京都を思わせる竹林が広がる東京都内の観泉寺。ここは戦国時代に大きな転機を迎えた大名ゆかりのお寺でもあります。堂内には思わず驚く意外な存在がありました。
竹林とライトアップが生む“都内の京都”
「庭園シリーズ第9弾。きょうは杉並区にある観泉寺にやって来ました。かなりの歴史があるということで、その歴史と、どんな庭園があるのかとっても楽しみです」
荒井アナウンサーが訪れたのは東京・杉並区にある観泉寺。実はここ、ある有名な戦国大名と深い関わりがあることで有名なお寺なんです。さらにその歴史だけでなく、美しい景観も人気のようです。
「竹林が広がっています。青々と茂っていて雰囲気があります。一気に世界観が変わった感じがします」
今回、観泉寺を案内してくれるのは副住職・田中道歩さんです。
「この小道や竹、京都に見えてくるんですけれども」
「過去には京都設定のドラマもここで撮影がありまして、都内で京都が撮れる場所になります」
「秋に紅葉のライトアップも。その際の竹林の幻想的な光景も人気でして、毎年大勢の方にお越しいただいております」
観泉寺では毎年紅葉の時期にライトアップのイベントを開催します。様々な色に彩られた境内はまさに異世界。この景色を見るために数千人の人が訪れているのだそうです。
美しい竹林の風景を切り取っちゃいましょう。
「鳥の声と竹の美しい青々とした色と。最高ですね」
「この時期はこういった景色が見られます」
「都内の京都を見つけました」
今川家と観泉寺 戦国から江戸へ続く絆
1597年(慶長2年)に創建された観泉寺。ある戦国大名との関わりが、後の発展につながったそうです。
「観泉寺は桶狭間の戦いで有名な、今川義元公のご子息・今川氏真が開基したお寺です」
「今川家って、桶狭間の戦いの時にお家がなくなってしまったんだと思っていたんですけれども…」
「実は、江戸時代の幕末まで今川家は存続しておりました」
1560年、桶狭間の戦いで織田信長に敗れた今川義元。しかしここで今川家が途絶えてしまった訳ではありませんでした。江戸時代には「高家」と言われ、朝廷関係の儀式をとり行う重要な仕事を任されるなど、長い間今川家は活躍していたのです。
観泉寺は今川義元の嫡男・今川氏真が造り、その後、今川家の菩提寺(ぼだいじ)として長年この地で供養しているお寺です。歴代今川家当主のお墓にお参りするという、歴史的な観光スポットにもなっているそうなんです。
「静岡のほうからツアーでお越しいただくことも…」
「昔の領地の方からこちらにお越しいただいて」
「世を恨んでも仕方がない」氏真の心情は
今川家といえば現在の静岡県を領地としていた大名。でもなぜ、東京・杉並に菩提寺となる観泉寺が造られたのでしょうか。
それは徳川3代将軍・家光の時代、家康を御祭神とした神社・日光東照社の存在が大きく関係していました。
「今川氏真の孫にあたる今川直房が、徳川家光の命を受け、日光東照宮の宮号を朝廷からいただく。この今川直房が使いとなって交渉した結果、朝廷から宮号をいただけた」
「家光は大変喜び、500石分の領地を褒美として与えたと」
今川直房の活躍で日光東照社は日光東照宮となり、朝廷が認めた格式高い神社の地位を確立したんです。これにより今川家には広大な領地を与えられ、現在の場所に観泉寺が建てられたということです。
「ものすごく貢献をした功績だったんですね」
ちなみに今川家がこの場所に根付いていたということが分かる証拠がこんな所にもあります。
「まさに今川という名前がそのまま住所になってます」
「約90年前に、この辺りの地名を決める際に、その時の住職の発案で、ここは今川家の領地だった場所だから、今川さんの名前をつけましょうということで。周りの住まいの方にもご賛同いただき、今川という地名がつけられました」
「周りの方も納得する。そんなつながりなんですね」
江戸時代から続く今川家と観泉寺の深い関係。本堂には今川家にまつわる貴重な品が保管されているということです。今回特別にその品を見せてもらえることになりました。
「今川氏真の和歌です。それが2巻入っています」
「かなり長いですね」
名門・今川家に生まれ将来を期待されていた氏真でしたが、父・義元の死後は武将ではなく歌人として過ごす人生になりました。戦いの表舞台から姿を消した氏真は、約2000首の歌を残したということです。 中には氏真の心情が分かるこんな歌がありました。
「世を恨んでも仕方がない。時代に合わなかった自分が悪いのだから」という意味です。多くのものを失った氏真の「諦め」の心境がうかがえます。
「これは直筆?」
「というふうになりますね」
「この太い部分と細い部分を見ると、本当に人が書いたんだなっていうのが分かって、本当に生きていたんだと。不思議な気持ちになります」
池泉庭園の癒やし空間
ここで、観泉寺の庭園へ移動します。一体どんな庭園なのでしょうか。
「美しいですね。ずっと眺めていたいような、そんなお庭です」
「いらっしゃる方皆様、この癒やしの空間を求めてお越しいただくので、ご覧いただけていつも光栄に思っております」
「この太陽と鳥のさえずりと。本当に静かできれいな水面が気持ちいいですね」
庭の中心に池を設けた「池泉鑑賞式庭園」は、実は先代の住職が景観のために造ったそうです。日本各地の庭園を参考にしたというこだわりで、今では地元の人はもちろん、多くの観光客の人気スポットになっているんだとか。
「この雰囲気を見ていると、都内にいることを忘れてしまいますね」
「やはりこの空間入っただけでも、ここは別世界かなというふうに思っていただけるような。そんな空間になっています」
(「グッド!モーニング」2026年1月8日放送分より)










