社会

ABEMA TIMES

2025年12月31日 11:00

喉に「餅」が詰まって窒息 予防のカギは食べる姿勢と調理の工夫? 専門家が解説

喉に「餅」が詰まって窒息 予防のカギは食べる姿勢と調理の工夫? 専門家が解説
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 毎年、年末年始には餅による窒息事故で多くの人が緊急搬送される。予防法や事故が起きた際の周囲の対処法などについて日本赤十字社 事業局 救護・福祉部の前田ゆかり氏に聞いた。

【映像】「餅」だけじゃない! 窒息につながりやすい食べ物リスト

救急搬送された人の9割が65歳以上

餅などをのどに詰まらせて救急搬送された人数(東京消防庁管内)

 東京消防庁管内において、餅などをのどに詰まらせて救急搬送された人の9割が65歳以上の高齢者だという。なぜここまで高齢者の割合が高いのだろうか?

 前田氏は「年齢とともに唾液の分泌が少なくなったり、咀嚼や嚥下の力が弱まってしまうことも影響している。とはいえ、窒息については全世代に起こり得るので、予防的な知識を知っておくことが重要だ」と述べた。

餅以外にも誤嚥・窒息につながりやすい食べ物

誤嚥・窒息につながりやすい食べ物の特徴と例

 餅以外にも誤嚥・窒息につながりやすい食べ物はあるのだろうか?

 前田氏は「こんにゃく・きのこなどの弾力のあるもの、プチトマト・ぶどうのような球状のもの、しっかりと咀嚼せずに食べてしまいがちな豆腐などにも注意が必要。また、唾液を吸うパンやゆで卵などにも気をつけてほしい」とアナウンスした。

もし、近くにいる人が窒息してしまったら

窒息した際の対処法

 もし、近くにいる人が窒息してしまったら、どのように対処するべきなのか?

 前田氏は「まずは、直ちに本人に強い咳をさせる。声が出ないか、十分に強い咳ができない場合は、協力者を求め、119番通報とAEDの手配をしたうえで、まずは背部叩打法をおこなう。背部叩打法を数度繰り返しても異物が除去できなかった場合は腹部突き上げ法を行い、異物が除去されるまで2つの方法を数度ずつ繰り返して続ける。傷病者の反応・意識がなくなってしまった場合は、直ちに心肺蘇生の手順のとおり手当する」と説明した。

「唾液を出しやすくすることが重要」

窒息の予防・対処の心得

 窒息の予防法にはどのようなものがあるのだろうか?

 前田氏は「唾液を出しやすくすることが重要」と話す。

「食事前に少し水分をとってほしい。年齢とともに喉の渇きに気づきにくくもなるので、定期的に少しでも水分をとることが重要。特に冬場になると喉の渇きがわかりにくくなる」

 さらに食事については「高齢者に限らず、肉なども小さく切って食べることが大事。詰まりやすいキノコ類も小さく刻んだり、トロミなどをつけて食べることが有効だ」とした。

 さらに前田氏は「姿勢」も重要だと指摘する。

「しっかり両足踵を床につけて食事することが大事。足が宙ぶらりんに浮いたような姿勢はおすすめできない。とはいえ、こたつ机で食事をする家もあり、住宅環境はそれぞれ異なるため、整えることは難しいこともあるが、窒息事故を予防するためには工夫していただくことは重要になってくる」

(ABEMA/ニュース企画)

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