大雪は4日夜から5日にかけてが2度目のピークです。3日から降り続いた地域では早くも真冬の混乱。車のスリップ事故や立往生などが相次いでいます。屋根の雪下ろしなど除雪作業中の事故にも注意が必要です。
今季最強寒気 一夜で雪景色に
3日まで積雪ゼロだった山形市。4日午後9時までに12センチ積もりました。
「電車の街じゃないので、山形は車社会。車の雪下ろし、車が出られるように雪かきしたりするのが大変。3日までは全くですよ。4日の朝方には真っ白」
今季一番の寒気が列島を覆った4日。発達した雪雲は東北の各地で大雪をもたらしました。シャーベット状になった路面、福島市では路線バスにも遅れが出ました。
「だいぶ遅延しているので間に合わないです」
「初雪の勢いじゃない」
桧枝岐村では、正午に56センチの積雪を記録。会津地方南部では一時、大雪警報も出されました。岩手県奥州市では、吹雪で街を歩く人の姿もハッキリ見えません。最低気温は葛巻町で−6.3度、北上市で−3.2度と今季最低の厳しい寒さとなりました。
路面凍結“スリップ事故”相次ぐ
雪の影響とみられる事故も相次ぎました。宮城県を走る三陸自動車道では、スリップが原因とみられる事故が5件発生。北海道江別市では、路線バスが街路灯に衝突する事故も起きています。
先月も大雪に見舞われた札幌市。これから続く重労働の日々に、こんな声も。
「11月にガッポリ降った。その時はいずれとけるだろうと丁寧に雪かきしなかった。今回はこれだけ多いので、もうダメかなという気がしています」
新潟屈指の豪雪地帯でも、道路の雪かきは本格始動していました。
「いつもだと通学生徒たちが通る。除雪車が出るけど、こんな小さい。歩道だけ。4日は来ていない」
午前0時、湯沢町の除雪ステーションから、一斉に除雪車が出発していきました。豪雪地帯で知られる津南町でも、今季初めて本格的な除雪作業が始まりました。
15センチの積雪となった津南町。除雪作業を取材している最中に見つけたのは、止められた大型トラック。左側のタイヤは脱輪しているように見えます。
(Q.どうなってしまった)
「(坂が)上れなくて、結局下がっていくしかなかった。バックでゆっくり下がってきたけど、ふぶいていて全然見えなくて。やばい外れちゃうと思って止まったけど、前に進まなくて」
名古屋に向け、水を運んでいたと話す男性。大雪を考慮して予定を前倒しして出発したといいます。
「積もる前に来たかったけど、上り切れなくて何回かチャレンジしたけど駄目」
男性はレッカー車を待つといいます。
夜が明けても除雪作業は続きます。
「一度にこんなにいっぱい降るなんて。前はそんなじゃなかったんですけど。助かります。一人暮らしだから。前を取っていってくれるから助かっています」
除雪作業に出るかの判断は数分単位で。見極めが遅いと作業者の事故につながるからです。
「我々が除雪した歩道などを学生の皆さんが元気に通学している姿を見ると、やはり除雪しててよかったな、また頑張ろうかなという気持ちになります」
3日昼頃に降り出した雨は、夕方から雪に変わり、日本海側を中心に降り続きました。東北や北陸では一気に雪が積もった所もあります。
雪下ろしから「命を守る」対策
新潟県魚沼市の家に設置された、屋根の端と端を結ぶロープ。その正体は『アンカー』と呼ばれる命綱を固定するものです。取り付け済みの家で話を聞くと。
「毎年やっているから感覚は分かるから。ちょっとした時に足滑らせても、年をとってて踏ん張る力がないと危ない」
新潟県の調べでは、雪下ろしなどの作業中に起こる死亡・重傷事故の約半数が、屋根やハシゴから転落したことによるものです。取材に応じた住民の家の場合、取り付け費用は30万円ほど。ただ、県や市から補助金が出るため、出費は20万円ほどになるといいます。
「(お金は)かかりますが、命に代えられないからつけました」
(Q.ご主人の命には代えられない)
「そうです」
長岡市でアンカーの設置を請け負う業者に聞くと。
(Q.アンカーがあるのとないのとでは)
「安心感が違う」
命綱を付けての雪下ろし。仕事として請け負う際も、アンカーの有無が真っ先に気になるといいます。
「『(アンカーが)付いていない』と言う人がいると、大丈夫かな、社員を屋根に上げて何かあったらどうしようかと、いつもハラハラドキドキしている」
(Q.安全装置を付けてないと断ることも)
「あります。屋根屋なので高い所の仕事は(本来)断る理由はないですが、従業員の安全第一をこれから考えていかないと後世に続かない」
雪による災害に詳しい長岡技術科学大学の上村教授は。
「慣れているがゆえに、今までも命綱を使ったことがない、命綱はいらないという人がたくさんいる。今の時代で言うと、家の周りにコンクリートやアスファルトといった固い路面が露出している所だらけ。重大な被害になりかねない。考え方を変えていかなければいけない」















