8日に最大震度6強を観測した青森県八戸市では、店舗の窓ガラスが割れ商品が床に散乱するなどの被害が出ています。また、初めて出された「後発地震注意情報」に住民が対応しています。
橋脚で鉄筋がむき出し 道路陥没、車挟まる
青森県三沢市を旅行中の、台湾からの観光客が撮影した映像を見ると、2人がかりで落下しないようにテレビを必死におさえています。
カーテンを開けて、外を確認する様子も。
SNSでライブ配信中だった男性も座っているのもやっとな大きな揺れです。
「体感したことのない揺れだったので、死んでもおかしくないなと一瞬思いました。3段階くらいあって1分間ぐらい揺れていたんですけど」
徐々に見えてきた、被害の爪痕。
青森県八戸市で地震で破損したとみられる柱にドローンが近づくと、橋脚の鉄骨がむき出しに。よく見ると柱が傾いているようにも見えます。
JR八戸線は高架の橋脚で鉄筋がむき出しになる被害が確認され、設備点検のため終日運休となりました。
道路が陥没し軽乗用車1台が転落した、青森県東北町の現場をドローンで見てみると、割れた道路に挟まれるような形で車がなんとかバランスを保っています。
むつ市と弘前市を結ぶ国道では、車を運転していた男性が痛みを訴えて病院に搬送されました。
3.11以上の揺れ「被害大きい」
これまでに少なくとも51人がけがをした今回の地震。被害が特に甚大だったのが震度6強を観測した青森県八戸市です。
9日午前2時ごろ、ビル内の廊下は水びだしに。このビルがあるのは、JR本八戸駅から1キロほど離れた飲食店が立ち並ぶ中心的な繁華街。
今回、番組が新たに入手したのは、このビルを含めた4店舗の映像です。
1階では関係者が作業を続けています。2階には電気がついていて、中では復旧作業が続けられているようです。
ビルは窓ガラスが大破し中がむき出しに。雪が降る中、ビル2階の店舗では消防隊員によって割れたガラスを取り外す作業が行われていました。
地震発生から1時間後の2階店内の様子を見ると、店内には棚から落ちた酒類などが散乱しています。外に出ると割れたガラスが歩道に散乱。2階の店舗にカメラを向けると、窓ガラスはなく中は丸見えに。
地震から一夜明け辺りが明るくなってから撮影された店内には、ソファーが倒れているのも確認できます。
おしゃれな雰囲気が広がる店内は、地震でその面影はありません。
そこから歩いて2分ほどの場所にある別のビルでも、地震で酒類などが散乱しています。
さらに地震直後に撮影された映像には、天井から激しく水がたれ、店内は水浸しになっている様子が捉えられていました。
普段はラグジュアリーな雰囲気が広がるスナック。撮影者はサンダルで対応に追われていました。
当時、店内で客と一緒にいたという店長はこのように話します。
「体感1分弱ぐらいは揺れていましたね。揺れと同時にボトルがガシャガシャ落ちてくる。酒瓶が落ちてきた以外にも、天井のほうに水道管が通っていまして、水道管がおそらく破裂した様子で、店内も水浸しで浸水してしまったので。しばらくは復旧のめどはたっていない感じですね」
14年前の東日本大震災では震度5強を観測した八戸。今回は震度6強と、さらに大きな揺れに…。
ガス供給停止 断水発生 病院は水浸し
各地で地震による被害が出る中、市民生活にも影響が出ています。
七戸町では断水が発生し、懸命な復旧作業が行われていました。
国土交通省によると、青森県七戸町、階上町、岩手県軽米町でおよそ480戸が断水。
「朝からなんだけど、トイレが一番困りました。トイレを使えなくて」
給水場を訪れた男性の家では、地震が起きてすぐに水が出なくなったといいます。
「(Q.全く出ないですね)まったく出ねえ。ゆうべから」
深刻なのは断水だけではありません。八戸市の一部地域ではガスも止まりました。
「ガスが止まっています。夜は使わないから朝使おうと思ったらつかない」
「不安というのはやはり1週間くらいかな。やっぱりまだ来るかもしれないって。(“後発地震注意情報”)怖いなと思って。少しはなんか用意しとかないといけないなって」
「(Q.準備はされてました?)いや全然ないですね」
むつ市にある病院では災害派遣医療チーム(DMAT)も駆け付けていました。
病院内を案内してもらうと、天井には一面水の跡が。中には抜け落ちてしまった所もあります。
上の階のスプリンクラーが故障して水浸しに。入院していた患者は、急きょ別の病院へと移動してもらうことに。
杉澤一徳事務局長
「133人の患者に外来で一晩過ごしていただいた。老朽化して耐震基準も満たしていない施設ではあるが、こういう被害が出るところまでは想定できていなかった」
防災グッズ求め混雑 保育園は「ローリングストック」
インフラへの被害で生活に支障が出るなか、今後1週間程度にわたって市民に求められるのが、初めて発表された「後発地震注意情報」への対応です。
後発地震注意情報とは、新たに発生する恐れがある大規模地震への注意を呼び掛けるもの。通常の生活を送りながら、水や食料などの「備蓄の確保」や寒さに備えた「防寒具」の用意、すぐに逃げられる「避難経路の確認」、家具の固定などで巨大地震に備える防災対応が求められる1週間です。
9日、八戸市内のホームセンターでは防災グッズコーナーに多くの人が見られました。
「ガスが止まったりしたら予備がないので」
「なんかこの1週間ぐらい、まだ危ないかなと思って」
「あと今、時期的に冬なので。寒くなるので(防寒具を)と思って」
「(防災グッズが)家にないので。やっぱりこれ(防災バッグ)。一週間ぐらいはなんか危ないって」
「(Q.地震がまだ続くかもしれない?)(次の地震が)来る前にね、もしもの時のために」
後発地震注意情報を受けて、急きょ防災用品や備蓄品を買い求める人が続出。
9日、高台に避難したという人はこのように話します。
「(Q.きのう避難して何が一番必要だった?)(携帯)トイレ系とか必要かなと」
「(Q.普段だったらこういう売り場見たり意識したりは?)ないですね、まったく。もっと意識高めないとなって思ったので、やっぱりきょうこうやって備えて」
経営企画部秘書・広報グループ主任 有馬慎さん
「この先もしばらく大きな揺れが発生するリスクがあるということで、万が一の断水とかに備えて大容量で買っていかれるお客様がいらっしゃいます」
一方、市内の保育園では東日本大震災を教訓に非常食を備蓄しているといいます。
笹本健治園長
「常日頃、水と非常食は用意してる。ローリングストックですね。本当に大事なお子さんの命を預かっていますので、そこを一番に考えて(備蓄を)」
9日に青森市では、小中学校61校を集めたオンライン会議が行われ、子どもたちへの対応について話し合われました。
「保護者の判断で例えば『今週1週間はお休みさせたい」って言った場合は、出席扱いにすることで大丈夫でしょうか?」
「その通りでございます」
「子どもたちの安全安心のために緊張感をもって対応していきたい」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年12月10日放送分より)

















