社会

報道ステーション

2025年12月5日 01:54

冬眠は?人気温泉地では除雪作業中に…クマ被害相次ぐ ポイントはエサの存在

冬眠は?人気温泉地では除雪作業中に…クマ被害相次ぐ ポイントはエサの存在
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長野県・野沢温泉村で、除雪作業中の男性(78)がクマに襲われ、顔や足などをひっかかれました。

その場所から100メートルほど離れた所で、駐車場を歩くクマの姿が目撃されています。 

今回の被害を受け、長野県は、冬眠していないクマと遭遇する恐れがあるとして『ツキノワグマ出没注意報』を出しました。

男性が襲われた当時、この地域には大雪警報が出され、野沢温泉村では、15センチの積雪を観測しています。

地元住民
地元住民
「普通、雪が降ると冬眠だけど、ニュースでは、冬眠しないクマもいるのではと言っているから怖い」
地元住民
「もう冬眠しているのだろうなと思っていたので、クマが出てびっくり。えっ、この寒さに…」

冬眠していないクマに人が襲われるケースは、全国各地で相次いでいます。

岩手県奥州市

最低気温マイナス3度を下回った岩手県奥州市。
4日午前6時半ごろ、自宅からいなくなった飼い犬の足跡を追っていた女性が、クマと遭遇してけがをしました。

富山市

また、富山市内の住宅街では、午前2時半ごろ、新聞配達をしていた70代の夫婦が襲われました。エサを探していたのでしょうか。すぐそばには柿の木があります。

近隣住民
近隣住民
「『本当にこんなところ出るんだ』という気味悪さ。もう12月で、雪も降っている。気持ち悪い、子どももいるので」
クマ被害

このほかにも、島根県益田市で男性が襲われたほか、大船渡市では、クマ1頭の緊急銃猟が行われ、福島市ではクマ3頭の目撃情報が寄せられるなど、全国各地で出没が相次ぎました。

◆寒さとクマの冬眠に関係はないのでしょうか。

岩手大学農学部 山内貴義准教授
岩手大学農学部 山内貴義准教授
「実際には、雪とか気温の低下は、それほど影響しなくて、どちらかというとエサがあるかどうか。それにより、冬眠が早くなったり、遅くなったりするとは言われているので、まだ集落の柿の木に実がたわわに残っていたりすると、執着してエサを食べに来る。なかなか冬眠しないということが起きる。12月の暮れくらいでも、ずっと木にたわわになっているところもあり、そういったものがあると、遅くまで出てくる可能性があるのかなと。町に出ている個体も、基本的には、山の方に帰って行って冬眠はする。基本的にクマは冬眠しますが、一部の個体は、かなりしつこく町中に出てくる可能性。倉庫とか納屋とかガレージとか、一時的に米や野菜を置いていたり、開けっ放しにしていると、クマが侵入する可能性も。戸締りをしっかりして、エサとなるようなものを置かないように。心配しているのは、柿の実がなくなって、家の中に入って食べ物物色したりとか、そういったことが起きなければいいなと」
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