初めて単独で「鴨場接待」に臨まれた愛子さま。そもそも鴨場接待はどんな行事で、なぜ「カモ」なのでしょうか。
愛子さま 初の単独“おもてなし”
17日午前、埼玉の鴨場に到着された愛子さま。
「今朝、いかがお過ごしでしょうか?(How are you this morning?)」
「おかげさまで元気です(I’m fine,thank you)」
各国大使を招いて行われる鴨場接待。今回は、おひとりでの接待です。
鴨猟の最後は放鳥。愛子さまも軍手を身に着けられ、スタンバイ。しかしカモは…愛子さまが手を離しても動きません。なでてもだめです。助けを求められます…。
「愛子さまが好きだから、そばにいたいのです」
どうしても、その場を離れないオスのカモ。
「大丈夫だと思うんですよ…」
「人になれていると、飛び上がればネットでキャッチされちゃうから」
別のカモでチャレンジです。
「リベンジを」
今度は成功です。
この時、何があったのか。その場にいた宮内庁担当の吉田記者は…。
「最初のカモが動かなかった際には、愛子さまも『大丈夫ですか』と心配された。人なれしたカモはなかなか飛ばないということもある。記者も心配したが、後ほど別の方によって放鳥された」
8年前、秋篠宮家の長女・小室眞子さんの時はカモをポトリ。今年2月に愛子さまが初めて鴨場で接待された際には、カモが逃げて池に入ってしまう場面もありました。
名古屋大学 河西秀哉准教授
「おそらく、うまくいかないこともあるのでは」
伝統行事「鴨場接待」ってなに?
愛子さまが全力でもてなされた鴨場接待。そもそも「鴨場」って何?
「鎖国がなくなり外国との関係性が密になる中で、『何か接待をしなくては』となる時に、『日本の伝統』をお見せして、外国の方をもてなす」
鴨猟は野生のカモを伝統的な手法で無傷のまま捕獲するもの。鴨場には、冬になるとシベリアから野生のカモが元溜(もとだまり)と言われる池に飛来します。
元溜には引堀という狭い水路がいくつもあり、訓練されたアヒルを使ってカモを誘導。叉手網(さであみ)と呼ばれる網を使って、カモが飛びたつところを捕獲するものです。
皇族がカモを捕らえる映像は残っていませんが、1978年に金丸信氏、安倍晋太郎氏らが、17日と同じ埼玉の鴨場で鴨猟をする様子が残っていました。網を手に引堀へ向かい、カモを捕まえます。
「鴨場接待」人気のワケ
この鴨場接待が、なぜおもてなしの場として人気なのでしょうか。日本ならではの理由がありました。
「西洋の狩猟は獲物を撃つ、殺してしまうという部分がある。ところが鴨場というのは傷つけずに捕獲する、殺さない。非常に日本的な在り方で、殺生がない狩猟の在り方。多分、それが外国の人たちに受ける要因ではないか」
接待の場であり、また憩いの場でもあります。
美智子さまに抱えられ、バードウォッチングをされる秋篠宮さま。宮内庁が管理する鴨場は、埼玉県だけでなく、千葉県市川市にもあります。
敷地内の池を自らの手でボートをこぐ、黒田清子さん。途中、上皇さまにバトンタッチ。
また、現在の天皇陛下が、プロポーズした場として知られています。
記者から警備をつけずにお忍びで鴨場に行ったことを問われ…。
「雅子さんのことに関しては、本当に全力投球でと申しますか。警備なしという極めて無防備な状態ではあったわけですけれども、それをする価値は十分にあったという、このことに関してはそういうふうに思っています」
そして結婚から半年後、今度は埼玉の鴨場へ。両陛下が手を離すと、カモはまっすぐ空に飛び立ちました。
それから32年。娘の愛子さまは、お一人で各国大使を接待されました。
「外交団にはコーヒーや紅茶が振る舞われ、愛子さまも大使らの輪に加わり英語で交流を楽しんでいました。鴨猟の経験について話をしていたとみられ、大使らが愛子さまに『あなたには先生がいるのですね』と声をかけ、笑いが起きる場面もありました」
ただ、こんな疑問も。
「(Q.最後は食べるのですか?)基本的には食べません。とって、それを放して管理する。基本的には食べない、殺生はしない」
皇室ゆかりの鴨場はどんな場所なのでしょうか。埼玉と千葉の鴨場はともに、来年2月から3月にかけて見学会が行われます。







