社会

ABEMA TIMES

2025年12月29日 11:00

“合コン”は非モテキャラも救っていた!?マッチングアプリ全盛時に浮き彫りになった出会いのハードルとモテ・非モテ格差を識者が分析

“合コン”は非モテキャラも救っていた!?マッチングアプリ全盛時に浮き彫りになった出会いのハードルとモテ・非モテ格差を識者が分析
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 街がイルミネーションに彩られる中、スマホの中で人知れず「拒絶」を経験し、心を削られる男性たちがいる。マッチングアプリの普及により出会いの機会は増えたはずだが、そこには明確な「格差」と、かつてのリアルな出会いの場が持っていた「救い」の機会の消失があった。『ABEMA Prime』では、当事者と識者を交え、現代の恋愛市場の歪みを議論した。

【映像】結婚した夫婦、出会いのきっかけは?(アンケート結果)

■「選ばれる奴隷側」アプリという“奴隷市場”で闇落ちする男性

マッチングアプリの実情

 マッチングアプリを1年前から始め、非モテを自認する27歳のマコトさんは、自身のnoteで「マッチングアプリという名の奴隷市場」「私は選ばれる奴隷側の人間である」という過激な言葉を綴り、大きな反響を呼んだ。

 これまでにおよそ20人の女性と会ったものの、交際には至っていないマコトさんは、アプリ特有の拒絶に苦しんでいる。「普通に社会を生きていて、相手から拒絶されるっていう経験を持たれることないとは思うんですけれども、アプリの世界では相手を遮断するっていうのが非常に日常茶飯事。闇落ちをしてしまったせいで、それに慣れてきてしまっているのが悲しい」と心境を明かす。

 マコトさんは、相手に常に「審判を下されている」という恐怖を感じ、女性そのものに恐怖心を抱きつつあるという。アプリという戦場において、スペックの低い男性は、戦う前から心を折られてしまう現状がある。

 この閉塞感に対し、2ちゃんねる創設者のひろゆき氏はマッチングアプリが抱える構造的課題を指摘する。「大体どこ見ても、上位3割ぐらいの男性が女子8割ぐらいを食い散らかすという構造。上位3割に入れない人たちが何なのかっていうと、ひたすらお金を払い続けてプラットフォームの維持費用を払っている『養分』になっている」。ひろゆき氏は、上位に入る自信のない男性はアプリを使うべきではないと断言した。

■「合コン」が果たしていた“お膳立て”の役割

マコトさん“闇落ち”の理由

 なぜこれほどまでに格差が広がったのか。独身研究家の荒川和久氏は、婚姻数のデータから、かつての「合コン」や「友達の紹介」が果たしていた社会的役割を分析する。

 「アプリ婚は増えているが、それ以上に『友達の紹介』が減っている。かつての合コンは、恋愛強者の人たちが、自分が女子と会いたいからお膳立てする場だった。でも、そこには必ず、リア充の友達という理由で恋愛弱者も呼ばれて、そこでお膳立てされていた。今のマッチングアプリは、お膳立てを全部排除してしまったので、自分で自分を売り込まなければいけない。恋愛弱者が一番苦手な、自己プレゼンを強いる場所に放り出された」。

 かつての合コンは、強者の恩恵を受ける形で弱者にも出会いのチャンスが回っていた。しかしアプリの普及により、出会いは完全に個人の能力に委ねられる個人戦となり、非モテキャラの救いだったものが消滅したという。

■脱・非モテへの挑戦。努力で攻略できる余地はあるか

マッチングアプリが非婚化を進める理由

 一方で、この市場を勝ち抜いた者もいる。元「チー牛」を自認し、体重が85キロあった過去を持つ井上氏は、努力によってアプリでの「いいね数」がカンスト(表示上限)するまでの攻略を実践した経験を持つ。

 「私も元々、全然モテなかった。自分を客観的に見て、女性からも好かれる外見をまず作っていき、写真やプロフィール、アプリの使い方をがっつり攻略した。努力できる部分はたくさんある。ただ、その努力の方向性を間違えないでほしい」と失敗を繰り返しながら客観的な視点を持つ重要性を説いた。

 アプリという画面上のスペック勝負から抜け出し、再び出会いを取り戻すにはどうすればいいのか。ひろゆき氏は、あえて恋愛から離れたコミュニティに身を置くことを提案する 。「例えば編み物とか、おばちゃんの趣味とかを始めちゃっていいと思う。おばちゃんやおばあちゃんに教わりながら仲良くなって、紹介してもらう。だいぶ遠回りに感じるけど、実は近いかもしれない」。 (『ABEMA Prime』より)

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