今度は印刷会社にクマが現れました。しかも親子です。緊迫の一部始終を複数のカメラが捉えていました。
窓から中をのぞき込むクマ
ガラス窓の向こうに現れたのは、大きなクマ。奥には子グマの姿も。
12日午前9時ごろ、山形県の印刷会社に突如、親子のクマが現れました。
母グマがガラス窓に覆いかぶさるように立ち上がります。前脚には、長く鋭い爪が。
雪が積もる中庭。12月半ばになっても、冬眠しないクマが目の前に現れ、驚く従業員たち。
複数のカメラが緊迫の一部始終を捉えていました。
16日、番組の取材班は、山形県酒田市の工業地帯へ。
親子のクマが現れた印刷会社です。クマを目撃した、村上慈社長に話を聞きました。
工場と事務棟をつなぐ連絡通路です。このガラス窓は「マジックミラー」になっているといいます。
村上社長が撮影した映像を確認すると、内側からは外の景色が透けて見え、クマの姿が確認できます。ただ、外側からは鏡になっていて、内側の通路は見えません。つまり、クマの目には通路にいる従業員たちの姿は映っていないということです。
クマを撮影した時刻は午前9時ごろ。従業員が通勤した直後のことでした。工場と事務棟では合わせておよそ100人が働いているといいます。
最初にクマを見つけたのは、事務を担当する女性でした。
「朝の8時50分ごろ」
その時に撮った写真です。母グマがガラス窓に迫ってくる姿を目の当たりにします。
印刷会社でウロウロ一部始終
印刷会社の周辺は工業地帯で、住宅が建ち並ぶエリアも隣接しています。
この日は、午前5時半ごろ、工場地帯で体長1メートルほどのクマ1頭が目撃されています。そして午前9時ごろ、印刷会社に親子のクマが現れました。印刷会社のガラス窓にはクマの痕跡が。
「クマが出たのがこちら。今も足跡が残っている。これもクマの足跡。ここまで届いたということ。このくらいの大きさだったと思う。かなり大型」
ガラスの表面をよく見ると、クマの肉球と指の跡が付いているのが分かります。
従業員の男性が撮影した映像を改めて確認すると、母グマが一度、顔を近づけた後、再びガラスをのぞき込むような仕草を見せます。
別の映像でも、母グマは何度も立ち上がっています。
同じ山形県では、クマにガラスを壊される被害も出ています。
小学校の玄関に現れたクマ。立ち上がり、ガラスの中をのぞいた直後、猛スピードでガラス扉に激突します。
粉々に砕け散った扉。クマの体は強靭であることが分かります。
親子のクマは、印刷会社の中庭に5分から10分ほど居座った後、駐車場のほうへ移動します。
3分後、親子のクマは工場の前に。雪の上を駆け抜けていきます。
「『怖い』の一言です。恐ろしい、まさかこんな所までクマが出るとは」
クマが去った後、駐車場を確認すると、雪の上にはくっきりと足跡が。
印刷会社での目撃からおよそ20分後には、短期大学のすぐ近くでクマが目撃されています。
「付近に中学校もあるので、子どもたちに被害がないか心配」
翌日の午前9時ごろ、国道の路肩で、車にひかれたとみられる子グマの死骸が見つかりました。酒田市は、印刷会社に現れた個体と同一とみています。
母グマの行方は分かっておらず、注意を呼びかけています。














