青森県を襲った最大震度6強の地震。瞬間映像や証言から、今回の地震の「2つの特徴」が見えてきました。
青森で震度6強 被害全容は
青森県三沢市を旅行中の台湾から来た観光客。室内にある買い物袋は、横に揺れ…二人がかりで備品であるテレビを支え、おろします。
カーテンを開け、外の様子を確認します。
「行かないで、動かないで」
「長いね」
数々の新たな地震の瞬間映像が物語る、今回の地震の特徴が見えてきました。
「体感したことないレベルだった。死んでもおかしくないと一瞬思った」
8日夜、青森県で最大震度6強を観測する地震があり、少なくとも50人がけがをしました。
震度6強を観測した青森県八戸市へ…。一夜明け、被害の大きさが見えてきました。
八戸市内のショッピングセンター。大きな天井の破片とみられる落下物もいくつも積み重なっていて、一部はクリスマスの飾りも押しつぶしています。
「一番来ているこの店。衣料品から食料品から、フードコーナーからも何でもある」
中心街にあるビルも…外壁が崩れ、いまにも落下しそうなほど。
五戸町では、建物が倒壊しています。
正月を前にした神社も、190年近い歴史の中で初めてというほどの大きな被害を受けました。
「灯籠(とうろう)も、きのうの揺れで全滅してしまった」
「1回、東日本大震災で多少ダメージ受けたんですけど、ここまでダメージを受けたのは初めて。起きてしまったことはしょうがないので、直せるところは応急処置してなんとか正月に間に合わせようかなと」
雪が積もる東北町を走る道路。道路が陥没し、軽乗用車が転落しました。
元々は、青森県むつ市と弘前を結ぶ国道で、スーパーなどがある幹線道路でした。
この事故で車を運転していた男性が痛みを訴え、病院に搬送されています。
むつ市にある病院は、スプリンクラーが破損。院内に水があふれています。看護師やスタッフらが対応に追われます。
「7〜5階の患者エレベーターも止まったので、職員総出で下まで運んで外来で一晩過ごしてもらった」
瞬間映像に“2つの特徴”
さまざまな場所で、その瞬間が映し出されていました。
SNSでのライブ配信中に起きた地震。座っているのもやっとの揺れが分かります。その揺れは、これまでにないものだったと振り返ります。
「3段階あって1分間ぐらい揺れた。最初は震度3くらいの揺れが続いていて、大丈夫かと思ったらそこから急に立てないくらいの震度6くらいの地震が来て、10秒くらい震度6くらいの揺れが続いた後に、また震度3くらいのが20秒くらい続いて」
数段階に分かれて揺れたことが分かる映像があります。八戸市内の住宅。一度揺れは収まったように見えますが、再び揺れます。
青森県・八戸支局の映像は、揺れの長さも物語ります。横揺れが始まると、机の書類が落ちます。看板は、大きく揺れ…実に2分ほど続きました。
玄関にあるシャンデリアも大きく揺れています。
14年前の東日本大震災では、震度5強を観測した八戸。今回は震度6強と、さらに大きな揺れを感じていました。
被害は、北海道でも…。取材中にも余震が起きます。
震度5弱を観測した、北海道のコンビニの防犯カメラ。小刻みに棚が揺れ始めます。一瞬、電気が消え、棚は徐々に前へ。1分ほど経った後も、まだ揺れています。
帯広市でも、湯舟が大きく揺れます。
岩手でも、大きな揺れを観測しました。滝沢市内の映像。ナマズや金魚がいる水槽の水が大きく揺れ、
水があふれるほどに。滝沢市内では、震度5弱を観測しています。
「長かったので怖い」
遠く離れた関東でも、長い揺れを感じました。多くの人が口にするのが、その長さと横揺れです。
「地震は長かった。あんなの初めて。長い揺れ、横揺れ。家もかなりきしむ音がした」
「怖かった。長かった。今までで一番」
「(Q.東日本よりも?)長かった」
“横揺れ” “長く続く揺れ”
人々が口にする横揺れと地震の長さが意味するところは何なのでしょうか。専門家が雪国ならではの事情を指摘します。
その理由は「震源からの距離」にありました。
西村卓也教授
「縦揺れは震源地の近くで顕著にでる。(震源地が)遠いと縦揺れはあまり伝わらず、ほぼ横揺れが長く続く。断層が最初に割れ始めてから全部割れ終わるまで1分くらい。今回ある程度大きかったので、それだけ長い揺れになった」
そして現在、県が確認している建物の倒壊は一軒。雪国ならではの住宅事情も指摘します。










