家賃を巡って借主と大家双方が訴える事態となっていました。東京都内でマンションと駐車場を借りていた住民が大家から大幅な値上げを告げられトラブルとなっていた訴訟で、裁判所は大家に損害賠償を命じる判決を言い渡しました。
月4万円増額通告トラブル
賃貸契約を巡るトラブルが多発しているとして、東京都は10月から専用の相談窓口を設置しました。
東京都に多く寄せられているのは、「急に高額な家賃の値上げを要求された」といった声です。
実際に大幅な家賃の値上げ通知を受けた人はこう話します。
「(大家の)最初の打診が『3万円か4万円ぐらい上げたい』。『それは無理です』と交渉を重ねて、1000円か2000円であればと落ち着いた」
裁判になった事例もあります。
「またどのようなことを言われるんだろうと恐怖感ですね」
女性が夫と引っ越したのは5年前。駅近くの1DK44平米の物件で、家賃は駐車場代なども含めて月16万3000円で契約しました。
しかし、去年6月以降、大家との間で次々とトラブルが起きます。
「家賃を4万1000円増額し、月20万4000円とさせていただきます」(※裁判資料などより作成)
夫婦は18万8000円で応じるとしていったんは契約を交わしましたが、大家側はさらなる増額を求め、裁判所に訴えを起こしました。
駐車場から締め出し予告も
その後、大家側は家賃に含まれていた駐車場代の値上げも要求します。
今年2月、駐車場代として月5500円増額すると通知。夫婦は同意しませんでしたが、口座から引き落とされました。
「駐車場に関しては、個人的に対応できる範囲を超えている」
夫婦が弁護士に相談し、間に入ってもらうと、大家からはこんなメールが届きました。
「暗証番号が変わり、閉じ込められてしまうので、物を置かないでください」(※夫婦側の弁護士によると)
夫婦側は、強要は不法行為だとして逆に訴えることにしました。
裁判で大家側は、駐車場は安すぎる賃料で夫婦が色々と理屈をつけて居座っているに過ぎないなどと主張していました。
先週、東京地裁が下した判決は、家賃について月18万8000円を超す増額は認めず、駐車場については「法的な手続きを経ず使用を排除しようとすることは違法な権利侵害だ」として、大家側に引き落とした金額の返還と12万円の賠償を命じました。
大家側は「コメントはない」としています。
夫婦側の弁護士はこう話します。
「地価が上昇していますし、マンション価格も上昇しているので、賃料増額を求めることは貸し手としては当然あり得る。話し合いで解決することが双方にとって良いと思うが、折り合いがつかないケースも増えていくと思う」
(「グッド!モーニング」2025年12月4日放送分より)








