社会

ABEMA TIMES

2025年12月31日 11:00

“天狗の鼻”は折られる経験が成長に?トップアスリートが体験した挫折とその先にある成功への道 強靭なメンタルはどう生まれるのか

“天狗の鼻”は折られる経験が成長に?トップアスリートが体験した挫折とその先にある成功への道 強靭なメンタルはどう生まれるのか
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 2026年、ミラノ・コルティナ冬季五輪を皮切りに、WBCやサッカーワールドカップなど、世界最高峰の舞台が次々と幕を開ける 。日の丸を背負い、世界の頂点を目指すアスリートたちは、いかにしてその強靭なメンタルを築き上げるのか。輝かしい成功の裏側には、挫折の経験があるもの。そもそも、若くして才能を開花させた選手にとって「天狗の鼻」は折られるべきものなのか。『ABEMA Prime』に出演したトップアスリートたちが、自身の体験を交えて語った。

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■挫折は味わうべきなのか

三科真澄氏

 ソフトボールの五輪金メダリスト・三科真澄氏は、現役時代に「天狗」になる隙すら与えられない環境にいた。「私は本当に指導者に恵まれた。天狗にならせてもくれなかったし、ずっと(鼻を)潰されてきた。『お前はダメだ』と言われ続けてきたので、もっと頑張らなきゃと思った」と経験を語る。

 三科氏は常に外部から鼻を折られ続けてきたが、その経験を踏まえた上で、あえて「天狗になる期間は必要」という持論を展開する。一度自分を最大限に肯定する期間があるからこそ、それが認められたという実感が強みになるという考えだ。「私は必要だと思う。自分は天狗になったことないが、すごく自分を肯定化というか、自分ができたこと認められて、自分も認めているのは強みだ」。

 柔道金メダリストのウルフアロン氏は、キャリアの早い段階で「鼻を折られる」ことの重要性を自身の経験から説く。「ある程度初期の段階で天狗になって、それを思いっきりへし折られるような出来事は、僕はあって良かった。その期間があって成長できた」。

 ウルフ氏が警戒するのは、キャリアの終盤で周囲の助言が届かない状態になることだ。「最終的に天狗になって、もう誰にも何も言われなくなったら、それはそれで裸の王様みたいな感じで、少し恥ずかしい」。

 実際にウルフ氏は、大学2年生の時に2階級下の永瀬貴規選手(柔道81キロ級東京・パリ五輪金メダリスト)に敗れたショックを機に、自身の柔道スタイルを抜本的に見直した。「そこから考え方を、自分が相手に押し付ける柔道ではなく、相手に合わせてもカメレオンのように変えていくスタイルに変えた。何かしら失敗や、負けた体験、ショックな出来事があって、ちょっとずつ天狗の鼻を折られながら洗練されていくような感じだった」と振り返った。

■好調時は技術、不調時は人間性の成長チャンス

鄭大世氏

 サッカー元北朝鮮代表の鄭大世氏は、アスリートの成長には「好調」と「不調」の両輪が必要であると語る。鄭氏は、長友佑都選手のSNS投稿から大きな示唆を得たという。「いい時は技術的な成長が起こる。うまくいってない時は人間的な成長が起こる。まさに(鼻を)へし折られたところは人間的な成長のところ」。

 鄭氏によれば、うまくいっている時は「楽しいから伸びる」一方で、壁にぶつかった時に初めて自分の弱さを知り、人間として大切なことを学べるのだという。「自分が一番大切なことを学べたのはうまくいってなかった時。あの時は辛かったけど良かったという経験をできた。人としては、うまくいってなかった時の方が実りは多い」と語った。 (『ABEMA Prime』より)

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