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2025年12月2日 02:28

愛子さま 24歳の誕生日 活動の幅を広げられた“初めてづくし”の1年に

愛子さま 24歳の誕生日 活動の幅を広げられた“初めてづくし”の1年に
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天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが1日に24歳の誕生日を迎えられ、新たな映像が公開されました。初めての海外公務に向けてラオス語の講義を笑顔で受けられている様子です。愛子さまにとって今年はデビューの多い1年となりました。

“初めてづくし”の1年に

愛子さまは1日夕方、上皇ご夫妻にあいさつするため仙洞御所へ。笑顔で手を振り、沿道の声に応えられました。

歌会始の儀

24歳の誕生日を迎えられた愛子さま。今年は多くの行事で“デビュー”を果たし、皇族としての活動の幅を広げられた1年でした。1月には歌会始の儀に初めて出席。学生時代の友人らとの再会を楽しみにしつつ、それぞれの夢に向かって励んでいきたいという気持ちを歌に込められました。

“晩餐会デビュー”となったのは3月、ブラジル大統領夫妻を迎えた宮中晩餐会です。愛子さまは出席にあたって、両陛下から所作やふさわしい話題などのアドバイスを受け、準備をされたといいます。

5月には救急医学の国際会議に出席し、公務で初めてとなるおことばを述べられました。

愛子さま
愛子さま
「近年、世界における災害が激甚化・頻発化する中で、災害医療や救急医学の重要性はこれまでにも増して高まってきていると思われます」
初の被災地訪問

同じく5月には石川県へ。初の被災地訪問となりました。

愛子さま
「どのような曲がお好きですか?」
女性
「『マツケンサンバ』とか、美空ひばりさんの『川の流れのように』とか。皆で楽しんでやっています」
慰霊の旅

6月からは両陛下の戦後80年の「慰霊の旅」に同行。初めて沖縄と長崎を訪問されました。遺族や語り部などと懇談した愛子さまは、平和への思いを新たにされたといいます。

愛子さま
「厳しい統制がなされている中で、そのお手紙を…」

そして、先月にはラオスを訪問。海外公務デビューを果たされました。

愛子さま
愛子さま
「今後、私たち若い世代が先人たちの歩みを受け継ぎ、両国の架け橋となって、ラオスのチャンパーや日本の桜のように美しい花を咲かせていくことができればと思います」
行列

多くの公務をこなされた愛子さま。行く先々で熱烈な歓迎を受けられました。9月に訪問された新潟県小千谷市では、愛子さまを一目見ようと長い行列ができました。

今年は秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さまが成年式を終えられ、お出ましが増えました。姉の佳子さまも精力的に公務をこなされています。

若い世代の皇族方の存在感が高まる中で一向に進まないのが、皇族数の確保に向けた議論です。今国会では与野党全体での協議は行われず、来年の通常国会以降に持ち越される見通しです。

先月30日に還暦の誕生日を迎えた秋篠宮さまは、会見で踏み込んだ発言をされました。

秋篠宮さま
秋篠宮さま
「高齢化も含めて公的な活動の担い手が減ってきているのは間違いないことです。全体的な活動の規模を縮小するしか今はないのではないかと思います」
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進まない『皇族数確保』の協議

皇室

皇族の数は減少しつつあります。現在、皇室にいらっしゃるのは16人です。そのうち、未婚の皇族は愛子さまや悠仁さまを含めて6人。基本的には、女性皇族は結婚をすると皇族の身分を離れるため、将来的に公務の担い手が減る可能性があります。

こうした状況を専門家はどうみているのでしょうか。天皇制に詳しい、名古屋大学の河西秀哉准教授に聞きました。

河西秀哉准教授
河西秀哉准教授
「現行の制度では、愛子さまも佳子さまも皇室を離れられる可能性があるため、悠仁さまに過度な負担がかかる恐れがある。今のような公務の数を続ければパンクしてしまう。例えば愛子さま、佳子さまなどは今後の皇室の在り方が決まらないことには、ご本人たちが将来を選択することができない」

皇族の数については、政府の有識者会議からこのような確保案が示されました。

(1)女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する
(2)皇族には認められていない養子縁組を可能とし、戦後に皇室を離脱した11の旧宮家の男系男子を養子として皇族にする

いずれにしても、皇室の在り方を定める皇室典範の改正が必要になります。

衆参両院の議長などが中心となって、去年5月から皇族数確保に関する本格的な議論が始まっています。それぞれの案には、与野党第一党の自民党と立憲民主党からこのような意見が出ています。

皇族数 確保のための案

(1)の『女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する』という案について、自民党は「必要」、立憲民主党は「異論はない」と共におおむね賛同の立場です。

一方で、女性皇族の配偶者と子どもに皇族の身分を与えるかどうかについては、自民党は「身分を与えない」、立憲民主党は「身分を与える案を含めた検討が必要」と意見が分かれています。

立憲民主党は「配偶者や子が一般国民のままだと、政党や営利企業を主宰する自由があり、女性皇族の品位、政治的中立性に重要な影響を及ぼす可能性がある」としています。

皇族数 確保のための案

(2)の『旧宮家の男系男子を養子として皇族にする』という案について、自民党は「必要な方策。養子縁組制度を作れば必ず応じていただける方が出てくる」としている一方で、立憲民主党は「慎重な立場だが、皇族数確保のため選択肢として残している。一般の方を養子として迎えることが国民感情に沿うかは十分考慮が必要」と慎重な姿勢を見せています。

結論は来年以降に持ち越される見通しだということですが、河西准教授は「政治家は皇族方のことを考え、スピード感をもって決めてほしい」としています。

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