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能登半島地震からまもなく2年。
震度7を観測した石川県輪島市の山間の集落は、いまも手つかずのままです。
別所谷町の住民・倉山邦雄さん。
5キロほど離れた仮設住宅で暮らしながら、時間を見つけては、町に足を運んでいます。
所村武蔵アナウンサー
「奥には、まだ傾いてしまって、斜面から、いまにも転がってしまいそうな住宅もありますね」
「奥には、まだ傾いてしまって、斜面から、いまにも転がってしまいそうな住宅もありますね」
倉山邦雄さん
「そんな住宅ばっかり。これは水害。地震のときはそんなに。水害でこうなった」
「そんな住宅ばっかり。これは水害。地震のときはそんなに。水害でこうなった」
震災前は、42世帯78人が、暮らしていた別所谷町。一部で停電や断水が続いていて、住民は、再び、この地で暮らすことをあきらめるしかありませんでした。
倉山邦雄さん
「この集落で、一生みんなで仲良く生活できればと思っていた」
「この集落で、一生みんなで仲良く生活できればと思っていた」
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今年2月、別所谷町の区長を中心として、集団移転を求める要望書を輪島市に提出。それから、約10カ月。ようやく、15日の市議会で、集団移転に関する条例案が可決されました。
可決された条例は、集団移転への第一歩。今後、移転を望む地域を『災害危険区域』と指定し、自治体が土地の買い取りを行うなど、住民は、さまざまな支援を受けられるようになります。
輪島市 坂口茂市長
「災害公営住宅全体として、令和9年度中に完成したい」
「災害公営住宅全体として、令和9年度中に完成したい」
市が災害危険区域の指定を検討している3つの地域のうち、別所谷町を含めた2つの住民の移転先は、市の中心部となる見込みです。
所村武蔵アナウンサー
「移転先として調整が進んでいる山岸町。すでに建っている仮設住宅が、今後、改装などされ、活用されていく見通しです。周辺を見てみると、こちらの道路だけでも、ドラッグストアやスーパーマーケットなど、さまざまな店舗が立ち並ぶ利便性の高い立地だとうかがえます」
「移転先として調整が進んでいる山岸町。すでに建っている仮設住宅が、今後、改装などされ、活用されていく見通しです。周辺を見てみると、こちらの道路だけでも、ドラッグストアやスーパーマーケットなど、さまざまな店舗が立ち並ぶ利便性の高い立地だとうかがえます」
ようやく見えてきた集団移転への道筋。14日、別所谷町の住民集会では、こんな声が聞かれました。
別所谷町の住人
「(Q.集団移転の場所が決まりましたが)俺は、いい所だと思う。みんなそう思うよ。(Q.まずは場所が決まってホッとしている)そうだね」
「(Q.集団移転の場所が決まりましたが)俺は、いい所だと思う。みんなそう思うよ。(Q.まずは場所が決まってホッとしている)そうだね」
ただ、移転を迷う人もいます。
区長の丹保眞一さん(68)は、88歳になる母親のそばにいたいと仮設を出ました。そして、区長の座も退くことにしました。
別所谷町 丹保眞一区長
「これから別所谷の話は、長くなると思う。これからの新区長、決めなくてはならない。投票するのか、拍手でするのか」
「これから別所谷の話は、長くなると思う。これからの新区長、決めなくてはならない。投票するのか、拍手でするのか」
退任を決めたのは、仮設で暮らす住民の声を近くで聞けないからです。自分が集団移転に加わるかについては、答えは出ていないといいます。
高齢者ばかりの別所谷町において、実際に集団移転が始まるのは、2年後というのも不安の一つです。
別所谷町の住人
「眺めて、若い連中いるか」
別所谷町の住人
「(Q.一番の若い方は)俺、66歳」
「眺めて、若い連中いるか」
別所谷町の住人
「(Q.一番の若い方は)俺、66歳」
仮設から別所谷町の自宅の様子を頻繁に見にいっている倉山さんが口にした率直な想い。
倉山邦雄さん
「地元に行ってみると、『ここには住めんなあ』って。こうして離れていると、地元が恋しいっていうか。“みんなが近くにいてほしい”そういうことを、一番、望むわけなんですが」
「地元に行ってみると、『ここには住めんなあ』って。こうして離れていると、地元が恋しいっていうか。“みんなが近くにいてほしい”そういうことを、一番、望むわけなんですが」
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