ロマンス詐欺の被害者だった68歳の女が一転、ロマンス詐欺の加害者として逮捕されました。女に一体何があったのでしょうか。
ロマンス詐欺 68歳女逮捕
うつむき加減でマスク姿のアオキ・ネウザ・ヤエコ容疑者(68)。70代女性から「ロマンス詐欺」で350万円をだまし取った疑いで逮捕されました。
「普通に派手な生活したとかは全くない。普通の主婦」
「普通の主婦」だったというアオキ容疑者。もとはロマンス詐欺の被害者だったといいます。では、なぜ被害者が加害者として逮捕されることになったのか。巧妙なロマンス詐欺の一端が見えてきました。
ことの発端は今年4月。70代女性は、知人から「詐欺ではないか」と指摘され警察に相談したところ、事件が明るみになりました。
横浜に住む70代女性は、“イラクの男性軍人”を名乗る人物とSNS上でやりとりを始めます。きっかけは、女性がSNSで風景写真に「いいね」をしたこと。友達申請が来て、ダイレクトメッセージでのやりとりに。ロマンス詐欺の手口で、徐々に金を要求されていきます。
「荷物を送りたいから住所と名前などを教えてほしい」
「荷物の配送料などが必要」
他にも「イラクからの脱出用にプライベートジェットが必要」などと嘘のメッセージで、350万円以上をだまし取られます。アオキ容疑者は「プライベートジェットのエージェント役」として金を受け取るなどしていた疑いもあります。
他にも、資金洗浄や口座を貸す役割などを担っていたとみられます。報酬は数万円だったということです。
被害者が一転し加害者に 指示役に好意
この事件の鍵となる点は、容疑者が以前は被害者だったこと。逮捕されたアオキ容疑者は、自身も過去にロマンス詐欺で金をだまし取られていたことが分かりました。
アオキ容疑者は、過去に今回の“指示役”に金をだまし取られていたとみられることが分かりました。その手口はやはり、アメリカの軍人を名乗るロマンス詐欺のものでした。
「上司がお金を工面してくれる人を探すから、その人たちからお金を受け取って暗号資産の業者の口座に振り込んで欲しい」
「お金を振り込ませる口座番号を教えて欲しい」
なぜ、被害者から一転、指示役に加担することになったのかでしょうか。
「指示役に好意があった」
恋心を巧みに利用されたとみられるアオキ容疑者は、容疑を認めているということです。
栃木県内で子ども夫婦と暮らし、パチンコ店の送迎の運転手をしていたというアオキ容疑者。知人に話を聞くことができました。
「ロマンス詐欺に関わりがあるとは考えたこともなかったので、今そう言われても容疑者とつながるところが見当たらない。子育てして働いて。11月に会った時も普通におしゃべりして。体の具合どう?みたいな話をして一緒に食事をした。特に困っているところとかは見受けられなかった」
「(Q.夫は?)亡くなっている。2016年か2017年じゃないか。お酒も一滴も飲まないし、派手な服装もしていない。普通の主婦で料理がとても上手。ブラジルが故郷なので、最近行っていないのでまた行きたいと。そんなお金が必要なのかな。少しでも家計の足しにしたいというお金だと私は思っていた。まったく派手な暮らしをしていなかったし無理な生活はしていなかったと思う。思い当たる節がまったくない」
「金を貸してくれないか」と頼まれた知人もいます。
「9万とか10万とか貸してくれないかと」
「金の話が出たから距離を置いた。新規にアパートを借りる支度金」
「友達がいっぱいいた。外国人の親分だったから」






