東京・赤坂の個室サウナ店で客2人が死亡した火事で、扉の「取っ手」が外れ個室から出られない状態だったとみられることが分かりました。
扉の取っ手外れ“閉じ込め”か
現場には、2体のマネキンも運び込まれました。
サウナ室で、何があったのか？警視庁は、16日朝から現場検証を行っています。
赤坂の高級個室サウナ店で客の男女2人が死亡した火事。亡くなったのは、川崎市の会社経営、松田政也さん（36）と松田陽子さん（37）だということが判明しました。捜査関係者によりますと、2人は夫婦だということです。
さらに16日、新たに分かったことがあります。
捜査関係者によりますと、個室の扉の取っ手が、内側・外側ともに外れていて現場に落ちていたことが分かりました。
赤坂 個室サウナ夫婦死亡
「火災用のベルが鳴っている」との通報を受け、消防が駆けつけたのは15日の正午ごろのことでした。
警視庁によりますと、このビルは5階建てで1棟すべてが、サウナ施設になっています。火事が起きたのは、3階の個室です。
店のホームページを見てみると、この部屋には2.5畳のサウナ室、水風呂、リクライニングチェアなどが備え付けられた休憩スペースがあります。
客の2人は、サウナ室の中、入り口付近で重なり合って倒れていました。室内の木製のシートには焦げたあとがあったそうです。
そして、個室の扉は閉まっていて木製の取っ手が、内側・外側ともに外れ床に落ちていたということです。
これは、サウナ店のSNSに投稿されている動画。火事が起きたのと、同じタイプの部屋です。サウナ室の扉には、確かに木製とみられる取っ手がついています。この取っ手、つかんで回転させ開け閉めする種類のもののようです。
サウナに“取っ手” 専門家「基本的には設計しない」
数多くのサウナを設計してきた建築家の今井健太郎さんに今回の「取っ手」を見てもらいました。
今井さんによりますと、サウナ室の扉の多くは押し引きするだけで開閉できるタイプのものだといいます。
なぜ、取っ手を回転させないと開かないタイプの扉は、少ないのでしょうか…？
火事があった個室サウナ店は、SNSによりますと、およそ3年前にオープンしているそうです。サウナ室の扉の取っ手が外れてしまうのにどのような可能性が考えられるのでしょうか…？
また、サウナという「特殊な環境」も関係している可能性があるといいます。
警視庁は、サウナ室で出火した後、取っ手が外れ、2人が外に出られなくなった可能性もあるとみています。
一方で、回転させるタイプの「取っ手」だからといって、違法ということではありません。専門家は…。
「サウナ設備については、東京都の火災予防条例で構造や、可燃物との熱源との離隔距離とか部屋の温度は何度以下にしなさいとか、そういうことは規定されているんですね。しかし、取っ手について、出入り口の扉の取っ手については、特に規制はされておりません」
もし「取っ手」が外れたら…
もし仮に、同じ状況が起きた場合、どのような行動をとるべきなのでしょうか？坂口さんは、「取っ手」が外れた今回の火事は「極めてレアケース」だと指摘したうえで…。
今回、火事が起きたサウナ室には、非常を知らせるボタンが設置されていたそうですが、亡くなった2人が、そのボタンを押したかどうかは分かっていません。
店は、15日付でホームページにコメントを発表しています。
警視庁は、出火原因や当時の状況を詳しく調べています。