1
全国で大量死が相次ぎ、歴史的不漁となっているカキ。死滅を防ごうと、生存率を高めたカキの試験養殖が始まっています。
原因の一つ「海水温の上昇」か
宮城県の女川町で20年以上カキを育てている高泉元幸さん。2年物のカキの出荷時期を迎えましたが、水揚げしてみると…。
「分かりやすく言うと、死んでいる。他にも株あるが、死んでいる」
例年10トンほど出荷していますが、今年は3分の1が死に苦しい1年となっています。
今年は全国でカキが歴史的不漁となっています。名産地である広島県呉市でも…。
山根水産 山根周志さん
「9割以上が死んでしまっていますね。今までにない量ですね」
「9割以上が死んでしまっていますね。今までにない量ですね」
瀬戸内海を挟んだ香川県でも、5割から9割が死ぬ深刻な被害が出ています。
原因の一つは「海水温の上昇」とみられています。
高泉さん
「(カキの)養殖するうえで“限界水温”があるのかな。自分たちの中では暑さに一番強いのが、カキだと思っていた。そのカキが死ぬくらいなので」
「(カキの)養殖するうえで“限界水温”があるのかな。自分たちの中では暑さに一番強いのが、カキだと思っていた。そのカキが死ぬくらいなので」
海水温が上がると、なぜカキが死んでしまうのでしょうか。その要因の一つとして考えられているのが「過剰な産卵」です。
カキは夏に卵を産みますが、この時に大量のエネルギーを消費します。
近年は海水温が上がったことで、ひと夏に何度も産卵を繰り返し、体力を失って暑さに耐えられなくなっているといいます。
こうした事態を打開するため、高泉さんは「三倍体」と呼ばれるカキの試験養殖を始めました。
通常は染色体を2組持っていますが、人工的に染色体を3組に増やされたカキは卵子や精子が作りにくくなるといいます。
三倍体カキは夏場の産卵を抑え、体力を温存することができ、通常のカキより生存率を高めて、身の成長も進むことが期待されています。
「対応して勉強していかなければいけない。生産が安定しないことには加工業者や消費者に安定供給できないので、生産安定が一番重要かなと思っています」
(「グッド!モーニング」2025年12月11日放送分より)
広告






