岩手・盛岡市に現れたのは小屋の中でリンゴを食べ漁るクマ。そこに登場したのは「吹き矢」で、麻酔が入った矢を放つとクマは眠り捕獲された。盛岡市では市職員などが麻酔吹き矢を扱えるよう育成体制を整えると発表。そんな中、今注目を集めているのが「スポーツ吹き矢」だ。
【映像】“りんご爆食いクマ”吹き矢で捕獲の一部始終(動画あり)
ABEMA的ニュースショーが訪れたのは、東京・北区にある施設。スポーツ吹き矢の競技人口は10万人以上とも言われ、大会も盛んで実力によって段位もある。ルールは協会によって異なるが、取材に訪れた団体では10メートル離れた的に矢を5本吹き、それを複数ラウンドおこない得点を競う。
この日参加していたのは60代以上のシニア層で「昭和21年生まれ来年80歳」と名乗った男性と「(昭和)34年生まれ」と答えた女性は六段位を持っているという。女性は「真ん中に入れる快感にハマった」と、スポーツ吹き矢をする理由について語った。
指導するのはスポーツ吹矢振興協会・最高位七段位の師範で、吹矢ドクター&マイスターの肩書を持つ下野和朗氏(73)。「吹き矢をやっていると腹式呼吸を使ってますから、全身の循環が良くなって若さを保てる」と若さの秘訣を明かした。
下野氏が吹き矢を始めたのは18年ほど前。矢が的に当たる音に魅了されたそうで「クマに向けて吹く矢と競技は別物。動く標的に当てる難しさ、さらに競技とは比べものにならない緊張感があるはず。それでも呼吸の整え方、動作の基本は同じだ」と語った。
吹き矢のコツについては「吹き矢は肺活量が必要かというとそうではなく、この筒の中の体積は160ccしかないので、わずかな空気を瞬間的に出す。『ふぅ〜』じゃなく『フッ』。軽く短く吹くと矢は時速100キロを超える。たくさん(息を)吹いても、もう矢は出ている。だから軽く吸って『トン』の方が速い。深めにくわえて、ちょっとアゴを引いて。『フッ』というように、なるべく軽く、短く」と解説した。
参加者たちも普段から練習をしているそうで、六段位の男女は「テレビ見ているときとかでも『フッフッフッ』」「お風呂入っているときも『フッ』。お風呂の水が『ふわっ』(と動く)」と語った。
スポーツ吹き矢は礼を重んじる。標的に敬意を示すためで、一連の決まった所作も得点に加算されるほど。楽しいスポーツの中に武道の遺伝子が引き継がれているのだという。
下野氏は「所作をやりながら礼法を重んじる。やっぱり吹き矢は気持ち。技よりもメンタル、心が大事。吹き矢は呼吸。呼吸が乱れると矢は乱れる」と説明した。
スタジオではドランクドラゴン・鈴木拓とMCの千原ジュニアが実際に吹き矢に挑戦してみることに。鈴木は吹き矢の経験を聞かれると「子どもの頃、うちのおじさんが吹き矢をやたら作って『やってみろ』ってやらされた。塩ビパイプで……」と明かしつつ、的に命中させた。
続いて挑戦した千原も的に当てると「めちゃめちゃ楽しいわ!これはやりたなるわ!」とご満悦で「みなさんがハマりはるの分かるわ」とコメントすると、鈴木もうなずいていた。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
