福岡でアイドルグループの運営会社スタッフらが刺された事件で新たな情報です。事件直前、刺されたスタッフが男に「繰り返すなら出禁になる」という趣旨の話をしていたことが分かりました。
福岡刺傷“出待ち”トラブルか
顔を上げ、周りをうかがい、なにかをつぶやくような仕草も見せます。30歳で無職の山口直也容疑者です。
14日、福岡を拠点に置くアイドルグループ「HKT48」の運営会社の男性スタッフを殺害しようとした疑いがもたれています。
警察によると、山口容疑者はHKT48のイベントの常連客で、月に5、6回のペースで劇場を訪れていたといいます。
事件に至るまでの経緯も徐々に分かってきました。
最初に襲われたのは、44歳のイベントスタッフの男性。現場の「みずほPayPayドーム福岡」のエレベーターホールは、HKT48のメンバーが頻繁に写真撮影する場所だったといいます。
警察によると、事件の前日の13日午後4時半ごろ、山口容疑者が男性を刺した駐車場のエレベーターホールに1人でいる姿をイベントスタッフが確認していました。
スタッフの間では、「(メンバーの)出待ちをしているようだ」などと情報が共有され、警戒していたといいます。
そして事件当日の14日午後5時前、前日と同じエレベーターホールに再び姿を見せた山口容疑者。被害に遭った男性スタッフは、容疑者が常連客だったため顔を認識、声を掛けます。
「なんでそこにいる。そこにいたらダメだ」
男性スタッフによると、容疑者に繰り返すなら劇場に出入り禁止にするという趣旨の話もしたといいます。
すると容疑者は、男性の顔に催涙スプレーを噴射。そして、カバンから刃物のようなものを1本取り出し、何も言わず刺してきたといいます。
さらに、80メートル離れた隣接する商業施設で、27歳の女性も同じ刃物で刺したとみられています。
凶器となった刃物。入手経路をたどると、容疑者の計画性が見えてきました。
駐車場には「白い高級車」
福岡市でHKT48の運営会社スタッフら男女2人が刺された事件。警察によると、男性は重傷、女性は軽傷です。
調べに対し山口容疑者は、「エレベーターホールにいたら、被害者に『なんでそこにいるんですか』という趣旨のことを言われたので、刺し殺そうと思い、包丁で胸あたりを刺した。殺そうと思って刺した」などと供述し、容疑を認めています。
警察は、“計画的な犯行”の可能性もあるとみています。
容疑者のカバンからは、催涙スプレー2本と殺虫剤、家庭用の包丁2本も見つかっています。包丁の1本はタオルに包まれ、もう1本は血の付いた状態で裸で入っていたといいます。
包丁の入手経路について山口容疑者は、福岡県内の店舗で購入したと話しています。
事件の後、山口容疑者は、およそ12キロ離れたコンビニエンスストアで15日午前2時すぎ、自ら警察に通報しました。
「何か乗ってきたとか、自転車があったとかはない。歩いてこられたか。別になにか暴れているわけでなく買い物するわけでなく、窓際に立って外を見てじっとしていた。10〜15分したらパトカーが数台きて、警察が両脇をかかえて、そのまま店のすぐ外に出ていった」
山口容疑者の自宅は、コンビニ店からおよそ20キロ離れた糸島市内にあります。
近くの住人によると、駐車場には容疑者のものとみられる白い高級車が止まっていたといいます。
同じアパートに住む男性も…。
犯行当日に、車が使われたかは分かっていません。
HKT48は、17日に予定されていた劇場公演の中止を発表。影響は続いています。
また、山口容疑者は女性を刺したこともほのめかしていて、警察は詳しい動機を調べています。





