社会

報道ステーション

2025年12月4日 01:49

山上被告「教団に打撃が人生の意味」「安倍氏襲撃は本筋ではない」昭恵さんが初出席

山上被告「教団に打撃が人生の意味」「安倍氏襲撃は本筋ではない」昭恵さんが初出席
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安倍元総理銃撃事件の13回目の裁判。3日は、安倍元総理の妻・安倍昭恵さんが、被害者参加制度で、初めて出席しました。

被害者参加制度とは、遺族として、被告への質問や量刑に対する意見が認められている制度です。

裁判の冒頭、昭恵さんは一礼し、法廷に入り、山上被告を見ることなく席に着きました。

山上被告

4日目の被告人質問を迎えた山上被告。証言台の前に移動すると、両手をまっすぐおろし、昭恵さんに向かい、一礼します。昭恵さんも、山上被告のその姿に目を向けていました。

弁護側
「きょうは、旧統一教会のことと、事件前までのことを聞きます。怒りの気持ちを持ったのは、いつごろですか?」
山上被告
「当初は、いろいろな親族の問題、兄が亡くなった問題があり、自分に助けようがあったのだと思っています。2018年春ごろのことと思います。そのとき、何らかの理由で、母親と話す機会があったときです」
世界平和統一家庭連合

母親は「自分が献金したことで、兄は死後の世界で幸せに暮らしている」と話したといいます。また、『世界平和統一家庭連合』と名称を変えたことにより、山上被告は「正しい団体、新しい団体と思っている人がいる」と感じたそうです。

山上被告
弁護側
「そのころから統一教会への怒りを覚えたのですか?」
山上被告
「実際に復讐を現実にするという意味では、そうです」
弁護側
「どんな感情でしたか?」
山上被告
「衝動的な部分もありましたが、思い知らせてやろうという気持ちだったと思います」

そして、こうも述べました。

山上被告
山上被告
「統一教会に一矢報いる。打撃を与えるのが、自分の人生の意味だと思っていました」

山上被告のことを見ながら聞いていた昭恵さん。
モニターに資料が映し出されると、身を乗り出して見る場面もありました。

一方、検察側は、安倍元総理を狙ったことについて質問しました。

山上被告
検察側
「安倍元総理を狙うことについて、すっきり納得していたのですか。それとも少し違うと思っていたのですか? 」
山上被告
「あくまで対象は統一教会ですから、統一教会に賛意を示す政治家の最も有名な人で、意味はないとは思わないが、本筋ではないなと思っていました」
検察側
「安倍元総理を襲撃することは、本筋ではなかった?」
山上被告
「はい」
検察側
「幹部の襲撃が本来の目的でしたか?」
山上被告
「それはそうです」

山上被告は、事件前日、旧統一教会に関する問題などを取材しているジャーナリストに向け、手紙を投函していました。

検察側
検察側
「手紙の中で『苦々しくは思っていたが、安倍は本来の敵ではない』というのは、当時のあなたの考えですか?」
山上被告
「それはそうです」
検察側
「安倍元総理は、本来の敵ではないということですか?」
山上被告
「文章に書いてある通りです」
検察側
「あなたは、安倍元総理と面識はないですね?」
山上被告
「はい」
検察側
「母親の統一教会への入会と、安倍元総理の直接的な関係はないですよね?」
山上被告
「直接的にはないです」

また、謝罪の意思についてのやり取りも行われました。

検察側
検察側
「事件後、殺人事件の遺族側に、謝罪の意思を示したことはありませんね?」
山上被告
「はい」
検察側
「弁護人を通して、接触を図ろうとしたこともないですね?」
山上被告
「はい」
裁判官
「現時点で、被害者遺族に対して、謝罪や金銭の支払いはしていませんか?」
山上被告
「はい」
裁判官
「今後、何かされる考えなどはあるのでしょうか?」
山上被告
「あす、こういった話をするつもりではありました」
安倍昭恵さん

被告人質問を最後まで見届けた昭恵さんは、山上被告へ直接、質問をすることはありませんでした。
法廷を出るときには、裁判官や裁判員、傍聴席だけではなく、弁護側の方にも一礼しました。

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