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将棋の福間香奈女流六冠(33)が妊娠中に不戦敗を余儀なくされたとして、規定の見直しを求める要望書を日本将棋連盟に提出したことが分かりました。
妊娠中の対局に棋士特有の悩みも
「黒星が妊娠によってついてしまう。なんで妊娠して、うれしいはずなのに。一方で、すごく苦しい思いをしないといけないんだろうって」
こう話すのは、将棋の福間女流六冠。島根県出身で、鋭い攻め手から「出雲のイナズマ」との異名を持っています。
8つのタイトルのうち6タイトルを保持しているナンバーワン女流棋士が9日に日本将棋連盟に対し、要望書を提出しました。
求めているのは「対局の不戦敗に関する規定の改正」です。
「女性で仕事と子どもを望む、妊娠することが両立できるような社会になっている今で、どちらかを諦めなければいけない、選択できないというところに、ただただ苦しかった」
去年12月に長男を出産した福間女流六冠。問題は妊娠中に起きます。
医師から長距離の移動は控えるよう言われていたため、日本将棋連盟に対局場所の変更などを要望しましたが認められず。出産2カ月前の10月に挑戦者として臨むはずだった、2つのタイトル戦で不戦敗とされてしまったのです。
「連盟としては1年前からタイトル戦の日程は決まっているので、日程変更は難しいかもしれないと。(妊娠によって)不戦敗で戦わずして負けるというのは、当時は苦しかった」
さらに、妊娠中の対局には棋士特有の悩みもあるといいます。
「棋戦によっては、着物を着用して対局するという契約もあって。着物を着て対局することが、おなかの子を締め付けているので心配。流産した経験があったので、とにかく流れないかが一番不安」
福間女流六冠によると、日本将棋連盟には女流棋士の対局について「対局者のどちらかが対局を実行できない場合、対局を実行できない者を不戦敗とする」規定があるといいます。
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今後の女流棋士界 良い方向に改善へ
日本将棋連盟に規定の見直しをする可能性はあるか問い合わせると、次のような回答がありました。
「現在、制度設計及び規定の明文化を目指し、専門家の意見や女流棋士の声、競技運営の観点を総合的に踏まえながら、検討を進めているところでございます」
福間女流六冠はこの要望書を機に、今後の女流棋士界を良い方向に改善していきたいと話します。
「長い歴史の中で(女流棋士は)歴史が浅い。実力社会なので、棋力(棋士の実力)がない分、仕方ないのかなと。タイトル戦も戦えるような、両立できるような規定に変わってほしい」
福間女流六冠は10日、会見を開く予定です。
(「グッド!モーニング」2025年12月10日放送分より)
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