京都の繁華街で火災が起きるなど、週末に各地で火災が相次ぎました。
12月は火災が急増します。
家の中に潜んでいる様々な危険や意外な出火原因を見ていきます。
■週末にも火災相次ぐ 12月に火災が急増するワケ
週末も、火災が相次ぎました。
11月29日の京都市で、午後8時前に119番通報があり、火元とみられる飲食店、木造3階建てが、ほぼ全焼。けが人は確認されていません。
現場は、京都市の中心部、先斗町(ぽんとちょう)です。
京都の風情が感じられる繁華街で、狭いエリアに歴史のある飲食店やバーなどが密集しています。
「狭いから密集していて(消防車も)多分入ってこられない」
「(消火のため)本当に遠くからホースを引っ張っていた」
と話しています。
11月29日は、栃木県宇都宮市でも、午前0時すぎ、119番通報がありました。
住宅と隣の空き家2軒が全焼、焼け跡から遺体が見つかりました。
2024年の火災の件数です。
11月が2579件、12月は3772件に増えました。
なぜ12月に火災は増えるのでしょうか。
「空気が乾燥し、火災が起きやすく、燃え広がる速度も速くなり、初期消火では対応しきれなくなる。また、年末は仕事や大掃除などに追われて火に対する注意力が低下する」
気象庁は11月25日に、12月、1月、2月の3カ月予報を発表しました。
降水量の見通しは、東日本の太平洋側、西日本と沖縄・奄美は平年より少なくなる見通しです。
「これからの季節、特に太平洋側は平年でも、あまり雨が降りにくいような乾燥した季節になってくる。今回の予報では、さらに平年の傾向と比べても雨が少ない傾向と予測されている地域もある」としています。
注意点です。
太平洋側は乾燥しやすい季節となります。
特に少雨が予想されている地域では、火気の取り扱いに注意、ということです。
■火の気なくても発火 ペットの行動が火災に 身近に潜む危険
意外なものが火災の原因になります。
身近な火災の危険1つ目は、火の気がないゴミ袋が発火です。
神戸市で過去に起きた事例です。
揚げ油を吸わせた吸収材をゴミ袋に入れ、ベランダへ出したところ、7時間後に火が出ました。
原因は油です。
空気に触れると、酸化して発熱します。
熱が蓄積されやすい状況で発熱すると、最後には発火する可能性があります。
自然発火を再現する実験です。
東京消防庁が行った実験で、サラダ油を拭いたティッシュを大量にゴミ箱に入れると、徐々に温度が上がり、数時間後に火が出ました。
2025年5月、大阪のある店で火災が起きました。
「火の元を確認して、帰宅した後に火災が発生」
店の代表によると、
「原因は『タオルの自然発火』と消防士に聞いた」ということです。
なぜタオルが自然発火したのでしょうか。火が出る前の状況です。
アロマオイルの拭き取りなどに使用したタオル約30枚を従業員がコインランドリーで洗濯・乾燥しました。
乾燥機にかけた後、タオルを店の入り口近くに置いて従業員が帰ったところ、約4時間後に自然発火したといいます。
自然発火の原因です。
タオルに残ったオイルの可能性があります。
アロマオイルが酸化して発熱。
重ねたタオルに熱がこもり、温度が上昇して自然発火したのではないかとみられています。
オリーブオイルや食用の油でも同じことが起こる可能性はあります。
対策です。
●熱がこもるため、乾燥後の衣類を1カ所に固めない。
●油がついた衣類は、洗濯後でも乾燥機を使わない。
身近な火災の危険2つ目は、去年の灯油です。
今の時期に注意が必要な石油ストーブの事例です。
消火ボタンを押して外出、しかし帰宅すると、火が消えていなかったという事例がありました。
原因は、変質した灯油です。
灯油は、古くなるとガム状の物質が発生し、これがストーブの芯にくっついて所定の位置に戻らず、消火できない状態になることがあります。
永山さんによると、対策は、
●前のシーズンの灯油は使わない。
●使い切らなかった灯油は、ガソリンスタンド等に引き取ってもらう。
身近な火災の危険3つ目です。ペットの行動が火災の原因になることもあります。
実際にあった飼い犬の事例です。
2023年4月、岐阜県の出来事です。
住人が不在中に、飼い犬がガスコンロのボタンを押して点火。
周囲の物に火がつきました。
ペットによる火災は他にもあります。
ペットが接触し、可燃物が熱源に触れて燃えてしまう事故。
ペットが配線をかんだり、尿をかけたりして、電化製品がショートする事故などがあります。
永山さんです。
対策は、ペットが触れそうな場所に物を置かないよう整頓・清掃することが大切だということです。
動物に関連して、他にも注意点があります。
害虫がエアコンの室外機に入ってショートした事例もあり、
室外機周りの清掃も重要だとのことです。
■火災の死因1位は『煙』 巻き込まれない対処法とは
火災に遭遇したらどうすればいいのでしょうか。
『煙』への対処法です。
建物火災の死因第1位は、『一酸化炭素中毒・窒息』で36.5%。
「とにかく煙は吸わないでください。なぜなら煙が人の命を一番奪ってきたから」と注意しています。
「携帯のライトを照らしたが、何も見えず怖かった。のどは焼けそうな感じがした」と話しています。
煙は、徐々に上からたまっていきます。
さらに煙の温度は、500℃から600℃。
実際に消防隊も低い姿勢で移動しています。
煙に巻き込まれないためにできること、1つ目は、『煙をブロックする』です。
逃げる際に煙を広げないため、ドアや防火戸を閉めてください。
火災報知器に連動し、防火シャッターが自動で閉まりますが、隣に『くぐり戸』という扉があるので、焦らず避難しましょう。
煙に巻き込まれないためにできること、2つ目は、『煙を外に逃がす』です。
煙を外に逃がすために、窓を開けましょう。
■『消防団』 なり手不足 高齢化 地域防災に影響
火災の際に、地域の安全を守る『消防団』についてです。
全国の消防団員の数です。
2015年は、約86万人でしたが、2025年は73万2223人と過去最少を更新しました。
平均年齢は年々上がっていて、2024年で44歳でした。
消防団員とは、
●普段は別の仕事に就いていて、
●活動の際は非常勤の地方公務員扱いとなります。
報酬は、標準額で年額3万6500円、出動すると1日あたり8000円です。
ただ、この報酬には地域差があります。
宮城県名取市の場合、定員400人に対して、45人が不足しています。
県によると、団員の減少理由は、
●地域活動への意識の低下により社会とのつながりが希薄化したこと。
●勤務時間や勤務地に制約のある会社員が増加したこと、
などです。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年12月1日放送分より)




















