であり被害者。現在の信者も救いたい」
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 2022年7月、安倍晋三元総理を手製の銃で撃ち、殺害したとされる山上徹也被告。裁判では、なぜ犯行に及んだのか、旧統一教会に対してどんな思いを持っていたかなどが語られたほか、信者である母親や妹からも、それぞれ新たな言葉が明かされている。この様子を、旧統一教会の元2世信者であるあおいうにさんは、複雑な思いを抱えながら見ている。

【映像】反統一教会をテーマにあおいさんが描いた作品

 現在は作品を通じてカルト宗教の被害について画家として発信しているあおいさんは「ABEMA Prime」に出演。同じように旧統一教会を憎んだ山上被告への思い、教団が自身と家族の人生に与えた影響について語った。

■母は信者だったが「本当に被害者。恨みはない」

山上被告への思い

 あおいさんは、事件の背景に山上被告への共感を抱きつつも、事件そのものには複雑な感情を持っている。「私の母親も熱心な信者。現在は脱会しているが、母も本当に被害者だったと思う。だから全然恨みもなく、すごくいい母だと思っている」と、長年の信仰で家族を顧みなかった母親を糾弾するのではなく、被害者として捉えていると述べた。その上で「山上さんの事件も悲しいというか、もっと他にやりようがあったのかなと思う」と、事件の発生を惜しむ気持ちを明らかにした。

 あおいさんの家庭も、山上被告の家庭と同様に多額の献金をしていたという。山上被告の母親は、計1億円の献金をしたとされているが「うちも1億円ぐらいは献金していたと思う。印鑑や壺をいっぱい買って、それが原因で父とは離婚した」と、家庭崩壊について明かした。さらに「私の兄も幼少期から脳性まひで闘病生活を送っていた。病気の兄を持った山上被告には共感している」と共感を覚える「境遇」だったことを話した。

 「献金したら幸せになるのではなく、『これを買わないと不幸になる』と言われて、どんどん買わされることが多かった。それはすごく辛かった」。

■「合同結婚式は絶対に嫌だった」

あおいうにさん

 あおいさんは、思春期の頃に疑問を感じて脱会を決意した。その中でも「合同結婚式は絶対に嫌だった」という強い思いから、脱会後に「合同結婚式反対パフォーマンス」を行うなど、教団への抗議行動を続けてきた。そして「去年、信者ではない方と結婚した」と、自身の力で人生の選択を実現したことを明かした。現在は画家として活動しており、カルトなどをテーマにした作品を制作しているという。

 「自分が山上だった可能性は結構ある。でも、美術や絵画があったからそうなってないだけ。ちょっとの差だと思う」と、創作活動が自身を救ったことを説明した。「自分はこの絵で、いろんな人を救いたいと思っている。ただ糾弾するのではなく、救いたいと思っている」と、被害者の救済を第一に考えていると表明した。

 「被害者は2世だけではなく、脱退した2世だけでもなく、現在の信者もそうだ。現在の信仰している人たちも早く目を覚ましてほしい」と切実な願いを訴えた。 (『ABEMA Prime』より)

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