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2025年12月26日 16:00

冬に急増 のどトラブル“危険なせき”は音で見分ける 期間の長さも注意 予防策は?

冬に急増 のどトラブル“危険なせき”は音で見分ける 期間の長さも注意 予防策は?
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空気が乾燥し、寒暖差も大きい冬のこの時期は、のどのトラブルに注意が必要です。

のどの不調で、せきが出やすい季節ですが、放置すると危険なせきもあります。
その見分け方、さらに、予防策についても、みていきます。

■のどの不調 乾燥&寒暖差 年末ならではの要因も

みなさんの “のど”についての悩みです。

40代女性
「イルミネーションを見に行ってから、のどがちょっと痛い。体が冷えたので、風邪だと思う」
20代男性
「忘年会シーズンでお酒を飲んで、のどをだめにしてしまい、ガラガラ声に
30代男性
寝起きののどの渇きがすごい。水を飲んでも、乾く感じがする」

12月の“のど”への刺激です。

忘年会での、飲酒・暴飲暴食。
カラオケ。
そして、大掃除の、ほこり・カビなどです。

横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニックの三島渉院長によると、
「この時期の気候は、のどに不調が起きやすい。寒暖差乾燥が大敵」ということです。

のどが乾燥すると、どうなるのでしょうか。

のどが乾燥すると、ウイルスなどの異物をせき止めているのどの線毛の機能が低下します。

正常なのどは、線毛や粘膜でウイルスがせき止められ、体外に排出されますが、乾燥したのどは、ウイルスをせき止められず、体内に入ってしまいます。

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■“危険なせき”見分け方 『音』と『期間』に注意

危険なせきの見分け方です。

【危険なせき 見分け方(1) 音】

まずは、音です。

乾いたせきは、「コンコン」「ケンケン」という響きが軽めの音です。

こうしたせきの時、考えられる症状は、『風邪』『インフルエンザ』『新型コロナ』『マイコプラズマ肺炎』『せき喘息』『百日せき』などです。

横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニックの三島院長です。
「乾いたせきのうち、
発熱を伴うのが、『風邪』『インフルエンザ』『コロナ』『マイコプラズマ』。
発熱を伴わない傾向にあるのが、『せき喘息』『百日せき』」ということです。

続いて、湿ったせきの音です。
「ゴホゴホ」「ゲホゲホ」と、胸の奥から出るような、にごった音がします。

考えられる症状は、『急性気管支炎』『慢性副鼻腔炎』『肺炎』『気管支拡張症』などです。

さらに、息を吸うと音が鳴る場合です。
「ヒューヒュー」という、気管が狭くなり、空気が通りにくい状態の音です。

考えられる症状は、『ぜんそく』『慢性閉塞性肺疾患』『百日せき』などです。

三島院長です。
「乾いたせきでも、湿ったせきでも、後から『ヒューヒュー』という音が出始める可能性がある。気管が狭くなると、呼吸ができなくなる場合があり、『ヒューヒュー』と鳴ったら危険度が上がったというサイン」

さらに、たんの色が、白色や透明のときは、基本的には風邪ですが、2週間以上せきがでる場合は、他の病気の可能性があります。

たんが黄色や緑色のときは、細菌感染の疑いが強く、抗菌薬による治療が必要なため、病院を受診してください。

【危険なせき 見分け方(2) 期間の違い】

危険なせきの見分け方、せきが続く期間の違いです。

せきの出始めから3週間未満の場合は、『急性咳そう』と呼びます。『咳そう』というのはせきのことです。
主に、風邪などの感染症が原因です。

せきが8週間以上続く場合は、『慢性咳そう』と呼ばれ、多くは感染症以外の病気が原因です。

『慢性咳そう』の要因です。

ぜんそくや気管支拡張症などの、呼吸器の病気。
アレルギー性鼻炎・慢性副鼻腔炎などの鼻やのどの病気。
胃食道逆流症などの、消化器の病気。
肺がんや、間質性肺炎など、重大な病気の可能性もあります。

全国の『慢性咳そう』の患者は、20歳以上で、推計約300万人です。
ただ、半数以上が医師に相談していないということです。

『慢性咳そう』の患者さんに、せきが出やすくなる要素について聞いたところ、最も多いのが『煙』。 次いで『会話』『冷気』『乾燥』『飲食』ということでした。

こうした状況から、この時期に多くなる忘年会などは、せきにつながる要素が多くなります。 この時期、せきをしている人が多いなと感じるのは、こういう理由もあるかもしれません。

三島院長です。
「『慢性咳そう』のうち、約4割は、せき喘息で、その中には、治療をしてもなかなかせきが治まらない“難治性”の方もいる。“難治性”の方の多くは、ごくわずかな刺激で、せきが誘発されてしまう」
「やっかいなことに、『せき喘息』は検査値で示すことは難しく、採血や画像診断などでは異常が出ない。そのため患者が我慢したり、諦めたりして、受診率が低くなっている
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■長引くせき どうすれば?3つの方法&『のど』のギモン

のどの乾燥対策です。
1つ目。
『のどスチーム』です。

お湯1リットルに対し、重曹20gと、塩を少々溶かします
これをタオルに染み込ませて、5分間、口に当てて呼吸します。

のどの乾燥対策2つ目。
『口閉じテープで鼻呼吸』です。

就寝時に『口閉じテープ』を貼ります
鼻の中には粘膜などのフィルターがあり、吸い込んだ空気を、加湿する作用があります。

そして、のどの痛み、せきが出たら、基本的には、なるべく声を出さない『沈黙療法』が有効です。

40代男性です。
精神的なストレスとせきは、関係あるの?』
横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニックの三島院長によると、
「人は、仕事量の増加、人間関係の不安など、多彩な要因からストレスを受ける。ほどよい刺激ならよいが、過剰になると自律神経のバランスが乱れて、せきが出やすくなることがある」ということです。

ストレスからくるせきの仕組みです。

精神面の負荷が大きくなると、交感神経が優位になり、呼吸数が増え、気道が刺激に敏感になり、せきが出ます。

そのほか、ストレスによる睡眠不足や、免疫力低下の影響もあるということです。

三島院長のアドバイスです。

●心あたりのあるストレス要因を箇条書きにして、客観的に見直す。
●生活習慣の乱れを点検して、身体面の負荷をチェックする。

「一度書き出して整理すると、自分自身を追い込みすぎる習慣を見直すきっかけになり、長引くせき改善につながる可能性もある」
30代の女性です。
『なぜ、のどあめをなめても、せきが止まらない時がある?』
三島院長です。
「せきが出ているときに、糖分が入っているあめは、おすすめできない。糖分は水分を引き寄せるため、のどから水分を奪い、せきが続くこともある」

対策としては、ぬるま湯や常温の水で水分補給やうがいをして下さいということです。

50代の女性です。
『なぜ、アイスクリームを食べると、せき込むことがある?』
三島院長です。
「急にのどを冷やすことで、温度差から、のどの粘膜が刺激され、せきがでることがある。過敏な方は、少量でもせき込みやすくなる」

対策としては、冷たいものを口にするときは、ゆっくり、少しずつを心がけると良いということです。

松岡アナのギモンです。
『なぜ、体調に変化はないのに、声がよく出る日や、出にくい日がある?』
三島院長です。
「自身の体調は変わらなくても、周囲の乾燥具合によって、声の出方は変わる。乾燥している状態だと、声帯の動きが悪くなり、声が出にくくなる」

対策としては、周囲の湿度を適切にしたうえで、こまめに水分補給をすると良いということです。

(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年12月25日放送分より)

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