14日午後5時ごろ、アイドルのコンサートも行われ、多くの人でにぎわっていた『みずほPayPayドーム福岡』周辺で、男女2人が、突然、刃物のようなもので襲われました。
男は、その場から逃走しましたが、9時間後、福岡県春日市のコンビニエンスストアにある公衆電話からかかってきた110番通報によって急展開を迎えます。
男は「事件の男を見た」などと説明。男について情報を求める警察に対し、「本人です」と犯行をほのめかし、切ったといいます。
通話時間は、わずか3分19秒。警察がコンビニ店に向かうと、男の姿は、まだそこにありました。
山口直也容疑者(30)。その後、警察に対し、犯行を認めるような話をしたため、男性に対する殺人未遂の疑いで緊急逮捕されました。
催涙スプレーなど3本のほか、家庭用の包丁を2本所持していて、どちらかが犯行に使われた可能性があるとみられています。
「(山口容疑者は)普通に入ってきて、買い物もせず、じっと外を見ながら待っていた。10〜15分ぐらいしたら、パトカーが数台、来て、店の中に入ってきて、入り口付近にいたので、警察が両脇を抱えて、そのまま店の外に出ていって」
山口容疑者が、コンビニ店に、どうたどり着いたかはわかっていません。
事件が起きた現場からコンビニ店までは南東に約12キロ。山口容疑者の自宅は、コンビニ店とは逆方向の約15キロ離れた糸島市内です。
「山口容疑者は、独身で、アパートに一人で暮らしていました。近所付き合いはなく、隣に住む人も顔を合わせたことはなかったということです」
「(山口容疑者が)住んでいるのは間違いない。洗濯物を毎日干している。干してあるってことは、誰か住んでいるかなっていう感覚。(Q.面識はない)ない、まったく自分はない。(Q.物音は)物音はまったくない」
事件が起きた商業施設には、アイドルグループ『HKT48』の専用劇場があります。
警察によりますと、山口容疑者は、常連客で、月に5〜6回通っていたということです。
「山口容疑者は、事件前日にも劇場の奥にある関係者用の駐車場に入り込み、出待ちをするような姿が確認されていました」
そこはアイドルが自撮りをすることもある場所だったため、山口容疑者のことは、スタッフ間で共有されたといいます。
そして、事件当日に、再び、関係者用の駐車場に現れた山口容疑者。スタッフが注意をすると、山口容疑者は、いきなりカバンからスプレーを取り出し、スタッフの顔に向けて噴射。さらに、刃物を取り出し、刺したとみられています。
刺されたスタッフ(44)は、命に別状はありませんが、重傷を負い、入院中です。
「エレベーターホールにいたら、『なんでそこにいるんですか』という趣旨のことを言われたので、刺し殺そうと思い、包丁で胸あたりを刺した」
男性を刺した1分後には、27歳の女性も後ろから刺され、搬送されました。女性は、岡山県から来ていた会社員で、山口容疑者とは接点はないということです。
警察は、動機を調べるとともに、女性に対する殺人未遂の疑いでも捜査しています。






