社会

モーニングショー

2025年12月15日 17:45

「暖房使えない」「お金がもたない」厳しい寒さも物価高直撃 炊き出しに並ぶ若者も

「暖房使えない」「お金がもたない」厳しい寒さも物価高直撃 炊き出しに並ぶ若者も
広告
4

 14日は全国的に荒れた天気となり、北海道は各地で大雪となりました。この週末は東京も厳しい寒さとなりましたが、電気代が心配で暖房を使えないなど物価高の影響が出ています。

北海道で車の立ち往生 転倒事故も

 急速に発達した低気圧が通過した影響で、北日本は大荒れの天気になりました。

 北海道では各地で大雪となり、帯広市では道路に積もった雪で立ち往生する車がありました。バンパーを超える高さにまで積もった雪を、運転手とみられる人がスコップでかき出します。

 深夜になっても降り続ける雪。雪で滑ってしまったのか、路上に倒れ込む人の姿も見られました。その後、ゆっくりと立ち上がり歩き始めました。

14日午後3時ごろの根室市内
14日午後3時ごろの根室市内
14日午後11時ごろの根室市内
14日午後11時ごろの根室市内

 根室市でも14日午後3時ごろ、市内を撮影した映像を見ると、家の屋根や道路はまだ雪が積もっていませんが、およそ8時間後に辺り一面、白銀の世界に包まれ、どこが道路か分からないほど雪が積もっています。根室市では17センチの積雪を記録しました。

 横殴りの激しい雪が吹き付ける北海道。えりも岬では14日、最大瞬間風速45.1メートルを観測。この天気の影響で北海道内では一時2万戸近くが停電しました。

広告

大雪で交通混乱 慌てて除雪も

15日朝6時までで61cmの積雪を観測した帯広市
15日朝6時までで61cmの積雪を観測した帯広市

 14日、午後1時半の北海道帯広駅前。昼ごろから降り始めた雪が次第に強くなってきています。積もった雪で足元も滑りやすい状況です。バスの待合所もありますが、この雪の影響で札幌行きのバス午後6時以降の便がすでに運休となっていました。

 14日、今シーズン最低のマイナス11.3℃を観測した帯広市。15日朝6時までで61センチの積雪を観測。今シーズン最大を記録しました。

札幌からの観光客
「きょうも帯広まで車で来ようと思ったんですけど、雪がすごくて事故ったりすると嫌だなと思って、バスにしました」
道内からの観光客
「この時期にこれぐらいの雪あんまり降らないから」
「(Q.早い?)早いと思います」
積雪で全く見えなくなった釧路市内の横断歩道
積雪で全く見えなくなった釧路市内の横断歩道

 そして夜になっても、午後6時半の釧路市では強い風で大粒の雪が舞っています。横断歩道も積もった雪で全く見えません。

 雪の影響でしょうか、繁華街にもかかわらず、行き交う人の姿がほとんどありません。

 釧路市は今シーズン最大の25センチの積雪を記録。急な大雪に慌てて雪かきをする人もいました。

釧路市民
「こんなに降ったのは今回が初めて。前回はサラッと降ったぐらいで済んだので。
「(Q.今季一番?)そうですね」
釧路市民
「ちょっとこの降り方見て、あすの朝、出勤するの大変そうだなって思います」

 大雪と暴風雪の影響で、交通機関にも影響が出ました。新千歳空港を発着する空の便は相次いで欠航となり、予約を変更しようとする人で混雑しました。

平年より7日早く初雪を観測した熊谷市
平年より7日早く初雪を観測した熊谷市

 雪は関東でも降りました。13日夜、平年より7日早く初雪を観測した熊谷市。雪のようなものは、東京・世田谷でも見られました。

 年の瀬、物価高で燃料費が高騰するなか、寒さをどのようにしのいでいるのでしょうか。

広告

東京で寒さも高齢者「暖房使わない」

東京・練馬の光が丘団地で行われた有志による落ち葉拾い
東京・練馬の光が丘団地で行われた有志による落ち葉拾い
練馬区福祉部助成
光が丘ボランティアの会
小山謙一会長

「じゃあまず、きょうはあそこから行きますんで。けがをしないように。年末なんで、けがをしたら一番痛いですから。じゃあ、これから始めてください。よろしくお願いします」

 13日午前7時半、気温2.0℃と冷え込むなか、東京・練馬の光が丘団地では、有志による落ち葉拾いが行われていました。

 近隣に住む顔なじみが集まっているということもあり、参加者からは口々にこんな声が聞かれました。

「(近場のスーパーのほうが)種類多いでしょう?」
「全然安い」
「種類多いでしょ、あそこ。野菜はすごくいいの」
「寒い。きょうはね、きのうより2℃も低いんだって」

 厳しい冬の寒さと物価高の話題で持ちきりになっていました。落ち葉拾いの活動を取りまとめる小山さんはこう話します。

「冬はみんなエアコンの暖房を使わない。電気代が高いんですよ。物価値上げは止めるわけいかないんだろうから、年金を増やしてもらわないと」

暖房なし厚着でこたつ…物価高襲う冬

 厳しい寒さの中、落ち葉拾いに参加した清久恵美子さん(73)。物価高に苦しんでいるといます。

「今が一番、今が一番大変!」
「安い所に行って買いに行ったり、スーパーだと終わり寸前になると半額とあるじゃないですか。あそこに行って…」
「電気ね…エアコン使ってないから」

 真冬の寒さの中でもエアコンは使わないといいます。どのように寒さをしのいでいるのか、自宅を訪ねました。

「(Q.普段こうやって?)こたつの中に入って」
ダウンコートを着たままこたつに入り寒さをしのぐ
ダウンコートを着たままこたつに入り寒さをしのぐ

 ダウンコートを着たままこたつに入り、寒さをしのいでいると話します。

「(Q.朝とかって起きたらすぐ?)もうテレビつけて、これ(こたつ)つけて」
「(Q.ジャンパーとか上着とか?)着てます、寒いから。起きてすぐ着ちゃう」
「(Q.電気代高い?)高いね」
「(Q.夏はエアコンつける?)つけますよ。死んじゃうもん」
「(Q.冬は?)冬はしない。冬はいいや。着れば」

 落ち葉拾いに参加した高畑アサ子さん(88)も、冬の寒さと物価高に悩まされている一人です。

「もう食品よね、やはりね。おコメとか、あと身近な野菜でも何でも細かいもの全部値上がりしているでしょ。おコメは一番響くわね」
「夜はほとんど使わない」エアコン
「夜はほとんど使わない」エアコン

 自宅に案内してもらうと、節約のため我慢しているものがあると話してくれました。

「これがそうなんですけどね」
「(Q.エアコン?)夜はほとんど使いません」

 最低気温が10℃を下回った日でも、ほとんどエアコンをつけないといいます。

「やっぱり節約が目的ですよ。今、電気代が高いでしょ。電気ガスが。(月に)1万5000円くらいはいっちゃう」
広告

寒さと物価高 若者も暖房なし生活

池袋の公園での炊き出しに並ぶ人々
池袋の公園での炊き出しに並ぶ人々

 寒さと物価高に苦しむのは、高齢者だけではありません。

 池袋の公園では、炊き出しの準備が行われていました。寒い中、大勢の人が並んでいました。

利用者男性(53)
「ものすごく寒いです」
利用者男性(60)
「きょうはきのうより寒いね」
この日に配られたお弁当やパン、野菜など
この日に配られたお弁当やパン、野菜など

 この日はお弁当にパン、野菜などが配られました。寒い中、行列に並ぶ利用者を気遣いカイロの準備もしました。

 最近はコロナ禍の1.5倍以上の人が炊き出しを利用し、中には20代の利用者もいました。

利用者男性(28)
「もう食べるものは少ないし、お金がもうないんで、少しだけでもこういうのを頂けるだけで生活が、安定感が全然違うっていうか」

 この男性は去年体調を崩し、仕事ができない状態が続いているといいます。

「暖房とかずっとつけられないんで。布団の中で(過ごす)って感じです。なるべく光熱費もそうだし、食費もちょっと抑えつつっていう感じで」
最近の物価高騰で炊き出しに訪れる人にも変化
最近の物価高騰で炊き出しに訪れる人にも変化

 最近の物価高騰で炊き出しに訪れる人にも、変化がみられるといいます。

特定非営利活動法人
TENOHASI事務局員 大野力さん

「やはり物価高が影響を与えて、炊き出しに並ぶ方の層が少し変わっている」
「最近はスマホ片手に並ばれる方、スーツで仕事帰りに寄られる方、小さなお子さんを連れていらっしゃる方。1食を浮かすために、わざわざこちらに立ち寄って、お弁当を持って帰る」
「単純に以前までの生活と同じような生活をしていたら、お金が持たない」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年12月15日放送分より)

テレ朝天気
広告