2025年も残りわずか。今年も様々な気象災害や天気トピックスがありました。テレビ朝日ウェザーセンターの気象予報士が、今年印象に残った出来事をお伝えします。
気象現象の極端化
今年は統計史上の記録を次々と塗り替える一年となりました。いくつかピックアップします。
■国内の統計史上最大のドカ雪に
2月4日には低気圧が急速に発達しながら北海道付近を通過。帯広や芽室では一晩で1m以上の雪が積もるなど、道東で記録的な大雪となりました。帯広は3時間と12時間に降った雪の量が、芽室では6時間に降った雪の量が、それぞれ全国の統計史上1位の記録を塗り替えています。
■統計史上最も早い梅雨明け
厳しい冬が過ぎると、あっという間に夏に。関東甲信や北陸、近畿、中国、四国、九州北部、沖縄、奄美では、1951年の統計開始以来、最も早い梅雨明けとなりました。
■国内の歴代最高気温を更新
7月30日には兵庫県丹波市の柏原で41.2℃を観測。とうとう日本の歴代最高気温を更新してしまったと驚く間もなく、その6日後の8月5日には群馬県の伊勢崎で41.8℃を観測。記録をさらに更新します。今年40℃以上を観測したのは、のべ30地点。去年までの最多記録だった17地点(2018年)を大幅に上回りました。
■猛暑日日数が統計史上最多
35℃以上の猛暑日となった日数も記録的な多さに。大分県の日田では62日と、全国の統計史上最多記録に並んだほか、仙台や東京、名古屋、大阪といった大都市でも年間日数が過去最多となりました。夏の期間に全国で観測された猛暑日地点数の積算も統計史上最多を記録しています。
今年を象徴 年末も極端な天気に
上述のように、今年は極端な気象が目立ちましたが、ラストもやはり今年を象徴するような天気となっています。20日(土)と21日(日)は季節外れの暖気が流れ込み、12月後半にも関わらず20℃を超える地点が続出。北日本の12地点では、12月の統計史上一番の暖かさとなりました。
ところが、次の週末には再び真冬並みの強烈な寒気が流れ込んできます。ちょうど帰省ラッシュのタイミングで、全国的に厳しい寒さとなりそうです。日本海側では大雪や吹雪となり、帰省の交通にも影響が出る恐れがあります。
テレビ朝日ウェザーセンター 気象デスク 藤枝知行
