東京の食を支えてきた築地場外市場が、12月は観光目的での来訪を控えるよう、異例の呼びかけを行っています。一体何が起きているのでしょうか。現地を取材しました。
築地場外「12月観光来ないで」
「東京の台所」築地場外市場は、400店以上の食の専門店が軒を連ねます。
「雰囲気は最高です。すしもおいしい」
「先週来て、また来ちゃいました」
プロ向けの問屋街から、近年は、外国人客の増加もあって、屈指の観光スポットとなっています。
どこが行列か分からないほど、人であふれかえっているのは、ホルモン煮の老舗「きつねや」。70年以上継ぎ足しされてきたタレで煮込んだ牛ホルモンを、ご飯の上にかけた「ホルモン丼」は、まさに絶品です。
「友達がホルモン好きで、その友達が言うなら絶対おいしいだろうと思って」
人気なら、こちらも負けていません。「玉子焼 築地 山長」のお店の前には長蛇の列ができています。
職人が1本1本丁寧に焼き上げる、カツオだしのきいた「玉子焼」。串に刺して手軽に食べられるとあって大人気です。
連日多くの観光客でにぎわう中、今月、築地場外市場から“異例のお願い”が呼びかけられました。
「12月中は、食べ歩きや団体のツアー・ガイドは控えるように」というお願い。その狙いは、観光客が集中して雑踏事故などが起こるのを防ぐためです。
実際、13日も、道いっぱいに広がる観光客たち。年末になると買い物客が増えさらに人出は多くなるといいます。
「私の地元の国立公園にも、大勢のツアー客が来るから、この呼びかけの気持ちは理解できます」
「30人のツアーで来ましたが、少人数で回ることにしました。築地の醍醐(だいご)味は食べ歩きですから、それができないのはちょっと残念です」
老舗店で“方針転換”も
そしてもう一つ。築地場外市場が、年末の混雑を懸念する理由は、常連客がスムーズに買い物に来られなくなることです。
「築地に買い出しは20年以上来ている。毎年暮れは」
カニやマグロなど正月用の食材を買いに来た常連客。こうした常連の「客離れ」が一部のお店で起きているといいます。
創業以来、築地で天然のサケにこだわってきたサケ専門店。
「70年ぐらいずっとサケで売り上げを立てています」
「(Q.いろんな商品ありますが?)今のご時世、外国人がいっぱいいらっしゃるのでそれにシフトしていく形で」
店の目立つ所には、日本を強調したお土産用のTシャツがずらり。さらに、常連客の減少と観光客の増加もあり、老舗のサケ専門店が、カプセルトイまで導入しているのです。
「(Q.いろんな人が来るに越したことはない?)絶対、間違いない」
日本人のみならず外国人も魅了する築地場外市場。年の瀬が近づくにつれ一段と活気づきそうです。
「(外国人観光客は)すごくマナーも良くなって、日本をリスペクトして来てくれていると感じているので。にぎわっているのは一番いいことだと思う。人が多いなら問題が起きてくると思うので、その問題が少しずつ解決していけばいいと思う」
(「グッド!モーニング」2025年12月14日放送分より)








