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安倍元総理の妻・昭恵さんが山上徹也被告の裁判に出廷しました。山上被告は法廷で安倍元総理を狙ったことについて「本筋ではなかった」などと証言しました。
安倍昭恵さんの前で山上被告
奈良地裁で開かれている山上被告の裁判。3日の法廷には…。
裁判長
「被害者参加人の方をお呼びします」
「被害者参加人の方をお呼びします」
安倍元総理の妻・昭恵さんが初めて、姿を見せました。
重大な事件や事故の刑事裁判に被害者や遺族が直接、参加できる「被害者参加制度」を利用して出席した昭恵さん。
裁判所が認めれば、被告に質問したり意見を述べたりすることもできます。
先月の公判では、昭恵さんの心情をまとめた上申書が検察官によって読み上げられています。
昭恵さんの上申書(先月13日の公判から)
「夫の人となりは、真面目で優しい。立場に関係なく、誠実で、偉そうなことをいうことはなかった」
「(夫の)死を実感してからは思い出すと涙が出るようになった」
「失った悲しみは昇華することはない。夫にただ生きていてほしかった。長生きしてほしかった」
「夫の人となりは、真面目で優しい。立場に関係なく、誠実で、偉そうなことをいうことはなかった」
「(夫の)死を実感してからは思い出すと涙が出るようになった」
「失った悲しみは昇華することはない。夫にただ生きていてほしかった。長生きしてほしかった」
検察側の席に着いた、昭恵さん。山上被告と向き合い、何を思うのか…?
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被告「教団に打撃 人生の意味」
3日の裁判では4回目の被告人質問が行われました。証言台に向かった山上被告。昭恵さんに対してでしょうか、検察側に一礼しました。
まず質問に立ったのは、弁護側。旧統一教会を恨む、山上被告に対し2012年に亡くなった、教祖・文鮮明氏について聞きました。
弁護側
「(文鮮明氏が)亡くなったことについてどう思いましたか?」
「(文鮮明氏が)亡くなったことについてどう思いましたか?」
山上被告
「うーん…やっと死んでくれたなという気持ちでした」
「うーん…やっと死んでくれたなという気持ちでした」
弁護側
「文鮮明氏の死去で統一教会はどうなると思いましたか?」
「文鮮明氏の死去で統一教会はどうなると思いましたか?」
山上被告
「信者も動揺していると思いましたし、かなり停滞していくんじゃないかと思いました」
「信者も動揺していると思いましたし、かなり停滞していくんじゃないかと思いました」
弁護側
「お母さんに対して、そうした話をしたことはありましたか?」
「お母さんに対して、そうした話をしたことはありましたか?」
山上被告
「あったと思います。まとめたインターネットサイトを印刷して母親に読み上げたことがあったんですが、耳をふさいで走って出て行ってしまいました」
「あったと思います。まとめたインターネットサイトを印刷して母親に読み上げたことがあったんですが、耳をふさいで走って出て行ってしまいました」
弁護側
「なぜ見せようと思ったんですか?」
「なぜ見せようと思ったんですか?」
山上被告
「(旧統一教会が)分裂して色んないさかいがありましたので、母親も知れば目が覚めるんじゃないかと」
「(旧統一教会が)分裂して色んないさかいがありましたので、母親も知れば目が覚めるんじゃないかと」
それでも母親は脱会せず。その後、旧統一教会の総裁には、文氏の妻・韓鶴子氏が就きます。
山上被告
「統一教会の本体が韓鶴子の態勢で活発に活動して、日本に来て催しをしたり、そこに政治家が参加することが増えていって、韓鶴子が新しい教祖になった時点で、過去のことを切り離されたというか。統一教会が違法なことをしていたのは過去のことで、承認されていくべき団体となっていくのが、兄が亡くなったこともありますし、受け入れがたい状況だったと思います」
「統一教会の本体が韓鶴子の態勢で活発に活動して、日本に来て催しをしたり、そこに政治家が参加することが増えていって、韓鶴子が新しい教祖になった時点で、過去のことを切り離されたというか。統一教会が違法なことをしていたのは過去のことで、承認されていくべき団体となっていくのが、兄が亡くなったこともありますし、受け入れがたい状況だったと思います」
2015年、兄の自殺をきっかけに教団幹部の襲撃を考え始めたとされる山上被告。そこから数年たった頃には…。
山上被告
「かなり2018年のころは、衝動的な部分もありましたが、思い知らせてやろうという気持ちだったと思います」
「かなり2018年のころは、衝動的な部分もありましたが、思い知らせてやろうという気持ちだったと思います」
弁護側
「なぜ思い知らせてやろうと?」
「なぜ思い知らせてやろうと?」
山上被告
「いろいろな現実より、宗教が優先される。現実の周囲への喜怒哀楽も無視した行動をとり続け、その結果も仕方がないというふうに思っていると私には見えたので、その積み重ねですかね」
「いろいろな現実より、宗教が優先される。現実の周囲への喜怒哀楽も無視した行動をとり続け、その結果も仕方がないというふうに思っていると私には見えたので、その積み重ねですかね」
弁護側
「どんな思いだったのですか?」
「どんな思いだったのですか?」
山上被告
「統一教会に一矢報いるというか、打撃を与えることが、自分の人生にとって良いと思っていたと思います」
「統一教会に一矢報いるというか、打撃を与えることが、自分の人生にとって良いと思っていたと思います」
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安倍氏狙いは「本筋じゃなかった」
続いて、質問に立った検察側。2日に引き続き、安倍元総理を銃撃するに至った心境について問いました。
検察側
「安倍元総理を襲撃対象と決めたなかで、安倍元総理を狙うことについて納得していたのか、それとも少し違うと思っていたのか?」
「安倍元総理を襲撃対象と決めたなかで、安倍元総理を狙うことについて納得していたのか、それとも少し違うと思っていたのか?」
山上被告
「あくまで対象は統一教会ですから、統一教会に賛意を示す政治家の最も有名な人で意味はないとは思わないが、本筋ではないなと思っていた」
「あくまで対象は統一教会ですから、統一教会に賛意を示す政治家の最も有名な人で意味はないとは思わないが、本筋ではないなと思っていた」
検察側
「安倍元総理を狙うのが本筋ではないと感じていたのか?」
「安倍元総理を狙うのが本筋ではないと感じていたのか?」
山上被告
「はい」
「はい」
検察側
「安倍元総理を狙うのが本筋ではないと思いながら、気持ちを整理するためにしたことは何か?」
「安倍元総理を狙うのが本筋ではないと思いながら、気持ちを整理するためにしたことは何か?」
山上被告
「覚えてないです」
「覚えてないです」
3日の裁判で昭恵さんが発言することはありませんでした。被告人質問は、4日も行われる予定です。
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