社会

報道ステーション

2025年12月10日 01:36

「深いご心痛を与えおわび」初の“謝罪”変化アピールか…旧統一教会 田中会長が辞任

「深いご心痛を与えおわび」初の“謝罪”変化アピールか…旧統一教会 田中会長が辞任
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世界平和統一家庭連合=旧統一教会の田中富広会長が辞任を表明しました。

世界平和統一家庭連合 田中富広会長
「私たちの活動が、一部の方々に、深いご心痛を与えたことは、決して軽視できません。改めて、おわびさせていただきます。申し訳ありませんでした」
2023年

2022年の安倍元総理の銃撃事件をきっかけに、その実態に批判が高まった旧統一教会への高額献金や霊感商法をめぐる問題。これまでの会見では「謝罪という言葉は、被害者が特定されて初めて使われる」などと語り、「謝罪ではない」という趣旨の説明を繰り返していました。

世界平和統一家庭連合 田中富広会長
世界平和統一家庭連合 田中富広会長
「(Q.2023年の会見のときは『おわびはするけど、謝罪はしない』と。今回は謝罪に当たるのか)おわび、これは、言葉も慎重になりますけども、ご理解ください。おっしゃったように『おわびはするが、謝罪はしない』と、随分、皆さんとやりあったような記憶があるのですが、家庭連合は、いままで、いわゆる犯罪を犯したことは、一件もありません。いままでの法的な責任の枠組みにおける“被害者”という言い方よりも、それを一歩超えた立場に対しても、いま、私たちは、方針を転換して、向き合う方向で進め始めたので、その領域における“おわび”。謝罪の意を込めた“おわび”とご理解していただいたらいいと思います」

初めて謝罪という言葉を口にした理由について、こう述べました。

世界平和統一家庭連合 田中富広会長
世界平和統一家庭連合 田中富広会長
「しっかり解決に姿勢を向けることが大切だということで、いわゆる法の枠を超えて、より一歩超えて対応に向き合う、取り組みをしていこうじゃないかと」

集団調停にも取り組んできたと説明。これまでに高額献金被害を訴えたうちの182人と集団調停が成立し、約36億8000万円を支払うことが決まっています。

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韓鶴子総裁

教団本部がある韓国では、韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁が9月に逮捕・起訴されました。政治資金法違反などの罪に問われています。

世界平和統一家庭連合 田中富広会長
「いち信徒として、国境を隔てておりますけども、83歳を目前にした総裁が、拘置所で生活しておられるということは、本当に心痛いです」
李在明大統領

日本政府が出した解散命令請求も踏まえ、李在明(イ・ジェミョン)大統領は、教団を解散させられるか検討するよう指示。李大統領は「法人であっても、憲法と法律に違反する行為をすれば、解散させなければならない」と強調しました。

9日の田中会長の辞任会見を受け、これまで被害者の救済に取り組んできた弁護士らは、こう述べました。

全国霊感商法対策弁護士連絡会 阿部克臣弁護士
全国霊感商法対策弁護士連絡会 阿部克臣弁護士
「自分の対応に何ら触れないまま、職を辞すると言っても、それで教団の改革がなされたと評価できるものではない。何とか解散命令を免れたいという意図のもとで、このタイミングになったのだと思う」
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