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安倍元総理銃撃事件の裁判は、4日に最後の被告人質問が行われ、山上徹也被告が初めて謝罪の言葉を口にしました。
「本来の目的は統一教会」
事件から3年と5カ月。10月から始まった裁判は4日で14回を数えます。最後の被告人質問は弁護側から始まりました。
弁護側
「安倍元総理は襲撃対象のうち、どのような優先順位でしたか」
「安倍元総理は襲撃対象のうち、どのような優先順位でしたか」
山上被告
「最大の標的は韓鶴子(ハン・ハクチャ)で、その次は文鮮明(ムン・ソンミョン)ファミリーの子どもたちにあたる人でした。安倍元総理は子どもたちに近い順序かと。あくまでも本来の目的は統一教会ですから」
「最大の標的は韓鶴子(ハン・ハクチャ)で、その次は文鮮明(ムン・ソンミョン)ファミリーの子どもたちにあたる人でした。安倍元総理は子どもたちに近い順序かと。あくまでも本来の目的は統一教会ですから」
弁護側
「引き金を引いた時の心情をうかがいます」
「引き金を引いた時の心情をうかがいます」
山上被告
「自分のつくった銃の威力は相当レベルが低いと思っていたので、命中しても命を落とす確率は高くないと思っていました。自分の人生の意味としての『統一教会に打撃を与える』ということの実現として引き金を引くというのが、最終的に到着したことだったと思います」
「自分のつくった銃の威力は相当レベルが低いと思っていたので、命中しても命を落とす確率は高くないと思っていました。自分の人生の意味としての『統一教会に打撃を与える』ということの実現として引き金を引くというのが、最終的に到着したことだったと思います」
母親が信仰に没頭し、過酷な家庭環境で育ったことが動機に大きく影響したとして情状酌量を求めている弁護側。こう質問を重ねました。
弁護側
「事件の目的を簡潔に教えてください」
「事件の目的を簡潔に教えてください」
山上被告
「兄を代表とする家族に対する被害への報復です。うちの家族は統一教会の被害の一例ですので、そういったものに対する統一教会への報いです」
「兄を代表とする家族に対する被害への報復です。うちの家族は統一教会の被害の一例ですので、そういったものに対する統一教会への報いです」
弁護側
「お兄さんが亡くなっていなければ、この事件は起こしていませんでしたか」
「お兄さんが亡くなっていなければ、この事件は起こしていませんでしたか」
山上被告
「起こしていないと思います」
「起こしていないと思います」
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「弁解の余地ない」初めて謝罪
質問は事件後のことにも。
弁護側
「宗教2世への注目や解散命令など、社会の動きを予測していた部分はありましたか」
「宗教2世への注目や解散命令など、社会の動きを予測していた部分はありましたか」
山上被告
「世の中の動きが何がどうなるというのは予測できないですが、こうなってくれたのはありがたいです」
「世の中の動きが何がどうなるというのは予測できないですが、こうなってくれたのはありがたいです」
そして弁護側の質問の最後、山上被告は初めて遺族に対する謝罪の言葉を述べました。
弁護側
「この裁判の最後の被告人質問で謝罪をするという話をしていましたね」
「この裁判の最後の被告人質問で謝罪をするという話をしていましたね」
山上被告
「はい」
「はい」
弁護側
「裁判で見聞きしたものを受けて話したいと言っていましたね」
「裁判で見聞きしたものを受けて話したいと言っていましたね」
山上被告
「はい」
「はい」
弁護側
「あなたの行為で1人の命が失われました。この法廷には3日、ご遺族の安倍昭恵さんがいらっしゃいました。あなたから、そのことについて言葉はありますか」
「あなたの行為で1人の命が失われました。この法廷には3日、ご遺族の安倍昭恵さんがいらっしゃいました。あなたから、そのことについて言葉はありますか」
山上被告
「昭恵さんをはじめとして安倍元総理のご家族には何の恨みもありませんので、殺害したことで非常にこの3年半つらい思いをしてきたのは間違いないと思います。自分も肉親が亡くなる経験をしました。自分に弁解の余地はありません。非常に申し訳ないと思っています」
「昭恵さんをはじめとして安倍元総理のご家族には何の恨みもありませんので、殺害したことで非常にこの3年半つらい思いをしてきたのは間違いないと思います。自分も肉親が亡くなる経験をしました。自分に弁解の余地はありません。非常に申し訳ないと思っています」
一方の検察側。これまでの裁判を通じて、山上被告の不遇な生い立ちが「罪を大きく軽くするものではない」と主張しています。
検察側
「あなたとしては今回の事件を起こしてよかったですか」
「あなたとしては今回の事件を起こしてよかったですか」
山上被告
「少なくとも私や統一教会の被害者にとっては意味があったと思いますが、全体としては色々なことが関わっているので、一概には言えません」
「少なくとも私や統一教会の被害者にとっては意味があったと思いますが、全体としては色々なことが関わっているので、一概には言えません」
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安倍元総理殺害「間違いだった」
最後の質問は裁判所から。
裁判官
「お母さんは今も信仰を続けているということですが、お母さんへの気持ちは何かありますか」
「お母さんは今も信仰を続けているということですが、お母さんへの気持ちは何かありますか」
山上被告
「母個人に対しては、私としてはどこかで静かに過ごしてもらえれば、それが一番いいと思います」
「母個人に対しては、私としてはどこかで静かに過ごしてもらえれば、それが一番いいと思います」
田中伸一裁判長
「そこにあなたは関与しないのですか」
「そこにあなたは関与しないのですか」
山上被告
「現時点では何とも分かりません」
「現時点では何とも分かりません」
田中伸一裁判長
「銃をつくっているプロセスで葛藤はありませんでしたか」
「銃をつくっているプロセスで葛藤はありませんでしたか」
山上被告
「統一教会、特に統一教会の中心人物に対して、そういった道徳感情を超えてしまった部分がありました。それが安倍元総理に向かったことに関して、安倍元総理が亡くならなければならなかったのは間違いだったと思っています」
「統一教会、特に統一教会の中心人物に対して、そういった道徳感情を超えてしまった部分がありました。それが安倍元総理に向かったことに関して、安倍元総理が亡くならなければならなかったのは間違いだったと思っています」
田中伸一裁判長
「安倍元総理が殺害されなければならなかったことが間違いだったということですか」
「安倍元総理が殺害されなければならなかったことが間違いだったということですか」
山上被告
「亡くなる可能性があることを行ってしまったことが間違いだったと思います」
「亡くなる可能性があることを行ってしまったことが間違いだったと思います」
次回の裁判は2週間後の18日。論告求刑と最終弁論が行われる予定です。
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