社会

報道ステーション

2025年12月18日 01:51

「宇宙システムが私の脳をジャック…」自称占い師が無罪主張 信者2人に入水させたか

「宇宙システムが私の脳をジャック…」自称占い師が無罪主張 信者2人に入水させたか
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信者の男性2人に自殺をそそのかした罪などに問われている、自称“占い師”の濱田淑恵被告(63)の初公判が17日に開かれ、「宇宙システムによるシステムプログラムが、私の脳をジャックして行ったもの」と語り、無罪を主張しました。

信者の男性2人に入水させたか

初めて法廷に姿を見せた、自称占い師の濱田淑恵被告(63)。

裁判長
「あなたの名前は何と言いますか」
濱田淑恵被告
「濱田淑恵です」
裁判長
「職業は何ですか」
濱田淑恵被告
「無職です」

メガネとマスクで表情を伺うことはできません。ただ、手に持った紙は震えていました。

自殺をそそのかした疑い

濱田被告は2020年、信者の男性2人に自殺をそそのかした罪などに問われています。2人の遺体が見つかったのは、和歌山県内の海岸。互いの手首にマイクコードが結ばれた状態でした。遺体の身元は、オーディオ機器の会社を経営していた当時66歳の男性『Aさん』と、同じ会社でアルバイトをしていた当時51歳の男性『Bさん』と判明。その後の調べで、濱田被告と元信者の女の2人が、AさんとBさんに自ら命を絶つよう仕向けた疑いがあることが分かりました。

関係者によると、元信者の女は、亡くなったAさんと、かつて婚姻関係にありました。

Aさんの知人
「(Aさんは)『濱田(被告)は超人的な人間。100%の精度で自分のことを言い当てる霊媒師だ』と」
検察側の主張

検察側は17日の初公判で、濱田被告が自宅に住まわせていた未成年の愛人が逃げ出すようになったことが事件の発端だと主張しました。

検察側
「『正常な状態に戻すには死んで魂になるしかない』と言って、信者らに自殺を持ち掛けた」

事件当日、入水時の苦痛や恐怖心を和らげるための鎮痛剤を4箱購入し、車の中で飲んだことや、濱田被告の腕にはコードが結び付けられていなかったこと。途中で濱田被告が「ストップ」と叫んだものの、死亡した2人は声が聞こえなかったのか沈め合っていたことなど、詳細が明かされました。

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「体を介して宇宙システムが…」

自らを『創造主』と名乗り、霊能力をうたった“スピリチュアルカウンセリング”で信者を精神的に支配していたとされている濱田被告。

濱田淑恵被告
濱田淑恵被告
「『創造主』と名乗っていたということですが、私自身の口から名乗ったことは一度もありません。私自身の体を介して宇宙システムというのがあるんですが、私の口を介して一連のことが行われたということです」

2人に自殺をそそのかしたことについては。

濱田淑恵被告
濱田淑恵被告
「宇宙システムによるシステムプログラムが私の脳をジャックして行ったもの」

事件後の音声データに「名場面」

弁護側は、事実関係は争わないとした一方で「責任能力がなかった」と無罪を主張しました。一方、検察側は、濱田被告が事件後に信者と交わした会話の音声を証拠として提出しています。

法廷で流れた音声

【法廷で流れた音声】

濱田被告
「上手に2人だけ。はい残せました。面白かったな、あのシーン。やばいな名場面」
信者
「超名場面です」
濱田被告
「やばくね?私たち手かけずにだよ、淑恵。頭が犯罪者になるのやだもん。関係ないもん。そんなの私たちが殺すわけないじゃないもん」
信者
「芸術的でした」
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被害者遺族「演技をして許せない」

裁判に参加したAさんの遺族は。

Aさんの長男(30代)
Aさんの長男(30代)
「演技をして許せない。普通の考えじゃないなと思いました」

亡くなったAさんが所有していた自宅は、Aさんの死後、濱田被告の親族の名義となり、濱田被告の子どもたちが住んでいます。今年3月には、息子を名乗る人物が取材に応じていました。

濱田被告の息子を名乗る男性
濱田被告の息子を名乗る男性
「基本は優しい母さんだった。スピリチュアルカウンセリングはしていたと聞いたことある」
表札

表札には、今も『Hamada』の文字が。

遺族の代理人弁護士
「亡くなられた後に家まで奪われている。それをまた濱田被告の子どもたちが住んでいる。これがどれだけ被害者にとってつらい状況にあるか」
Aさんの長男(30代)
「怒りの感情というか、悲しみの感情…そういった感情が渦巻いてモヤモヤするというか。嘘をついたり、神の仕業と言って、演技をして許せない。お父さんは自殺するような人ではないと僕は思っています」
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